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海の地政学 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2023/01/15

著者は米海軍大将でNATO司令官を務めたスタヴリディス大将。タフツのフレッチャースクールで博士号を取得しており、退役後の2013年からはフレッチャーの学長を務めた学者軍人でもある。 と思って期待して読み始めたのだが、第一章は精読し、爾後スキミングでざっと流れを追ったが、やや雑駁...

著者は米海軍大将でNATO司令官を務めたスタヴリディス大将。タフツのフレッチャースクールで博士号を取得しており、退役後の2013年からはフレッチャーの学長を務めた学者軍人でもある。 と思って期待して読み始めたのだが、第一章は精読し、爾後スキミングでざっと流れを追ったが、やや雑駁な内容かなと思った。 構成としては、太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海など海域別に古代からの歴史と、海軍士官としてのスタヴリディス氏の経験を織り交ぜた内容となっている。後者については面白いが、肝心の歴史部分については、広く浅く既知の内容が多く、何か学びとるものとしては不十分かなと感じ、全体としての精読はやめた。また、第一章を読んで訳が必ずしもわかりやすくは無いかなと感じた。また日本の歴史や安保政策で間違いも散見される。

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2021/02/12

NATOの元最高司令官が書いたという帯を見てゴリゴリ軍事上のことが書かれた本かと思いきや、広大な海が人類の歴史の中でどのような役割(交易/戦争/協力)を果たしてきたかの変遷を追い、今後どういった重要性を持ってくると考えられるかを描く。20世紀は太平洋の時代だった。これからは南シナ...

NATOの元最高司令官が書いたという帯を見てゴリゴリ軍事上のことが書かれた本かと思いきや、広大な海が人類の歴史の中でどのような役割(交易/戦争/協力)を果たしてきたかの変遷を追い、今後どういった重要性を持ってくると考えられるかを描く。20世紀は太平洋の時代だった。これからは南シナ海やインド洋が目が離せないことになるのかも…。また北極圏のこれから、またカリブ地域の政治的状況に対する自分の無知を知った。勉強になっただけでなく読み物としてもとても面白かった!

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2018/12/12

太平洋や大西洋といった海ごとの地政学的な特性について、著者の海軍士官としての経験を混じえて書く。 まず訳が酷い。原文も日本人には読みにくいんだろうけど、それにしても潜水艦のマストを帆と訳したんだろうなというような、海軍士官という著者の背景を知らないが故の訳の酷さ。 それと著者自体...

太平洋や大西洋といった海ごとの地政学的な特性について、著者の海軍士官としての経験を混じえて書く。 まず訳が酷い。原文も日本人には読みにくいんだろうけど、それにしても潜水艦のマストを帆と訳したんだろうなというような、海軍士官という著者の背景を知らないが故の訳の酷さ。 それと著者自体も南シナ海の項に北朝鮮を含めていて、ん?と思ったり、かなり主観的な見方をしてるように受け止めてしまう。

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2018/10/28

【由来】 ・ハヤカワのfacebook + 図書館のハヤカワアラート 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

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2018/10/19

 米海軍出身の本書の作者は、実際に軍艦で世界中を航海し各国に寄港した経歴をもつ。その経験のエピソードをちりばめつつ、7つの海(太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海、カリブ海、北極海)の地理的状況、歴史、政治的状況や位置づけを順に解説し、その後の章で犯罪、将来戦略と意見を開陳...

 米海軍出身の本書の作者は、実際に軍艦で世界中を航海し各国に寄港した経歴をもつ。その経験のエピソードをちりばめつつ、7つの海(太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海、カリブ海、北極海)の地理的状況、歴史、政治的状況や位置づけを順に解説し、その後の章で犯罪、将来戦略と意見を開陳する構成である。  太平洋の章などは知っていることも多いが、北極海のことはほとんど知らなかった。大洋から世界を分析するのはとても新鮮に感じた。海はつながっていて一つとはいえ、とても広大で、しかも貿易など世界をつなぐ役割として海の重要性はむしろ高まっていると説く。  これらの帰結としての将来戦略に突飛なところはなく驚きはないが、だからこそ本書を通して語られるSea Powerに安心して納得がいくのだろう。

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2018/06/08

太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海、カリブ海、北極海で、歴史的にどのような交流や紛争が起こってきたかを、海軍軍人として各海洋を見聞した豊富なエピソードを交えながら概観し、海が人や社会にもたらした影響を考察するとともに、アメリカが今後どのように各海洋と関わっていくべきかを論...

