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ポストキャピタリズム の商品レビュー

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2023/04/30

一応読破しましたが、最初から最後までほとんど感銘を受けませんでした。感情的な批判にならないよう、どこに問題を感じたかを記載します。 第一に、他の方も指摘しているように翻訳の質の低さ。第1部はまだ読みやすかったですが、第2部の6章くらいから最後までの翻訳の質は正直言って低いです。原...

一応読破しましたが、最初から最後までほとんど感銘を受けませんでした。感情的な批判にならないよう、どこに問題を感じたかを記載します。 第一に、他の方も指摘しているように翻訳の質の低さ。第1部はまだ読みやすかったですが、第2部の6章くらいから最後までの翻訳の質は正直言って低いです。原文を想像しながら、ここはこういうことを言ってるのじゃないか?と考えながら読みました。典型的な例を示します。1つの文章でA、B、Cという順番に節が並んでいるとします。そのときに、節の順番をB、A、Cの順番にしたらもっと日本語が分かりやすくなるのに、というケースが多々ありました。主語と述語が離れすぎていて、間に形容句が長々と入っているような文章ですね。これは翻訳の基礎だと思います。またマルクスの資本論や各種経済理論などの用語について、間違ってはいないかもしれないが微妙に変だと感じる箇所が無数にありました。意味は分からないでもないが、日本語ではそうは言わないだろう、という専門用語ですね。  第二に、これは本質的ですが著者のロジックに賛同できない箇所が多々ありました。また彼の提唱するプロジェクト・ゼロの姿が最後までよくわかりません。最後の章で、各種サービスの国有化、また中央集権的な意思決定の必要性を述べながら、同時に階層からネットワークへの移行も述べていて、どうすればこれらが両立するのかが理解できませんでした。また全般を通じてですが、彼の主張をサポートするようなデータなり図表なりがほとんどないため、正直信憑性に欠ける本だという印象を一貫して持ちました。  この著者のように資本主義が感情的に大嫌いという人間の本は、資本主義を消滅させることばかり書いていて正直気が滅入ります。資本主義が問題だらけなのは同意しますが、本書の説得力があったかというとNOと言わざるを得ません。逆に言えば資本主義が嫌いな方は、こういう本を読んで溜飲を下げるのかなという気はしましたが、この質では新たな「同士」は生まれないと思います。

Posted byブクログ

2024/03/31

んーーー ナンだ、この本? ひさしぶりに、こんなくだらない本を読んだなあー。 2022年11月29日、都立大教授で社会学者の宮台真司(63)が、何者かに背後から首付近などを複数回切りつけられて重傷を負った殺人未遂事件が起きた。 オレは、アンチ宮台なんだけど ナイフで刺したり...

んーーー ナンだ、この本? ひさしぶりに、こんなくだらない本を読んだなあー。 2022年11月29日、都立大教授で社会学者の宮台真司(63)が、何者かに背後から首付近などを複数回切りつけられて重傷を負った殺人未遂事件が起きた。 オレは、アンチ宮台なんだけど ナイフで刺したり、殺そうとしたりする行為には、絶対反対する。 わざわざ、そんなことしなきゃいけない理由がない。 言いたいことがあれば、好きなだけ言えば良いだけ。 言論には言論で闘えよ。 宮台は、たんなる社会学者にすぎない。何の影響力もない。 絶大な権力を笠に着て、不法行為ばっかやりまくって、日本を三流国家にした世襲政治家の国賊、売国奴じゃあるまいし。 殺さなきゃいけない理由がない。 んで、改めて、宮台が述べてる話をyoutubeで見てたんだけど、そこで喋ってた話が「加速主義」だった。 加速主義、ってナニ?って思って。 Wikipedia 政治・社会理論において、根本的な社会的変革を生み出すために現行の資本主義システムを拡大すべきであるという考えである。 現代の加速主義的哲学の一部は、広範囲にわたる社会変革の可能性を抑制する相反する傾向を克服することを目的として、脱領土化の力を特定し、それを深め、急進化することを目的としたジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリの脱領土化の理論に依拠している。 加速主義はまた、資本主義を深化させることは自己破壊的な傾向を早め、最終的にはその崩壊につながるという信念を一般的に指す言葉でもあり、通常は侮蔑語として用いられる。 すなわち、テクノロジーの諸手段を介して資本主義の「プロセスを加速せよ」、そしてこの加速を通じて「未来」へ、資本主義それ自体の「外 the Outside」へと脱出せよというメッセージである。 あまりにも意味が分からないので この本を読んでみた。 んー やっぱり、オレは、アンチ宮台だなあー。

