峠しぐれ の商品レビュー
峠の茶屋にいる弁天様と言われる志乃と半平の夫婦。二人はある事情があり、逃げてきたのである。 夜狐お仙という女盗賊とその娘おゆり、志乃とその娘千春など、母と娘の在り方、情愛が深く響き渡る。
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訳ありな茶屋の夫婦がとても素敵な信頼関係を築いていて安心感があった。 後半には夫婦の過去が明かされるが、周囲の人々の優しさに助けられて…というのはお約束。 最後はハラハラとさせられたけれど、面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
訳あって出奔し、茶店をする雖井蛙流の達人の半平と峠の弁天と噂される志乃。葉室麟が得意とする、志と誠を通して生きる人を描く作品。誤解を承知で言えば、「安心」の時代小説。そしてそんな小説を無性に読みたくなる読者に、満足をもたらせてくれる。
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「峠の弁天様」と呼ばれる女房と寡黙な亭主が峠の茶屋で生活している。その出自が事件とともに表れてゆく。非道の盗賊群を退治していく亭主、誰にでも功徳を施してゆく女房。遂に過去が明かされ隣の藩の重職との関係もあり、騒動に巻き込まれる。 剣の達人の亭主の活躍と弁天様の女房の感化により悪人...
「峠の弁天様」と呼ばれる女房と寡黙な亭主が峠の茶屋で生活している。その出自が事件とともに表れてゆく。非道の盗賊群を退治していく亭主、誰にでも功徳を施してゆく女房。遂に過去が明かされ隣の藩の重職との関係もあり、騒動に巻き込まれる。 剣の達人の亭主の活躍と弁天様の女房の感化により悪人達も善人に変わってゆく。感動的な最後のシーンが嬉しくなる。その後の後日談を読みたくなる一冊。
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峠の茶店を営む亭主・半平と、その女房・志乃。志乃は旅人から峠の弁天様と親しまれていたが、実はかつてある武士の妻であり、娘が一人いた。生き別れになり、娘は母を恨んでいるのか?再会出来るのか?ラストは?葉室さんらしい、いい話でした。
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隣国との境にある朝霧峠には小さな茶店があった。主人は四十過ぎの寡黙な半平という男。店を手伝うは三十五、六の志乃という女房。旅人からは「峠の弁天様」として親しまれていた。 ふたりは十五年前、やむを得ない理由では国を捨て、峠の茶店の老夫婦に助けられ、それ以後ふたりで茶店を守ってい...
隣国との境にある朝霧峠には小さな茶店があった。主人は四十過ぎの寡黙な半平という男。店を手伝うは三十五、六の志乃という女房。旅人からは「峠の弁天様」として親しまれていた。 ふたりは十五年前、やむを得ない理由では国を捨て、峠の茶店の老夫婦に助けられ、それ以後ふたりで茶店を守っている。半平は元武士で剣の遣い手でもある。志乃は武家の妻で一人の娘がいた。 ふたりを討つという侍たち、盗賊夜狐の頭で美しいお仙とその娘ゆり、そしてクライマックスは隣国のお家騒動。
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歴史上の有名どころではなく、ある意味では普通の人々の切なくも暖かい生き様を描いた葉室氏の真骨頂的な作品。 親子の情や、たまたま出会った人のあいだに生まれる信頼関係、身に降りかかった災難に真っ直ぐに立ち向かう姿など、今の基準からすれば理不尽な社会制度が当たり前で、かつ物事が単純であ...
歴史上の有名どころではなく、ある意味では普通の人々の切なくも暖かい生き様を描いた葉室氏の真骨頂的な作品。 親子の情や、たまたま出会った人のあいだに生まれる信頼関係、身に降りかかった災難に真っ直ぐに立ち向かう姿など、今の基準からすれば理不尽な社会制度が当たり前で、かつ物事が単純であった時代だからこそ成立する人間本来の強さと優しさを描いた物語です。
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L このネットリとした感じ。これだよ時代小説は!と思うくらい心地いいネットリ感に拍手。ライトな時代小説が増える中、こういう情緒溢れた作品はなかなかお目にかかれなくなったので読めて嬉しい。表紙裏のあらすじに「藩の侍に峠の茶屋夫婦が斬られる理由とは…」みたいなことが書いてあった...
L このネットリとした感じ。これだよ時代小説は!と思うくらい心地いいネットリ感に拍手。ライトな時代小説が増える中、こういう情緒溢れた作品はなかなかお目にかかれなくなったので読めて嬉しい。表紙裏のあらすじに「藩の侍に峠の茶屋夫婦が斬られる理由とは…」みたいなことが書いてあったので、こりゃ不義の末か!とか、妻は娘を残して出奔ってことはのちのち娘が恨み節で現れるんだな?と思っていたけど、全てにおいて納得の流れで、ややいい人ばかりで鼻がつくくらいなので安心して欲しい。敵対するひとは胸がすくような目に遭うし、夫婦に関わる人は大抵は人間味あふれるひとたちばかりだ。脇役たちサイコーだよ。峠っていう景観もすごくいい。やや夫婦がアグレッシブすぎでこの時代の40過ぎには無理だろ、と無理矢理突っ込むしかないくらい良作だと思った。
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著者の小説の中では、特にエンターテイメント性の高い作品。 お家騒動あり、女盗賊あり、数多のチャンバラシーンあり。 峠で茶屋を営む訳ありの夫婦。次第に明らかになるその正体。 「ひとが敵にやられるのは、怖気づいて逃げようとしたときだ。守るべきもののために敵に立ち向かう者は、簡単にはや...
著者の小説の中では、特にエンターテイメント性の高い作品。 お家騒動あり、女盗賊あり、数多のチャンバラシーンあり。 峠で茶屋を営む訳ありの夫婦。次第に明らかになるその正体。 「ひとが敵にやられるのは、怖気づいて逃げようとしたときだ。守るべきもののために敵に立ち向かう者は、簡単にはやられないものだ」と、敢然と戦いに挑む主人公に痛快感を覚え、一気読みとなる。
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なんか、、、、もう。夢中で読み終えた。 面白い。 寡黙な男半平と、志乃という訳あり女房との2人の慎ましやかな暮らしが、、、ありとあらゆる事件に翻弄されつつ姿を晒す真実にもう、、、目が離せません。 ラスト、半平が、、、峠の向こうからヨタヨタと帰ってくる姿が、、、、見えた途端。...
なんか、、、、もう。夢中で読み終えた。 面白い。 寡黙な男半平と、志乃という訳あり女房との2人の慎ましやかな暮らしが、、、ありとあらゆる事件に翻弄されつつ姿を晒す真実にもう、、、目が離せません。 ラスト、半平が、、、峠の向こうからヨタヨタと帰ってくる姿が、、、、見えた途端。 志乃と一緒に号泣しそうになりました。 笑 わたし個人として、女盗賊お仙も大好きなキャラクターでした。 葉室麟作品今までに何冊か読んだけど、これトップで面白かった!!!!!!!!
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