太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海、カリブ海、北極海で、歴史的にどのような交流や紛争が起こってきたかを、海軍軍人として各海洋を見聞した豊富なエピソードを交えながら概観し、海が人や社会にもたらした影響を考察するとともに、アメリカが今後どのように各海洋と関わっていくべきかを論じた内容。地政学の本というよりは、海に関する世界史の教科書という印象。全体を通して、ローカルな関心から出なかった各地の勢力に対し、グローバルな関心を持って大航海時代を築いたヨーロッパ文明の特異さが際だっていると思った。大西洋のように、長い戦火の歴史からすると異常な平和を今日保っている海もあれば、南シナ海のように、かつてなかった軋轢が生まれている海があるのも興味深い。近代以降、新たな資源の発見が、その海洋に対する価値を大きく変えてきた歴史が伺える。戦略については、民間での対話推進を提唱している点が通底している。

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2018/06/03

太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海、カリブ海、北極海にまず歴史をおさらいする、地中海では特に古代からナポレオンまで続くの戦闘の歴史、大西洋では、アメリカ合衆国が独立するにあたっての海の果たした役割、その丘は主に現在の地政学的状況に焦点を当てる。現在では、中国の圧倒的台頭、...

太平洋、大西洋、インド洋、地中海、南シナ海、カリブ海、北極海にまず歴史をおさらいする、地中海では特に古代からナポレオンまで続くの戦闘の歴史、大西洋では、アメリカ合衆国が独立するにあたっての海の果たした役割、その丘は主に現在の地政学的状況に焦点を当てる。現在では、中国の圧倒的台頭、ロシアの復活というのに対し、アメリカがそのシーパワーの能力を政治が点から拡充の提言を行う。それは、軍備増強だけではなく、TPPに代表される友好国との連携の強化、ソフトパワーの拡充、グローバルコモンズたる世界の海洋の環境、治安の強化を行う。過去現在あらゆる地域に目の行き届いたバランスのとれた海から見た過去と現在の政治。

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2018/01/03

海軍の大御所が時空を自在に語るシーパワー論。大航海時代や名だたる海戦史の語り口、回顧談などは文学の香りさえ漂います。アメリカの秩序で世界は回るべきという姿勢で、インド洋や南シナ海、北極海などのホットな状況を解説しています。インド・パキスタンでの核リスクが一番高いというのはリアル感...

海軍の大御所が時空を自在に語るシーパワー論。大航海時代や名だたる海戦史の語り口、回顧談などは文学の香りさえ漂います。アメリカの秩序で世界は回るべきという姿勢で、インド洋や南シナ海、北極海などのホットな状況を解説しています。インド・パキスタンでの核リスクが一番高いというのはリアル感があって恐ろしい。ただ、最新事情を深く知ろうとするには本書では物足りないでしょう。

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2018/01/27

学問的なものや目新しい内容は皆無に近く、単なる海をテーマにしたエッセイ。 地政学書として読むと失望すると思います。 大洋をそれぞれ章として、現状の軽い解説+その大洋を舞台にした古典作品の引用と印象+筆者が海軍軍人としてその大洋を航海したときの思い出、の繰り返しで、ごく薄い内容。...

学問的なものや目新しい内容は皆無に近く、単なる海をテーマにしたエッセイ。 地政学書として読むと失望すると思います。 大洋をそれぞれ章として、現状の軽い解説+その大洋を舞台にした古典作品の引用と印象+筆者が海軍軍人としてその大洋を航海したときの思い出、の繰り返しで、ごく薄い内容。 金目当ての書き飛ばしか業績の水増し用の著作かもしれないと感じました。

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2017/12/08

濃密な書だった。近代のシーパワーだけの話かと思っていたが、大航海時代から現代までの海の歴史を語る。地球上のすべての海を経験した著者だからこそ書けた本だ。しかも、よく本を読んでいるようで、フィクションからノンフィクションまで、幅広く参考となる文献を挙げている。著者が持つ知識量に圧倒...

濃密な書だった。近代のシーパワーだけの話かと思っていたが、大航海時代から現代までの海の歴史を語る。地球上のすべての海を経験した著者だからこそ書けた本だ。しかも、よく本を読んでいるようで、フィクションからノンフィクションまで、幅広く参考となる文献を挙げている。著者が持つ知識量に圧倒される。特に印象に残ったのは、大航海時代から現代まで、海賊対策に海軍が苦労していること。また、北極海が新たな競争の場になることだ。ロシアは潜水艦を北極海の氷の下に航行させているとのこと。ワシントンでは砕氷船の必要性について議論されていることなど、知らない場所で人知れず戦いがあることに恐怖を感じた。

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