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銀杏手ならい の商品レビュー

3.6

22件のお客様レビュー

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2023/10/27

子供ができず離縁され実家に帰り、父親の代わりに手習所の塾長を継ぐことになった萌。ある日、塾の前に赤子が置き去りにされているのを発見。自身も捨て子であったことや子宝に恵まれなかったこともあり、情が捨てられず養子にする決心をします。母や近所の人たちに助けられながら親として先生として成...

子供ができず離縁され実家に帰り、父親の代わりに手習所の塾長を継ぐことになった萌。ある日、塾の前に赤子が置き去りにされているのを発見。自身も捨て子であったことや子宝に恵まれなかったこともあり、情が捨てられず養子にする決心をします。母や近所の人たちに助けられながら親として先生として成長していくというお話です。 萌や筆子たち、赤子の美弥の成長ぶりが季節の移ろいと共に描かれています。手習所にある銀杏の木がそれを見守り、時に金色の扇のように祝福しているのが素敵です。 萌が子供の個性に寄り添いながら導いていきます。昔も多動とかギフテッドとか概念や定義はないけど色々あったのだろうということが伺えます。「こどもも親の不遇をかこつことになる」親の家業を継ぐのがあたりまえだった時代、自分の特性を押し殺して大人になった子供もたくさんいたんだろうなぁ。

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2021/09/24

親子の絆は血ではなく情をテーマに主人公の成長を描いた物語。確かに情は絆を作るのに大切だとは感じるものの、血のつながりとかない人にそこまでの情をかけれるのはなかなか大変だなぁと思う。情が大切とか血のつながりが大切とかではなくて本質的な何かがあるのかな…少し情について考え直したくなっ...

親子の絆は血ではなく情をテーマに主人公の成長を描いた物語。確かに情は絆を作るのに大切だとは感じるものの、血のつながりとかない人にそこまでの情をかけれるのはなかなか大変だなぁと思う。情が大切とか血のつながりが大切とかではなくて本質的な何かがあるのかな…少し情について考え直したくなった本。

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2021/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

親と子を繋ぐのは血ではなく情。 子を慈しむ情こそが、その年月こそが本当の絆。 それは江戸の手習所の師匠と筆子(生徒)もまた同じ。 筆子たちが自分の人生を生きていく上で必要な知恵を身につけるため、叱咤しながらも筆子一人一人に寄り添い導く。 もちろん武家の子も百姓の子も町人の子も等しく同じ。そこには身分の分け隔てなどない。 父の跡を継ぎ、実家の手習所・銀杏堂で筆子たちに読み書き算盤を教える萌の物語。 子供たちが一筋縄にはいかないのは、いつの世も同じ。 そんな子供たちと一緒に成長していく萌の姿に好感を持った。 西條さんの描く江戸の物語は人情に溢れていて安心して読める。 筆子たちや美弥のその後、のんべえの椎葉先生との関わりなど気になることが沢山あるのでまた続編が出るといいな。

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2020/07/29

今作の主人公である萌は、嫁ぎ先で子を成せず、出戻り先の実家で「銀杏堂」という手習指南所を父親から引継ぎます。教え子から女先生と軽んじられたりしつつも、新米手習師匠として子供たちに一生懸命向き合い、彼らと一緒に成長していく姿が描かれています。 最初こそ、出戻りの自分に気が引けてか、...

今作の主人公である萌は、嫁ぎ先で子を成せず、出戻り先の実家で「銀杏堂」という手習指南所を父親から引継ぎます。教え子から女先生と軽んじられたりしつつも、新米手習師匠として子供たちに一生懸命向き合い、彼らと一緒に成長していく姿が描かれています。 最初こそ、出戻りの自分に気が引けてか、自信なさげに振る舞う萌でしたが、読み進めていくうちに意外と芯の持った、それでいて先輩師匠の教えもきちんと聞き入れる柔軟さも持ち合わせる、賢明な女性だと気づかされました。手習師匠としての萌の成長だけでなく、子供たちも著しく成長を見せ、特に悪童の二人の人間的な成長ぶりにはこちらも嬉しくなります。萌の肩肘張らずに変な意固地さも見せないその素直な姿に、気持ちよく読書を進めることが出来ました。 捨て子の萌が、同じく捨て子を拾って養女として育てるエピソードは少々詰め込み過ぎでクドいかと思いましたが、シリーズとして師匠ならびに母親としての萌の成長を今後も観れたらいいなと思います。

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2019/10/15

久しぶりの西條作品ですね。この作家さんの作品はいつ読んでもほっこりします。でも個性的な筆子たちや師匠仲間はいいんですが、肝心の萌先生のキャラがちょっと弱いような気がします。美弥との関わりも薄いというか、乳母に任せきりのように見えるというか…手習所の師匠をしながらの子育ては確かに大...

