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ほんとうの花を見せにきた の商品レビュー

3.9

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

生きているとは何か。 日々をこなすのに精一杯で、ついおざなりになっていた生き方について優しく説いてくれる作品だった。 「心が動くこと。 誰かを愛したり、なにかを美しいと思ったり、成長したいと願ったり、自分をひどく恥じたり。 そしてなにかを強く感じること……。」 忘れずに心に留めておきたい。 全体を通して、未来へ進む、ということを3編異なる視点から描いている作品だと感じた。『ちいさな焦げた顔』は進む側の物語、『ほんとうの花を見せにきた』は置いていかれる側の物語、『あなたが未来の国に行く』は託す側の物語。ムスタァの「人間は、火だ」という台詞で分かった気になっていたけれど、最後の1編を読んで、バンブーも未来へ進むことができるのならば、人間とバンブーとの違いは何だろう?と改めて考えさせられた。

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2023/04/17

ひさびさに、本で泣いた。 印象に残った言葉は、 「おまえのここに、火がある。生まれた時から、ずっとだ。だから俺たちは必死でおまえを守ってきた。おまえは、火だ。命が尽きる最後の日まで、人間は、火だ。 そのことをけっして忘れなかったなら、このさきどんなに辛いことがあっても、おまえは...

ひさびさに、本で泣いた。 印象に残った言葉は、 「おまえのここに、火がある。生まれた時から、ずっとだ。だから俺たちは必死でおまえを守ってきた。おまえは、火だ。命が尽きる最後の日まで、人間は、火だ。 そのことをけっして忘れなかったなら、このさきどんなに辛いことがあっても、おまえはきっと生きていけるだろう。火だ。おまえは、おれたち二人が、いつさか気が狂いそうなほど深く愛するようになった、とくべつ明るい火だ。おまえの代わりはこの世のどこにもいねぇ。人間は、一人一人が、特別な火だ。 だから、消えるな。生きろ。頼む、がんばるって約束してくれ。戦うと言ってくれ。おまえの胸の火と、おまえのバンブーとの、けっして破れることのない永遠の約束を。」 長くてごめんなさい… 少し省略してますが、内容はそのままの形で載せました。 別れのシーンのこの言葉に号泣でした( ; ; )素直な言葉が言えなくなって、だんだん関係がこじれて、大事な気持ちが言えないまま突然訪れた別れ。最後の最後に想いが溢れるこのシーン、切なかった…。 いろんな人物目線で各章描かれ、真相や全体像が見えて、人間とバンブーの共存はむずかしいな…それぞれに想いがあったんだな…と思いました。 洋治の最期すごい辛かったな…。愛がどこまでもまっすくで温かくて、胸が張り裂けそうになった。

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2022/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまでの桜庭さんの作品を色々読んだけれど、 「私は作家としてこれからも、なにかをみつけては、指をさし、あなたがたに小声で名前をつけていきたいと考えています」がとてもしっくりきた。 「....誰にも単語にされていないけれども今を生きる人みんなが本当はわかっていること、きづいていること、それを小説にして、名前をつけていくようかことをしたい、....」 あー、桜庭さんだーって それだーって。妙にリアルで言葉にできないなあと感じていたけれど、そゆうことだったんだって。 それがしたかったのかって!!!! すごくすごく素敵です。よかったです

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2022/11/24

痛いくらい美しい世界観。 梗ちゃんの狂おしい愛情が一方的なものなんかじゃなかったことが、洋治の最期や帰って来たムスタァ、茉莉花の執着から伝わってきた。生きることの意味や価値が、人間だけじゃなくて竹族にもあるんだって類類の姉さんが教えてくれた。種族が違ったって変わらないものはきっと...

痛いくらい美しい世界観。 梗ちゃんの狂おしい愛情が一方的なものなんかじゃなかったことが、洋治の最期や帰って来たムスタァ、茉莉花の執着から伝わってきた。生きることの意味や価値が、人間だけじゃなくて竹族にもあるんだって類類の姉さんが教えてくれた。種族が違ったって変わらないものはきっとある。

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2021/11/25

久しぶりに桜庭一樹さんが読みたくなって。 イメージしてた桜庭一樹さんとは また違ってびっくりした。 でも、やっぱり読後感は求めていた通り。 切なくて悲しくて、美しい。 真っ黒も透明も紙一重みたいな感じがする。 竹の種族バンブーと人間のお話。 大人になってもこんなにファンタジ...

久しぶりに桜庭一樹さんが読みたくなって。 イメージしてた桜庭一樹さんとは また違ってびっくりした。 でも、やっぱり読後感は求めていた通り。 切なくて悲しくて、美しい。 真っ黒も透明も紙一重みたいな感じがする。 竹の種族バンブーと人間のお話。 大人になってもこんなにファンタジーを楽しめると思わなかった。

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2021/08/13

普通だった 類類がどうして変わってしまったのか気になった 時の流れによって記憶が薄れていくのは自然な事だけど、残酷なことでもあると思った

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2020/10/01

120年のおわりには花が舞ってさぞかし綺麗に消えるのだろう。切ないお別れ。朝の光に焦げ儚い灰になってしまっても愛してる。ぼくのバンブー!ムスタァ!

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2020/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「誰にだってさ、子供のころには仲良しのオバケの一匹や二匹、いるもんだ。だけど、みんな忘れて大人になる。」 人間の子どもと、吸血鬼。 その設定だけですでに、終わりがくることが分かっているのが醍醐味?ではあるけれど、歳をとったからかこの展開にめっきり弱くなった。

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2020/07/02

この本の中にとても大切な事が書いてあった。 心の奥の方にある「火」を自分で消す人もいる。 そんな「火」を見た時愕然としたけれど、最後まで諦めない「火」も見た。 消えてしまった「火」の儚さも、消えかけている「火」の強さも私は忘れない。

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2020/06/20

苦手な分野。 セリフが多いので、あっという間に読めてしまう。だからなんとか最後まで読めたけど。 こういう話は苦手。非現実過ぎるからなのか、どこにも共感できずに、梗ちゃんという人の「ムスタァ」という呼び方が、甘えて語尾を伸ばしているような感じでずっと違和感があった。 でも、バン...

苦手な分野。 セリフが多いので、あっという間に読めてしまう。だからなんとか最後まで読めたけど。 こういう話は苦手。非現実過ぎるからなのか、どこにも共感できずに、梗ちゃんという人の「ムスタァ」という呼び方が、甘えて語尾を伸ばしているような感じでずっと違和感があった。 でも、バンブーが死ぬとき、白い花が咲くというのは美しい。 たくさん咲き乱れるのが意外だった。 儚く一輪、咲くのかと思っていた。 夢十夜のように。

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