大阪弁の犬 の商品レビュー
あのがきデカの作者がこんな風流な老後を送っていたとは。 がきデカの作風からして赤塚不二夫みたいな破天荒な人物を想像してたので正直びっくり。 立派な文化人なんだね。 ついでに久し振りにがきデカ読み直してみたけど、規制やらなにやらでこの手の漫画は二度と世に出ないだろうな。
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がきデカも世代ではなかったが初めてエッセイを読んでかなりアーティスティックな人、繊細な人なんだろうなというのは言葉の端々にうかがい知れた。そして漫画家から小説家へ転身したと知ってこの本を手に取ってみたのだが、漫画家時代の生活がとても凄まじいもので一時避難的に小説家の方へ行ったのだ...
がきデカも世代ではなかったが初めてエッセイを読んでかなりアーティスティックな人、繊細な人なんだろうなというのは言葉の端々にうかがい知れた。そして漫画家から小説家へ転身したと知ってこの本を手に取ってみたのだが、漫画家時代の生活がとても凄まじいもので一時避難的に小説家の方へ行ったのだと知った。それだけ消耗する体力勝負を強いられる世界なんだろう。もちろん小説家の世界がそうではないというわけではないが。精神的にギリギリのところで連載をしていたということだろう。今は金沢でじっくりと時間をかけながら作品を作っているそうだ。大阪時代の生活をしていたところは今自分が生活しているとても近所で驚いた。ものづくりをする人の心模様が伺いしれて面白かった。
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栃の嵐の表紙で思わず手に取りました。子供の頃大好きだったこまわりくんの作者、山上たつひこさんが小説家に転向しているとは知りませんでした。タイトルも面白そうだし、さぞかしギャグ満載のエッセイかと思いきや意外と真面目で怖い話も多く前半は読み進むのに時間がかかりました。後半からのがきデ...
栃の嵐の表紙で思わず手に取りました。子供の頃大好きだったこまわりくんの作者、山上たつひこさんが小説家に転向しているとは知りませんでした。タイトルも面白そうだし、さぞかしギャグ満載のエッセイかと思いきや意外と真面目で怖い話も多く前半は読み進むのに時間がかかりました。後半からのがきデカ時代の逸話は面白く読めました。「マカロニほうれん荘」が出た時、弟が生まれた3歳児の心境になったとのこと。「750ライダー」や「ブラックジャック」など懐かしいタイトルを目にする度に過去にタイムスリップし、少年雑誌の人気投票を気にしている山上さんの様子は「バクマン」が重なりました。 読んでよかったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「がきデガ」で有名な山上たつひこさんのエッセイ集。 小学校だったか、うまい言い方がみつからないが、僕も刺激を受けたものである。 本の終盤で、当時の話が出てくる。 「マカロニほうれん荘」に驚異を感じた話は初めて聞いた。意外だった。 焦りとジェラシーで「がきデカ」の画風まで変わってしまったとのこと。 確かに、コミックスの途中から、なんか絵が変だなと思ったことを記憶していて、その後は読まなくなってしまった。 ご本人によると、その呪縛が解けてからの方がおもしろくなったらしい。 山上氏は金沢で、激務の漫画家から転身して小説中心の活動をして落ち着いて暮らされているようだが、彼がその才能に恐れおののいた「ほうれん荘」の鴨川つばめ氏は今どうされているのか・・・。 本の前半で読める、子供の頃や若い頃の、苦い思い出を書いたエッセイが心に残る。 特に犬に関する記憶や、近所にいた狂女についての記述は、なまなましく、息苦しいくらい。 この本の白眉はこのあたりかと思う。 金沢に移住されていることもこの本ではじめて知った。田舎蕎麦を東京の、濃い辛めのつゆで食べたいと何回も書かれているのが微笑ましい。 以下はメモ。山上氏ではなく編集者の言葉。 「漫画は作者から不特定多数の読書に発信するもの、小説は作者から読者個人へ訴えかけるものだ」
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