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正妻 慶喜と美賀子(上) の商品レビュー

4.4

8件のお客様レビュー

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2022/10/15

徳川慶喜と聞いて今の人たちはどう捉えるのだろう。私はただ、「変わり者・江戸幕府最後の将軍・大政奉還した人」くらいしかイメージがなかった。せいぜい教科書から得た最低限の知識だけ。 「正妻」という一見、慶喜の正妻=一条美賀子のみ焦点が当たった内容かと思ったが、読み進めると美賀子を通し...

徳川慶喜と聞いて今の人たちはどう捉えるのだろう。私はただ、「変わり者・江戸幕府最後の将軍・大政奉還した人」くらいしかイメージがなかった。せいぜい教科書から得た最低限の知識だけ。 「正妻」という一見、慶喜の正妻=一条美賀子のみ焦点が当たった内容かと思ったが、読み進めると美賀子を通しての慶喜はもちろん、愛妾・お芳からの描写もあり、多様な側面から慶喜や美賀子、幕末の動乱が書かれている。やはり「変わり者」という印象は間違っていないように思われるが、朝敵の汚名を着させられながらも、最後まで日本国を護ること考えた慶喜はやはり「天下一の男」の名に相応しいのではないだろうか。徳川慶喜という人物について改めて考えるきっかけになると思う。

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2022/09/19

将軍徳川慶喜の正妻である美賀子の視点で描かれた幕府崩壊にいたるまでの歴史小説です。大河ドラマの渋沢栄一をみているとき、このお姫様についてとても気になり、この本をみつけて読んでみました。 慶喜との表面的なことだけでなく、内面について描かれているため興味深かったです。上巻を読みきっ...

将軍徳川慶喜の正妻である美賀子の視点で描かれた幕府崩壊にいたるまでの歴史小説です。大河ドラマの渋沢栄一をみているとき、このお姫様についてとても気になり、この本をみつけて読んでみました。 慶喜との表面的なことだけでなく、内面について描かれているため興味深かったです。上巻を読みきったとき、すぐに下巻が気になりました。特に縛崩壊については日本史として学生の頃学びますが、当時の公家、武家の生活、文化なども知れるので、より面白く、勉強になる部分もありました。

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2021/08/30

とても面白いです。幕末の女性たちが今そこに生きているかのような臨場感があって、グイグイ引き込まれました。

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2021/06/19

おもしろい。慶喜と美賀子の内面と、歴史的舞台での特異な二人の世界の生生しい息吹を感じた。小説の力を改めて感じる。林真理子の力量に恐れ入った。実賀子が公家の世界で生きてきた様子、婚儀の決まった様子、実賀子からみた慶喜の様子、だんだん慶喜の人となりを納得してゆく様子を一気に読んでしま...

