ヤモリ、カエル、シジミチョウ の商品レビュー
これ素晴らしい。 音、オト、言葉、気配、意識、声、気持ち どれも同じでどれと違うことがちゃんと表現されている
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淡々と日常が描かれているんだけど、細かい心情が伝わってきて、気付くとあーこの感情。。と切ない気分になった。(不倫されている妻、している夫の心情なので) どうにもやりきれない切なさを感じつつも、純粋無垢な子供の世界観を思い出させてくれる。 本当はどこにでもあるような日常を、やりきれ...
淡々と日常が描かれているんだけど、細かい心情が伝わってきて、気付くとあーこの感情。。と切ない気分になった。(不倫されている妻、している夫の心情なので) どうにもやりきれない切なさを感じつつも、純粋無垢な子供の世界観を思い出させてくれる。 本当はどこにでもあるような日常を、やりきれない思い、言葉では言い表せない感覚を本にした感じ。
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幼いころ、世界は家と学校の半径数百メートルで閉じていたこと。教室とクラスメイトという狭い社会がなにより重大だったこと。子供のときの、寄る辺ない孤独を思い出させるような、小説だった。 後半、拓人の視点で書かれているにも関わらず、突然文章は他の部分と同じ、漢字混じりのものに変わる。それがひとつの確かな別離を表していることは明らかだ。同時に彼はべつのものを獲得していて、それが成長というものであり、どうしようもないと分かってはいるけれど、その事実に切なくなるのをおさえられなかった。(当然のことだけれど)拓人自身にその自覚がないからなおのこと。「小さい頃は神さまがいて」という、松任谷由実さんの「やさしさに包まれたなら」のフレーズを思い出した。 そして、姉弟の母親、奈緒の視点では、「嘘なんてつかないで、愛しているならどれだけ残酷でもほんとうのことを教えて」と、「愛しているなら騙しとおして、幸せだけを見せて」のあいだを行ったり来たりするその不安定さが恋愛ということを痛いほど感じさせられた。
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久々の江國香織。そこそこ長かったけど、5日で読み終えた。虫と会話する拓人、小2にしては言葉遣いがしっかりしすぎている育実。江國作品には浮気や不倫が日常茶飯事のように出てくるけど、耕作の態度には腹が立った。ちょっと奈緒に同情もするけど、あんな母親は嫌だなとも思ってしまった。千波と家族があのあとどうなったのか気になる。
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