峠しぐれ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやー面白かった。 エンターテイメント性が高く、こんな作品描けるなんて、凄すぎる(鼻息) 半平と志乃はもちろん魅力的なのは言うまでもないのだが、脇を固める登場人物もこれまた魅力的。 後半には、志乃と千春、お仙とゆり、この2組の親子のやりとりに涙止まらず。 最後、お仙がいい人で良かったわよ。
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葉室麟、何となく名前を聞いたことがあって、古本でたまたま手にして…。 というところから生じた、素敵な発見。 もともと山本周五郎が好きで、 そうした時代劇人情もの、というものは、はまるときにはまってしまう。 それでも著名な藤沢周平は、なぜか自分の感性にフィットしない。 他に、自分...
葉室麟、何となく名前を聞いたことがあって、古本でたまたま手にして…。 というところから生じた、素敵な発見。 もともと山本周五郎が好きで、 そうした時代劇人情もの、というものは、はまるときにはまってしまう。 それでも著名な藤沢周平は、なぜか自分の感性にフィットしない。 他に、自分好みの時代小説の書き手との、出会いを求めてきて…。 そこで出会ったこの葉室麟という作家。 はまっちゃいましたね。 この作品は、とある峠の茶屋を営む、わけあり夫婦が主人公なわけなんだけど、 彼らをめぐる種々のエピソード、 これが時に推理小説風でもあって、どんどん読まずにはいられない。 話自体はそんなに難しくないです。 もちろん軽すぎもしない。 質的に高い、という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、 読んでいて思わず身を乗り出す、そんな感じです。 時代小説というと“おじさん好み”“おじさんっぽい”なんてイメージありますが、 そんな先入観にとらわれて、この面白い世界に触れないままでいるのはもったいない、 なんておせっかいでしょうね、でもおせっかいします。 外出自粛期間中、何とはなしに読書でもしてみようか、 なんて方にも、きっと気に入ってもらえる気がしますよ。
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内容(「BOOK」データベースより) 岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。小柄で寡黙な半平という亭主と、「峠の弁天様」と旅人に親しまれる志乃という女房が、十年ほど前に老夫婦より引き継ぎ慎ましく営んでいる。ところが、ある年の夏、半平と志乃を討つために隣国の結城藩から屈強な七人組の...
内容(「BOOK」データベースより) 岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。小柄で寡黙な半平という亭主と、「峠の弁天様」と旅人に親しまれる志乃という女房が、十年ほど前に老夫婦より引き継ぎ慎ましく営んでいる。ところが、ある年の夏、半平と志乃を討つために隣国の結城藩から屈強な七人組の侍が訪ねてきた。ふたりの過去に何があったのか。なぜ斬られなければならないのか。話は十五年前の夏に遡る―。辛い過去と哀しみを背負いながらも、真摯に生きる夫婦の姿が胸を打つ、傑作時代小説。 令和2年3月5日~7日
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伊那半平は、昔、結城藩の勘定奉行に仕えていた身分を隠して妻の志乃とともに峠で茶店を営んでいました。 志乃も元は結城藩のさる身分の奥方でしたが、今は峠の弁天様と呼ばれて親しまれていましたが、15年前に残してきた娘の千春がいます。 峠の茶屋には、いろいろな客が現れ何度か事件が起こり...
伊那半平は、昔、結城藩の勘定奉行に仕えていた身分を隠して妻の志乃とともに峠で茶店を営んでいました。 志乃も元は結城藩のさる身分の奥方でしたが、今は峠の弁天様と呼ばれて親しまれていましたが、15年前に残してきた娘の千春がいます。 峠の茶屋には、いろいろな客が現れ何度か事件が起こります。 そして最大の事件は志乃と、現れて再会した千春、志乃の元夫の天野宮内、両方の身が同時に危ないというとき、半平は恩義のある宮内の方を助けに行く方を選びますが、志乃と千春は一体どうなるのかと思いきや、以前に登場した夜狐一味のおみやの活躍によって予想もしなかった展開をみせますが…。 半平は無事帰って来られるのか…。 作者の葉室麟さんの作品を拝読したのは『蛍草』に続き2作目ですが、典型的なヒーロー、ヒロインや悪役のキャラクター造型がどこかファンタジカルで天性の上手さがあり、なごみます。ストーリー展開も、この2作は、時代小説の形を借りたファンタジーのような趣がありました。
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訳あって藩を出奔し、峠の茶屋を営む夫婦の人情話。優れた時代小説を読むといつも思うことだが、舞台設定やテーマが限定される中で、マンネリにならずに読み進められるのは、登場人物のキャラクターが立っているからだと感じる。この峠しぐれも同様で、まるで映画やTVの時代劇を観ているように読み進...