Posted byブクログ

2020/08/25

歴史の記述が長い。ひたすらに長い。で何が言いたいの?という部分が複数あった。 最後の最後に今後の展開、どうするべきかなどの「最も我々が読みたかった部分」が出てくるのだが、これが本当に平凡。いやそれしかないでしょと言いたくなる。これだけのためにこんなに長い歴史的記述を読んでいたのか...

歴史の記述が長い。ひたすらに長い。で何が言いたいの?という部分が複数あった。 最後の最後に今後の展開、どうするべきかなどの「最も我々が読みたかった部分」が出てくるのだが、これが本当に平凡。いやそれしかないでしょと言いたくなる。これだけのためにこんなに長い歴史的記述を読んでいたのかと思うと少し損した気分。

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2020/07/12

正の外部性 限界費用ゼロ シェアリングエコノミーのその後に待っている資本主義の崩壊と、その後の展開について

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2021/03/27

テキサス共和奥で不換紙幣を発行したが失敗、米国との併合で救われた。 資本主義は複雑で適応するシステムだが、適応能力が限界に達している。 資本主義は強硬な手段で終わりを迎えることはないが、目に見えない新しいシステムが構築されて、とってかわられる。 情報技術によって労働が減って、...

テキサス共和奥で不換紙幣を発行したが失敗、米国との併合で救われた。 資本主義は複雑で適応するシステムだが、適応能力が限界に達している。 資本主義は強硬な手段で終わりを迎えることはないが、目に見えない新しいシステムが構築されて、とってかわられる。 情報技術によって労働が減って、労働と賃金の関係が緩む。情報財は潤沢にあるため、市場独占が通用しない。 協働生産が自然発生的に増加している。ウィキペディアやUNIX。 シェアエコノミー=所有を意味のないものにする。 社会全体の工場化=情報の生産。 市場は自ら修正する、という新自由主義の考え方では無理がある。 グローバルインバランスがリーマンショックの遠因。 テキサス共和国の崩壊=不換紙幣の失敗。 2030年までに航空機の数は倍になる。 今の資本主義の矛盾は、無料化する社会と、権力と情報を維持しようともがく独占資本との間にある。 今後労働の価値が下がる、または消滅する。 最初の波で運輸とロジスティックの業務と、管理支援の事務員の仕事が奪われる。次に指先の細かい仕事などが奪われる。人間同士の関わり合いや心の理解が必要な仕事(看護など)が残る。 ロボット化に伴う危険は大量の失業ではなく、資本主義の崩壊にある。 市場原理には消えてもらう必要がある。

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2018/03/03

これまでの成長を支えてきた資本主義と民主主義が機能不全に陥りつつあることは政治では排外主義・一国主義がその証左であり、経済はグローバルとIT化がそれを推し進める形となりその懸念が格差の拡大と分断化という形で現れてきている。その一方で最終章に記されているように中国に代表される独裁制...

これまでの成長を支えてきた資本主義と民主主義が機能不全に陥りつつあることは政治では排外主義・一国主義がその証左であり、経済はグローバルとIT化がそれを推し進める形となりその懸念が格差の拡大と分断化という形で現れてきている。その一方で最終章に記されているように中国に代表される独裁制が資本主義を最も有効に活用しうる制度となりつつあるという指摘は非常に説得力があるものであった。

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2018/02/19

資本主義が崩壊し、ベーシックインカム制になって、みんなが生活を考えずに好きな仕事をできるようになるんだったら、面白いコンテンツとか楽しめるようになるのかなと空想した。とても楽しそう。なかなか難しい問題だけど、これから世の中がどう変わっていくのか期待。

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2018/04/05

「ポストキャピタリズム」Paul Mason 先進諸国では資本主義の最盛期は過ぎた。その他の諸国でも私たちが生きている間に資本主義は終わる。 緊縮政策を拒む政府は、1%の富裕層を守る国際機関とすぐに衝突することになる。 資本主義は複雑で適応するシステムであるが、適応能力が限...

