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破滅の王 の商品レビュー

3.6

42件のお客様レビュー

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2024/04/04

戦争 × 科学者の葛藤 × 細菌兵器 コロナ禍を越え、戦争が身近になった今読めて良かったと思える一冊でした。 戦争の前後のことが史実を混じえて描かれており 「実際にこのような命のやり取りがあったのかも」 と思わされました。

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2024/01/04

戦争中、満州と言う国が存在した時代。 細菌兵器の開発と、その解毒方法の開発に従事した科学者の話。 とは言え当時、大陸の描写がホコリっぽく描かれていて生々しいです。 上田さんがコレを書くのか、、、ちょっと意外な感じ。

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2023/10/16

731部隊は、 『蚤と爆弾』吉村昭著(70年)、 『新・人間の証明』森村誠一著(82年)を読んでいるので、 やや、肩透かし。 上記を読んだときのような衝撃度はまったくない。 コミックの域を超えていないように思う。 登場人物の個性が、もう少し際立たせると広がりが出せたように思う。

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2023/08/06

史実を織り交ぜた戦前から前後直後の話で、中国が舞台。戦争に翻弄される科学者の正義と葛藤が描かれている。新種の細菌を巡って兵器にしたい各国、破滅に導きたい絶望した科学者、この細菌を葬りたい科学者と軍人。戦争の理不尽さを違った角度で捉えた物語だった。

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2023/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦前戦中の中国大陸が舞台。日本が暴力と謀略の国家体制だった頃、当時の中国が謀略を駆使する知識層と、どこまでも残虐に振る舞える貧困層が入り混じった状態。今の日本からは想像もつかないくらいワイルドでハリウッド映画顔負けのバイオレンスな世界観がある意味で魅力的。そんな世界で「黄砂の籠城」と同じく、男たちの義侠が熱い展開するストーリー。 研究所で知り合った同僚の六川が殺された理由を探る細菌学者の宮本を主人公に、軍人でありながら細菌兵器R2v(キング)の危険性を理解し焼却しようとする灰塚少佐が反目し意見をぶつけながらも同じ目的でもって友情を深めていく。 史実とフィクションが織り交ぜられているので緊張感をもって読み進めることができる。覚悟のある男たちの活躍が格好良く、面白い小説でした。

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2022/02/20

よみづらかったが、だんだんはまり、この時代のことを知らないことに気づかされる。細菌兵器を作っていたという話はきいたことがあった。日本で実現しなくてよかった。コロナは人口的ウイルスではないのか、ふときになる。

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2021/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日中間がキナ臭い上海で治療法皆無の病原菌が生み出された… あまりにも、現在の世界全体を脅かしているウィルスがまん延している状況に似ているのでこれはフィクションだと頭で思っていてもどうにも心のザワつきが止まらない。 1945年のソ連によるベルリン進行、日本の敗戦、そして 脅威の感染を妨げた登場人物のひとりひとり、読後しばらく呆然としてしまったほど。 フィクションなのでしょうが、SFとして読むよりもドキュメント・ノンフィクションのような生々しさ。ふと現実をみてみれば新型コロナがまん延中。 人類はいったいどこへ向かってゆくのでしょうか。

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2020/10/20

沖縄には『風根(かぜね)』という言葉がありましてね。『禍い(わざわい)の根』という意味です。『風根が生じる』と言います。満州国の存在は、日本と大陸にとって、結局、風根にすぎなかったのでしょうか。(p35)

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2020/05/30

中国発のコロナウイルスのため外出制限中に、思いがけなく細菌兵器を題材にした本書に巡り合ったのは不思議な縁を感じた。史実の流れに沿ったせいかフィクションとしてはけれん味に乏しくなってしまったのか、ちょっともの足りない印象。

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2020/05/16

第二次世界大戦前夜。上海自然科学研究所勤務の細菌科学研究員・宮本敏明を武官補佐員・灰塚が訪ねてくる。折しも親友で同僚の六川が何者かに殺された。そこには「R2v」という新しい細菌が書かれた文書が関わっていた。 「R2v」を巡って、世界が人類愛と憎しみのどちらを選ぶのかをかけた...

第二次世界大戦前夜。上海自然科学研究所勤務の細菌科学研究員・宮本敏明を武官補佐員・灰塚が訪ねてくる。折しも親友で同僚の六川が何者かに殺された。そこには「R2v」という新しい細菌が書かれた文書が関わっていた。 「R2v」を巡って、世界が人類愛と憎しみのどちらを選ぶのかをかけた戦いが始まる。 科学者と軍人スパイ、抗日集団、ナチスとこの時代を自分の矜恃で立ち向かう人々。善悪決められず、誰もが正しく対立するので読んでいる人は考えせられます。 「科学者の目標は真理の探究であり、真理は国家を越えるものであるからです」 新しい発見をするために研究をする。それが必ずしも良いことではない。人類にとって最悪と思えることが連係を生むこともある。2020年のCOVID19時代を体験している中、必要とされる本ではないでしょうか。

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