おもしろい。慶喜と美賀子の内面と、歴史的舞台での特異な二人の世界の生生しい息吹を感じた。小説の力を改めて感じる。林真理子の力量に恐れ入った。実賀子が公家の世界で生きてきた様子、婚儀の決まった様子、実賀子からみた慶喜の様子、だんだん慶喜の人となりを納得してゆく様子を一気に読んでしまった。 特に婚義の儀式の最中に、慶喜が美賀に声をかけ「美賀・・」「美賀はどうだ、少しは江戸に慣れたか」「今度の地震は肝も震えたことであろうな」と声をかける場面が、なんともよかった。今「青天を衝く」で慶喜は草薙剛なので、やっぱり読んでいてもその顔が浮かんでしまうのだが、これがイメージぴったりだと思うのだ。 美賀は慶喜については「変わった考えをする人」と、好ましく思い、それゆえ自身ではつらい結果になっても、「慶喜だから」と、達観?してゆく。晩年の乳がんの手術にも立ち会い、それが美賀子が心配なのもあるがそれ以上に外科手術をこの目で見たい、という理由に「己が一番かわいい人なのだ」としめくくる。 手術を渋る美賀は、何故大阪から逃げたのか教えてくれたら手術をすると慶喜に言うと慶喜は話しだす。「最初はフランスの助けを借りて戦い倒幕派に勝っていっきに薩長をやっつけるつもりだった。そのためには交換条件で薩摩などフランスにくれてやってもいい、と思った。だがイギリスは薩摩に援助をしていて、その代わり兵庫港をくれと言っている、とそのフランス公使ロッシュが陣を張っていた大阪城にやってきて言う。それを聞いて、将軍だった自分は領土を他国に渡そうとした、自分は売国奴と呼ばれることになる、それでおじけづいた。戦いが長引けば薩摩がイギリスと取引をすることは目に見えている、あの夜自分にできることは逃げることだけであった」と、美賀子に話すのである。 誰にも言っていない大阪逃亡の心中を美賀子に語ったことで、この「正妻~慶喜と美賀子」は、いくら側室に子を産ませようと、美賀子は正妻なのだ、という林の主張があると感じた。 この慶喜の「売国奴になってしまう」というのはいろいろ資料を読み込んだ林の見解かと思う。 このところ慶喜関係の歴史的な本を何冊か読んで、正妻、美賀子との関係はどうだったのか?と疑問が湧いていたのだが、それに林真理子の世界観で答えてくれた。つい先日のNHKBSの歴史番組で慶喜をやっていて、林真理子がゲストで出ていた。林は慶喜は好きだ、と言っている。それが小説にも表れていて、慶喜には、静岡時代、そこに大奥を再現して、子孫ずくりに励んだ、と女好きにはやれやれ、といった描き方だが、基本は慶喜に対する肯定感が貫かれている。また歴史的事象は、美賀子やその回りの人々が漏れ聞いた形で、さらりとだがきっちり描かれている。 2011.12.13-2013.12.9 釧路新聞、函館新聞、室蘭民報、東奥日報、新潟日報、茨城新聞、信濃毎日新聞、千葉日報、静岡新聞、山梨日日新聞、島根日日新聞、山陽新聞、中国新聞、佐賀新聞に連載。 2018.8.2第1刷 図書館

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2021/06/01

今年の大河「晴天を衝け」は、主役の渋沢栄一以上に、慶喜と美賀が面白い。林真理子著の時代小説は初めて読んだがとても面白かった。幕府と朝廷の関係、公家の生活なども興味深く描かれていて、京言葉が心地よい。幕末の騒乱に翻弄された美賀の結婚生活はドラマチックにスタートしたが、辛い体験を重ね...

今年の大河「晴天を衝け」は、主役の渋沢栄一以上に、慶喜と美賀が面白い。林真理子著の時代小説は初めて読んだがとても面白かった。幕府と朝廷の関係、公家の生活なども興味深く描かれていて、京言葉が心地よい。幕末の騒乱に翻弄された美賀の結婚生活はドラマチックにスタートしたが、辛い体験を重ね精神的にタフに、大人の女性として成長していく。続きが気になり連日寝不足になった。

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2020/02/19

正妻の立場から慶喜を描くのがとても面白い 日本史も世界史も全く勉強不足だから、 これから先もっともっと楽しいことが待ってるんだな 楽しみだぁ

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2018/01/02

清華家の一つ、今出川家に生まれた延(のちの美賀子)は、思わぬめぐり合わせから名門一条家の姫の身代わりとなって徳川慶喜のもとへ嫁ぐことになる。 武家のしきたりへの戸惑いや、同居する若い祖母への妬心に悩みながらもうまくいくと思われた夫婦仲だったが…。 幕末の動乱とともに頻繁に描かれ...

清華家の一つ、今出川家に生まれた延(のちの美賀子)は、思わぬめぐり合わせから名門一条家の姫の身代わりとなって徳川慶喜のもとへ嫁ぐことになる。 武家のしきたりへの戸惑いや、同居する若い祖母への妬心に悩みながらもうまくいくと思われた夫婦仲だったが…。 幕末の動乱とともに頻繁に描かれる慶喜だが、そのキャラクターは実に多様で定まらない。本書は正妻である美賀子の視点で描かれたことで、より内面的な部分にスポットが当たっている。美華子やお芳の目を通して、公の部分の慶喜の行動の一つ一つの動機や心理が解き明かされていくなかで、新たな発見などもあり、改めて題材としての幕末の面白さを感じた。

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2017/10/10

妻だけが知り得た、「最後の将軍」の真実 幕府と朝廷の関係に動乱の機運が高まる中、公家から一橋慶喜に嫁いだ美賀子。英邁と称えられる夫の振る舞いに翻弄される美賀子は、ある哀しい決意を抱く。幕末の新たな一面を描ききる、傑作大河小説を文庫化!

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