「ポストキャピタリズム」Paul Mason 先進諸国では資本主義の最盛期は過ぎた。その他の諸国でも私たちが生きている間に資本主義は終わる。 緊縮政策を拒む政府は、1%の富裕層を守る国際機関とすぐに衝突することになる。 資本主義は複雑で適応するシステムであるが、適応能力が限界に達している。 市場システムの隙間や窪みでほとんど気付かれずに経済生活を取り巻く環境が今までとは異なったリズムで変化している。並行通貨や時間銀行、共同組合、自己管理型空間が急増しているが、経済の専門家にはそれが見えていない。 ピアプロダクション(情報や知識を共有して行う生産方式)やコモンズ、シェアリングエコノミーが広まっている。 初期社会で物々交換や貨幣が登場した証拠はない。初期の人類は貨幣よりももっと強力なものを使っていた。それは「信頼」である。 米国製造業の社員賃金は1973年以降上昇していない。同時期に、米国経済の債務は2倍に増え、金融、保険、不動産業界の対GDP比は15%-24%増加している。 金融化の進んだ1980年代から短期の四半期利益の数値が脅しとなり、古い企業のビジネスモデルを抹殺した。 いずれの資本主義的発展も金融資本主義の段階に到達すると、衰退が示唆される。 新自由主義の下では、米国は国民を貧乏にすることで利益を増やした。 金融化は不換紙幣のように崩壊をもたらす。 グローバルインバランスが大きくなるのを最後に止める事ができるのはグローバル金融の崩壊。 グローバルインバランスは欧米諸国を膨大な信用によって氾濫させ金融システムを破壊する。また、世界の鬱積したリスクと不安が債務や為替レートをめぐる国家間の協定というプールに溜まり、最後に決壊する。 不換紙幣の安定化、金融化からの後退、不均衡の終結が資本主義の崩壊を免れる唯一の道。だが、それには巨大な社会的政治的障害が待ち受ける。 価格システムを通じた市場参加者よりも、今や人間として社会に生きる者として、社会的に交流しあう個人の方が、人類の価値をもっと多く生み出すことができるようになった。 現在の資本主義における主な矛盾は、財が無料で社会的に潤沢に作られる可能性と、権力と情報統制を維持しようともがく独占、銀行、政府のシステムとの間に存在している。つまり、あらゆる事がネットワークと階層制との闘いによって広まっている。 19世紀の最初の数十年間はあらゆるものに値段をつけようとするシステムに囲まれていて、左派が共有、協力、協働の労働を基盤とするユートピアのコミュニティを作っていたが、大半は失敗した。その理由は何もかもが不足していたから。 封建主義は忠誠と義務を基盤としたシステムであり、資本主義は市場を基盤としたシステム。 ウィキペディア、リナックス、ジェネリック医薬品、公共科学のようなものが増えればオープンソースという労働の形に適応できる。 協同組合の世界上位300位のリストを見ると、その多くが企業の所有権に抵抗する相互銀行。これらは社会的良心を持ってあらゆる点で金融搾取と闘ってきた。 ポスト資本主義の協同組合は、非市場と非管理の拡大と貨幣を基盤としない活動の普及を試みる事になる。 我々に必要なのは、法的形態が真の協働型の生産と消費によって支えられている協同組合。 非利益である事に固執しない。P2Pの金貸し業やタクシー、貸別荘会社が儲ける事も可能だが、社会的不公正を生じさせる能力を制限する規制の下で操業する事。 政府レベルでは、「非市場経済庁」のような行政機関を創設し、無料のものを生産したり、共有や共同が不可欠となるあらゆるビジネスを育成し、価格システムを超える経済活動を最大限に拡大させる。 中央銀行を国有化する。持続可能な成長の明白な目標とインフレ目標を最近の平均よりやや高めで設定する。 銀行システムを再構築する。利益率に上限を設けて銀行システムを儲けのある公共事業と組み合わせる。例えば、地元地域に密着した非営利銀行、信用組合、P2P業者、金融サービスの包括的国有企業など。 複雑な金融サービスに対しては、十分に規制する。

Posted byブクログ