おらおらでひとりいぐも の商品レビュー
若い人の心の内を描いた作品は 沢山あるが、70歳を過ぎた女性の 積み重ねてきた心の深淵をここまで リアルに書いた小説は余り無いと思う。 方言での表現も本人のアイデンティー に他ならない。 伴侶を失い、子供も離れ一人身に なり懸命に子を育て、夫に尽くし愛した 日々が過ぎ去り自分が何...
若い人の心の内を描いた作品は 沢山あるが、70歳を過ぎた女性の 積み重ねてきた心の深淵をここまで リアルに書いた小説は余り無いと思う。 方言での表現も本人のアイデンティー に他ならない。 伴侶を失い、子供も離れ一人身に なり懸命に子を育て、夫に尽くし愛した 日々が過ぎ去り自分が何者であったか 心の底にあった本来の自我が甦って くる過程は孤独を感じさせながらも 力強い。 死と生は隣り合わせであるが、それを 全て受け入れた時身体も心も解放される のかも知れないが、まだ自分には桃子さん の心の深淵を深く読み取る事が難しい。
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方言が強すぎているからなのか?何度読んでも頭にはいってこなく読んでは戻り読んでは戻りを何度か繰り返してしまいました。私には面白くも何ともなかったです。途中でやめてしまいました。
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164ページ 1200円 4月1日〜4月2日 夫に先立たれ、生きる希望をなくした人が、どういう心持ちで一人で生きていくのかを知りたかった。 私もあと数年後、桃子さんのように老いて、死を目前にした時に同じように昔を思い出しているのだろうか… 『死はあっちゃにあるのでなぐ、おら...
164ページ 1200円 4月1日〜4月2日 夫に先立たれ、生きる希望をなくした人が、どういう心持ちで一人で生きていくのかを知りたかった。 私もあと数年後、桃子さんのように老いて、死を目前にした時に同じように昔を思い出しているのだろうか… 『死はあっちゃにあるのでなぐ、おらどのすぐそばに息をひそめで待っているのだずごとが。それでもまったぐといっていいほど恐れはねのす。何如って。亭主のいるところだおん。何如って。待っているがらだおん。 おらは今むしろ死に魅せられているのだす。どんな痛みも苦しみもそこでいったん回収される。死は恐れでなくて解放なんだなす。』
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方言だらけで読みづらく感じる方も多いと思うが、より率直で正確にニュアンスを表現する為に敢えて方言を使う必要があるのだろう。少子化と小家族化が進む現在では、伴侶を亡くし一人余生を送らざるを得ない状況は決して他人事ではない。特に盛り上がるシーンはないのだが、日々の何気ない暮らしがとて...
方言だらけで読みづらく感じる方も多いと思うが、より率直で正確にニュアンスを表現する為に敢えて方言を使う必要があるのだろう。少子化と小家族化が進む現在では、伴侶を亡くし一人余生を送らざるを得ない状況は決して他人事ではない。特に盛り上がるシーンはないのだが、日々の何気ない暮らしがとても侘しく印象に残る。人生で一番輝いていた時が、伴侶を亡くした後と語っていたシーンは切なさを感じた。年配者に刺さる内容だが、若い人にも教訓として是非読んで欲しい。
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それでも、まだ次の一歩を踏み出した 夫が死んでひとり孤独の中で問答して歩み続ける桃子さんの人生を少しだけ見て、いつか同じ状況になったときこんなふうに過ごすのかなと想像することができた。
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現在40歳の自分。老いへの恐怖や孤独、生きるとか死とか、今はわかった気になっているだけで、10年後の50歳、20年後の60歳になったときにまた読んだら感じ方が変わってるかも知れないなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
身に積まされる感じがしました。 74歳の桃子さん。 旦那さんが亡くなって、孤独な暮らし。 二人の子どもと疎遠。 旦那さんに合わせて、楽しく暮らしていたが、実は、自分の自由じゃなかったのではないか…。 歩いて夫のお墓参りに行きながら… もんもんと自分の人生を振り返る桃子さん。 過去を振り返ることで、自分を肯定していくのかな…。 それから徐々に元気になっていき、最期は孫が一人で訪ねてきて終わる。 幸せな兆しが見える。 子ども達は、一人暮らしをして、現在、夫と2人暮らし。 夫が亡くなったら、私も、寂しいだろうなぁ…と。 実家の母は、一人暮らし…寂しいだろうなぁ…。 なので、身に積まされる感じがしました。 ブクログ内で、小説読了209冊。
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何にも起こらない小説なのにここまでやれるのはすごい。ずっと地の文で心の中の誰ともわからない声があれこれ言うので、最初は読みにくいし退屈だなと思ったけど段々と心の中の声に慣れてきて読めるようになる。終盤の墓に参るシーンからは没入できる。ラストが素晴らしい。ラストが素晴らしいとぐんと...
何にも起こらない小説なのにここまでやれるのはすごい。ずっと地の文で心の中の誰ともわからない声があれこれ言うので、最初は読みにくいし退屈だなと思ったけど段々と心の中の声に慣れてきて読めるようになる。終盤の墓に参るシーンからは没入できる。ラストが素晴らしい。ラストが素晴らしいとぐんと印象が良くなる。
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小説というよりエッセイのような感じがした。主人公の頭の中で起こっていることや考えていることの描写がほとんどを占めていて、それでいて単調でない。作者がご高齢であることからくる人生経験や造詣の深さ、ある種の達観した考え方がかえって新鮮に感じた。
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斎藤美奈子氏の『桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ』という文藝賞選評は圧倒的に正しく胸を打つ。
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