久しぶりの西條作品ですね。この作家さんの作品はいつ読んでもほっこりします。でも個性的な筆子たちや師匠仲間はいいんですが、肝心の萌先生のキャラがちょっと弱いような気がします。美弥との関わりも薄いというか、乳母に任せきりのように見えるというか…手習所の師匠をしながらの子育ては確かに大変かもしれないけど、専業主婦とはいえ3人の子を育てた私としては「乳母とか、羨ましーっ!」と思いましたよ(^-^; 続編を期待したいです。☆3・5

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2019/09/08

手習指南所「銀杏堂」を舞台に、新米“出戻り”女師匠・萌と、そこに通う筆子たちの成長と交流を描いた連作です。 江戸の人たちの識字率の高さは、こうした手習い所があちこちにあったからなのでしょうね。 “のんべ先生”の「椎塾」は今でいう、フリースクールみたいだと思いました。 西條さんの...

手習指南所「銀杏堂」を舞台に、新米“出戻り”女師匠・萌と、そこに通う筆子たちの成長と交流を描いた連作です。 江戸の人たちの識字率の高さは、こうした手習い所があちこちにあったからなのでしょうね。 “のんべ先生”の「椎塾」は今でいう、フリースクールみたいだと思いました。 西條さんの江戸モノは安心して読めるので好きです。

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2018/12/25

面白かったです。 子どもの成長、新米師匠の成長、それぞれの手習い所の教育方針の違い、そして、そこに絡む人の情や温かさ。 ただこの時代に独身女性が父なし児を育てるという事はかなり大変な事だろうと萌と美弥の将来がちょっと心配。

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2018/07/24

これがシリーズものの1作目というならいいが、ちと散らかったまま収まりきらなかった読後感。 江戸×庶民×西條奈加 且つファンタジー要素なし  だとかなり当たりが多いんで、期待しちゃったぶんもあるけど。 初等教育のあり方の本質を考えさせられる面はよかった。こういうふうに、ひとりひとり...

これがシリーズものの1作目というならいいが、ちと散らかったまま収まりきらなかった読後感。 江戸×庶民×西條奈加 且つファンタジー要素なし  だとかなり当たりが多いんで、期待しちゃったぶんもあるけど。 初等教育のあり方の本質を考えさせられる面はよかった。こういうふうに、ひとりひとりの事情に沿って教材から考えてくれる先生がいるあの時代は、良さもあったんだろうな、いまでは、できないもんな。 いろんなひとの事情を織り込みすぎた感はあるものの、こういうのテレビドラマなどには向いてるとおもうけどな。1冊の読み物としては完結感はなかったけど、いくらでも何話でも膨らませられる舞台という気がする。そのうちドラマ化されるのでは。 こどもに限らないけど、学びたいこと、得意なことに気づけるかどうかというのはほんとに大事だなって改めて。増角にいちばん教えられたかもしれない。続編でてほしいな、美弥のその後も気になるよ。

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2018/04/30

萌は、子ができず離縁され、両親が開く手習所「銀杏堂」を引き継いだ。 <手習いは板切れに過ぎない> それでも、真冬の海(世間)を泳ぐには、 板切れがあるかないかでは大きく違う。 手習所に通える子どもたちは、まだ幸せだ。 多くは、生きることに精一杯の毎日。 萌には、子どもたちを救えな...

萌は、子ができず離縁され、両親が開く手習所「銀杏堂」を引き継いだ。 <手習いは板切れに過ぎない> それでも、真冬の海(世間)を泳ぐには、 板切れがあるかないかでは大きく違う。 手習所に通える子どもたちは、まだ幸せだ。 多くは、生きることに精一杯の毎日。 萌には、子どもたちを救えなかった後悔もある。 女師匠して教えているつもりが教えられ。 厳しくも人情味溢れる江戸時代の庶民の暮らしは楽しいだろうか。 できることなら、のぞいて見たい気もする。 西條奈加さんの時代小説を思う存分堪能した。 おもしろかった。

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2018/03/26

子供が出来ぬために、婚家から出戻った萌。 銀杏の大樹がある手習い所「銀杏堂」が、実家である。隠居を決め込んだ父に代わって、萌は跡を継いで、武家のたしなみのある母 美津に教えてもらいながら、女師匠となる。 7話からなっているのだが、どれも、子供との関わりで、萌も成長していく過程が...

子供が出来ぬために、婚家から出戻った萌。 銀杏の大樹がある手習い所「銀杏堂」が、実家である。隠居を決め込んだ父に代わって、萌は跡を継いで、武家のたしなみのある母 美津に教えてもらいながら、女師匠となる。 7話からなっているのだが、どれも、子供との関わりで、萌も成長していく過程が、女師匠としての頑張りがわかる。 何でも、反抗する子供たちにも、理由があること。 そして、萌自体、捨て子であった事等、、、、 今の親に感謝しながら、銀杏堂の目に捨てられていた赤ん坊を引き取ることに、、、 子供を大きくしていくには、どれほどの愛情が必要か?、、、又、この時代、自分の家の家業を継ぐには、何を学んで、どのように活かしていかなければならないか?、、、 最後の言葉の「当たり前の日々が、何よりも尊く有難い」と、、、、日々感謝して生活したいと思う一文であった。

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