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池上彰の世界の見方 ドイツとEU の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2018/10/18

世界史の中でもヨーロッパ史は各国の思惑が交差しておもしろい。特に第一次世界大戦前の帝国主義時代なんて、まるで泥沼で昼ドラよりもおもしろい。 しかしさすがにいつまでもケンカしているわけにもいかず、いかにケンカしないでやっていけるようにするかを模索しだしたのがEC(EUの前身)とい...

世界史の中でもヨーロッパ史は各国の思惑が交差しておもしろい。特に第一次世界大戦前の帝国主義時代なんて、まるで泥沼で昼ドラよりもおもしろい。 しかしさすがにいつまでもケンカしているわけにもいかず、いかにケンカしないでやっていけるようにするかを模索しだしたのがEC(EUの前身)ということですが、これが実はドイツ抑え込み作戦だったとは。そして皮肉にも今のEUはドイツ主導になりつつあると。だからタイトルは「ドイツとEU」なんですかね。実際本文も、EUを知ると同時にドイツをがっつり知るような内容でした。第一次世界大戦で負けたドイツ→ひどいインフレで不満高まる→ヒトラー登場・・・あたりからしっかりおさらいできます。 ありがたいのは巻末のEU加盟国データ。つい名前を忘れそうな国があったり、また逆に意外な国が加盟してなかったりと、いろんな気づきがあります。

Posted byブクログ

2018/10/19

ヨーロッパの統合の歴史。EUの課題点。第二次世界大戦後、ドイツの強大化を抑える役割をはたしたEUであるが、現在の中小国のEU加盟での経済の格差による混乱。そしてイギリスの脱退でドイツを中心にしたEUになる可能性が強い。これからのEUの進む道は。

Posted byブクログ

2018/07/13

EUの成り立ちと、ドイツがナチス時代から現代に掛けてどれだけの努力で世界の信頼を得たのかが分かりやすく書かれています。毎度思いますが僕のような初心者には本当にありがたいです。深くまで書かれていても興味が湧かないと全然頭に入らないですからね。これはすっと入ってきて、ちょっとわかった...

EUの成り立ちと、ドイツがナチス時代から現代に掛けてどれだけの努力で世界の信頼を得たのかが分かりやすく書かれています。毎度思いますが僕のような初心者には本当にありがたいです。深くまで書かれていても興味が湧かないと全然頭に入らないですからね。これはすっと入ってきて、ちょっとわかったような気になります。 EUはヨーロッパの国々が集まって、アメリカやロシアに対抗する意味以外に、ドイツがまた暴走しないように監視するという意味もあったんですね。第二次世界大戦の重みというのはこれからも長く残っていくし、これからの世界の為に忘れてはならない事です。 ドイツが誠心誠意国際社会へ謝罪して、国民へも戦後教育を徹底してナチスドイツが起こした戦争を忘れずに綿々と伝えていく姿勢は本当に見事です。移民を無制限に受け入れるというメルケル首相の方針を、西ドイツで戦後教育を受けた人々は当然の事として受け止め、東ドイツで生まれ育った人々はナチスが悪かったのであって、国民は悪くなかったと教育を受けているので、受け入れ難く感じているという事も興味深いです。人の考え方というのは教育と啓蒙によって成立していくんですね。 僕は重要な事は国民投票すればいいじゃないかと安易に思っていましたが、ナチスはドイツ国民が国民投票で絶大な支持を受けた事によって誕生したと知ってびっくりしました。熱狂した国民が冷静さを欠いて選ぶことが、必ずしも国民の総意と言えるのかというと確かに疑問です。 EUでユーロという共通貨幣を使用している事によって、各国独自での金融政策が難しくなっている理屈がよく分かりました。好景気のドイツは金利が安すぎると締め付けが効かなくなる恐れが有り、不景気のギリシャでは金利が高すぎると経済が回らず回復しない。このバランスを取ろうとするとどっちつかずになるということ。なるほどね、想像もしなかったけれども一種類の金融政策で複数の国をコントロールするのは難しそうです。 それにしても子供の頃はがっちり固まった世界だと思い込んできましたが、その頃せいぜい戦後50年位だったわけで、これ以降もめまぐるしく世界は変わっていくんですね。漠然とは分かっていましたが具体的に色々な国の思惑を知ると、いかに世界平和が綱渡りかがわかります。 今世界は激動の道を歩んでいます。何も変える力は無くても知らずに巻き込まれるのは御免なので、地道に情勢を見守りたいと思います。

Posted byブクログ

2018/01/22

戦後ドイツの東西分裂は書にもあるように、社会主義と資本主義の比較そのもの。だけど、それだけで数十年の間に格差が生まれる社会とは怖いものです。

Posted byブクログ