ヤモリ、カエル、シジミチョウ の商品レビュー
江國香織の本は、昔 「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」を読んでいて、なかなか面白い作家さんだなという記憶があったので本屋で平積みになってるのを見つけて読んでみた。 登場人物がそれぞれの目線で感じることを書かれているので共感するところもあり、へぇ~と思う所もあり。 特に、ほ...
江國香織の本は、昔 「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」を読んでいて、なかなか面白い作家さんだなという記憶があったので本屋で平積みになってるのを見つけて読んでみた。 登場人物がそれぞれの目線で感じることを書かれているので共感するところもあり、へぇ~と思う所もあり。 特に、ほぼ主人公の幼稚園児が感じる世界は人間の言葉はほぼ音としか捉えられず、ヤモリ等の生き物と会話ができる。 ほんとに会話できてるのかは怪しいものだが、小さい頃は感受性が強くて、そんな感覚に捕らわれる人も多いのではないだろうか。 ストーリーとしては、そんなに面白い内容ではないが、個人的には好きな作家さんです。 本好きでないと人には薦められないですけどね。
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めちゃくちゃ良かった。読み始めると全部ひらがなの文面に虚を突かれるが、読み進めるとそれが、それを発する拓人が愛しくてたまらない。日常の景色や植物や生き物の色鮮やかさが目の前に広がるように描かれている。しかし江國香織ワールドに必ずある、胸の苦しくなる恋愛も他方で描かれている。妻がい...
めちゃくちゃ良かった。読み始めると全部ひらがなの文面に虚を突かれるが、読み進めるとそれが、それを発する拓人が愛しくてたまらない。日常の景色や植物や生き物の色鮮やかさが目の前に広がるように描かれている。しかし江國香織ワールドに必ずある、胸の苦しくなる恋愛も他方で描かれている。妻がいるが、恋愛が好きな夫。子供がいても、罪悪感もなく自分の思うままに行動する。あまりにもリアルで、読んでいてしんどくなる。(江國さんはどんな人生を経験してきたんやろう。。ほんまにリアル。) 全体的にとっても苦しく愛しい作品です。
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あんまり好きじゃなかったな。好きになれる人がいない。 ピアノの先生のお母さんはちょっと好き。 しかし耕作氏、真雪さんが痛々しくてつらかった…。 あとひらがなって読みにくい
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最初は、拓人のひらがなだらけの文章が読みにくい。子供らしからぬ漢語が多く使われているし。 拓人と姉が庭の生き物に夢中になっている間、周りの大人は、愛人の所ばかりにいる夫や、急に婚意を翻した婚約者など、なかなか不穏な問題が起きている。 最後は、拓人が漢字(大人の世界)に足を踏み入れ...
最初は、拓人のひらがなだらけの文章が読みにくい。子供らしからぬ漢語が多く使われているし。 拓人と姉が庭の生き物に夢中になっている間、周りの大人は、愛人の所ばかりにいる夫や、急に婚意を翻した婚約者など、なかなか不穏な問題が起きている。 最後は、拓人が漢字(大人の世界)に足を踏み入れて、生き物の声を聞き取る力がなくなっている。それまではずっとひらがなの世界だった。ピアノと同じく、拓人には言葉が「このおとと、このおと、このおとのつぎはこのおと」というそれぞれの音しか聴こえてなかったんじゃないか。きっかけは、母親に一斉に蛙を鳴かせた時かな、圧倒的な生きている存在の赤ちゃんに会った時かな、慎一くんと水をかけて遊んだ時かな。
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言葉でコミュニュケーションすることが苦手なたくと、姉とはいえ小学生にしては大人びてる育美、不倫されて疲れてしまった奈緒と家に帰らない耕作 どこか不安定だけどこの世界にないとはいえない光景で一家の日常を色々な視点から見れる作品 人間とコミュニュケーション取れるのは社会的に必要だけど...
言葉でコミュニュケーションすることが苦手なたくと、姉とはいえ小学生にしては大人びてる育美、不倫されて疲れてしまった奈緒と家に帰らない耕作 どこか不安定だけどこの世界にないとはいえない光景で一家の日常を色々な視点から見れる作品 人間とコミュニュケーション取れるのは社会的に必要だけど、それをすることによって今まで楽しめていたことが出来なくなってしまう寂しさを感じた。
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最初はひらがなのパートがあまり読み進められずいらいらしたのに、読み進めていくうちに、視点が変わることによってそれが自然なことに思えた。初めての体験で驚いた。
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幼い子供の予測不能な行動。 食べちゃうなんて!そこで思考停止してしまった。 夢のような子供の世界からの離脱が上手くいつて良かった。
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小さな虫と話ができる幼稚園児の拓人が主人公で、拓人視点のパートと周りの人の視点のパートで構成されています。 この作品は、特に大きな出来事があったり大きな展開があったりする訳ではなく、それぞれの暮らしの様子が静かに、生々しく描かれています。 拓人と育美(姉)の母親の奈緒のパートが...
小さな虫と話ができる幼稚園児の拓人が主人公で、拓人視点のパートと周りの人の視点のパートで構成されています。 この作品は、特に大きな出来事があったり大きな展開があったりする訳ではなく、それぞれの暮らしの様子が静かに、生々しく描かれています。 拓人と育美(姉)の母親の奈緒のパートが読んでいて特に悲しくなりました。 ゆったりした、また、日常生活を描いた作品を読みたい方には是非とも読んでいただきたいですし、「何か小説を読みたいけど特に読みたいものがない」という方がいたら、是非手に取って読んでもらえたらと思います。
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なんともいえない読後感、スッキリしないし、幸せな大人はどこにもいないようだった。 沢山の人々が一人称として現れてそれぞれの人生を追体験できるような濃厚なお話だった。 拓人パートは平仮名なので読みづらかった。ただ、終盤で漢字が混ざることで彼の成長と能力(子供ならではのものだったのかな)を失いつつあることが際立って伝わってきた。 奈緒は慰謝料取って離婚すればいいのにと思ってしまった。美人な35歳なら再婚も容易だろうし(耕作もそう言っていたけれど)そして耕作はモテるようだけど、何が魅力なのか最後までさっぱりわからなかった。 あとは、生き物についてきちんと調べて書かれた作品なんだろうなと、割と強く感じた。 ただ、カエルを人間の手のひらに乗せるのはカエルにとって良くないので、そこだけ気になりました。
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言葉が素敵でした。 放っておけば、いい匂いなどすぐに消え、ベタベタした感触だけが残るだろう。正しくない恋愛のように。p.143 が印象深いです。
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