訳あって藩を出奔し、峠の茶屋を営む夫婦の人情話。優れた時代小説を読むといつも思うことだが、舞台設定やテーマが限定される中で、マンネリにならずに読み進められるのは、登場人物のキャラクターが立っているからだと感じる。この峠しぐれも同様で、まるで映画やTVの時代劇を観ているように読み進められた。もし自分が監督だったら半平を誰にするだろう、とか考えるのも楽しい。
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葉室先生にしては、珍しくエンタメ要素満載。男装の女剣士に女盗賊という、エンタメ的時代劇の要素を放り込んでいるが、悪役がいつまでも悪役ではない、という葉室ワールドも健在。僕は「生きる事は変わるという事」と思っている。悪役がいつまでも悪役とは限らないんだよね。 そして、この表紙。表紙...
葉室先生にしては、珍しくエンタメ要素満載。男装の女剣士に女盗賊という、エンタメ的時代劇の要素を放り込んでいるが、悪役がいつまでも悪役ではない、という葉室ワールドも健在。僕は「生きる事は変わるという事」と思っている。悪役がいつまでも悪役とは限らないんだよね。 そして、この表紙。表紙に意味があるって素敵よね。 池波正太郎の「秘密」もそうだったけど
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久々に葉室麟さんの小説を。楽しめました。 訳あって身分を隠し、藩境ので茶屋を営みながら様々なトラブルを捌いてゆく半平・志乃夫婦。それぞれのエピソードで敵・味方が増え、夫婦の過去も徐々に明らかになり、やがて大きなドラマに… 葉室さんらしく静かな心情描写を細やかに描きながら、テンポよ...
久々に葉室麟さんの小説を。楽しめました。 訳あって身分を隠し、藩境ので茶屋を営みながら様々なトラブルを捌いてゆく半平・志乃夫婦。それぞれのエピソードで敵・味方が増え、夫婦の過去も徐々に明らかになり、やがて大きなドラマに… 葉室さんらしく静かな心情描写を細やかに描きながら、テンポよい展開で殺陣など動の描写も鮮やか、エンタメという言葉がしっくりくる時代小説でした。場面場面で情景が目に浮かび、こんなドラマを見てみたいと思いました。おススメです。
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峠の茶屋を営む、訳あり夫婦が様々なトラブルに巻き込まれつつ、彼らの過去も明らかになっていく構成。 様々なエピソードを絡めてテンポよく進み、特に終盤はハラハラドキドキで、ページを繰る手が止まらない感じでした。 母娘や夫婦の情がほろりとさせられる場面もあり、素直に楽しめる時代エンタ...
峠の茶屋を営む、訳あり夫婦が様々なトラブルに巻き込まれつつ、彼らの過去も明らかになっていく構成。 様々なエピソードを絡めてテンポよく進み、特に終盤はハラハラドキドキで、ページを繰る手が止まらない感じでした。 母娘や夫婦の情がほろりとさせられる場面もあり、素直に楽しめる時代エンタメ小説です。
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面白かった 夫婦の絆、親子の愛が描かれた物語。 ストーリとしては出来すぎなところがありますが、ハラハラドキドキで楽しむことが出来ました。 岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。 半平と志乃は10年前から老夫婦から茶店を引き継ぎつつましく暮らしています。 そんな二人が様々な事件に...
面白かった 夫婦の絆、親子の愛が描かれた物語。 ストーリとしては出来すぎなところがありますが、ハラハラドキドキで楽しむことが出来ました。 岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。 半平と志乃は10年前から老夫婦から茶店を引き継ぎつつましく暮らしています。 そんな二人が様々な事件に巻き込まれていきます。 夜狐お仙に率いられた女盗賊一味との対決。 榊藩の世継ぎ争いのお家騒動。 奉納試合に参加する役人の息子への剣術指導。 そういった事件の中、半平は元武士で、それもかなりの剣の達人。そして、志乃も武家出身で娘を残してきたということが明らかになっていきます。 なぜ、そんな二人が峠で茶店をやっているのか? 二人のつらい過去が明らかになったうえで、その過去の因縁からクライマックスの事件へ! さらに、志乃が残してきた娘千春と夜狐お仙の娘ゆり。 その二組の親子の愛がじんわりと感じられます。 自分たちの大切なものを守るため、それぞれがそれぞれの戦いへ。 そのクライマックスでは、半平、志乃、千春、お仙、ゆりがどうなってしまうのか、ハラハラドキドキの展開になります。 そうした事件の中から、母娘の愛情、半平と志乃の絆が浮き彫りとなっていきます。 最後はじんわりきた! これは、お勧め
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