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冷蔵庫を抱きしめて の商品レビュー

3.4

44件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2017/10/27

これというテーマでくくれない短編集。 DV彼氏にイライラしたり、デリカシーのない夫の発言にイライラしたかと思えば、ドッペルゲンガーが迫ってくるホラーのような作品もある。軽い感じで読めて、少し笑えて、でも考えさせられる。うまい。 何かに悩み、前に踏み出そうとする物語が多かったな。そ...

これというテーマでくくれない短編集。 DV彼氏にイライラしたり、デリカシーのない夫の発言にイライラしたかと思えば、ドッペルゲンガーが迫ってくるホラーのような作品もある。軽い感じで読めて、少し笑えて、でも考えさせられる。うまい。 何かに悩み、前に踏み出そうとする物語が多かったな。そういう意味で読後感はいい。

Posted byブクログ

2017/10/21

ヒット・アンド・アウェイ 暴力夫から我が子を守るために、平凡だった女性がボクシングをはじめ、 身を守るために筋力、体力を徐々につけていきますが、 それと共に精神的も力強くなっていくところが 読んでいてワクワクしました。 そしてついにラストにはガツンと一発 くらわしていたのがとても...

ヒット・アンド・アウェイ 暴力夫から我が子を守るために、平凡だった女性がボクシングをはじめ、 身を守るために筋力、体力を徐々につけていきますが、 それと共に精神的も力強くなっていくところが 読んでいてワクワクしました。 そしてついにラストにはガツンと一発 くらわしていたのがとても爽快です。 冷蔵庫を抱きしめて 幸せな新婚生活のはずなのに摂食障害をぶり返してしてしまった女性。 想像を絶するような行動をしてしまいこの結末は どうなるのだろうかと思ってしまいましたが、 夫の意外なひと言でそこから抜け出せることが出来る道が出来て 結婚というのはまさに二人三脚ということが伝わり微笑ましかったです。 アナザーフェイス 平凡な営業マンがブログやSNSの更新に没頭してしまいます。 これはよくありがちな話ですがそこからが面白く、 SNSからのコメントでは自分の顔をそっくりな人を見かけたということが 書き込まれ、それが徐々に自分の近くまでに及んでついには・・・ これは自己顕示欲から出ているものか、それとも本当なのかなどを 色々と想像してみると面白いですが、それよりも正体が分からずに、 徐々に近距離になってくるところはミステリーのようで 背筋がぞっとしてきました。 肩を叩いたのは誰でしょう? 顔も見たくないのに ダメ男にある恋人が出来たのをきっかけに別れた女性。 それなのに元彼がテレビでしょっちゅう見かけることになり気になってしまう。 本当なら顔も見たくないのに相手なのに 何故か元彼と比較してしまったりとして気にしてしまう。 何の因果か分からないけれどこうゆう心理になる心境が 上手く描かれていました。 こうゆう人って学生時代ならばクラスに一人はいるかなとも 思ってしまいました。 マスク 風邪をひいたことをきっかけにマスクを着用した男性が 顔を隠せるということが居心地良くなり常にマスクをしてしまうことに。 確かにマスクを付けるというのは何となく特別な思いがする気がします。 現に若い世代の人達の間でも同じような現象があり、 風邪をひいていなくてもマスクを常に着用して 自分をガードしているというのを聞いたことがあります。 本来のマスクの意味ではなく人から自分という存在を消すためにマスクを していたのに、いつの間にか人目をひく存在になってしまい、 そして行きついた所では本当の自分を見て欲しいと言ったり。 人はある程度見られているから良いのかもしれないと思いました。 それにしてもラストまでおかしくて何度も読みたくなります。 カメレオンの地色 恋人が遊びに来ることになり部屋の片付けをしていたところ ゴミと思い出が一緒になりタイムスリップ気分というところです。 片付けをしていると彼女のような行動や心境になるので共感出来ます。 だた思い出だけでなく本当は彼女自体が どうなのかなというところがツボでした。 果たして昔の懐かしいアノ人どうしているでしょうと 追跡したくなる気分でした。 それは言わない約束でしょう 転勤をきっかけに一人暮らしをするようになった男性。 いつしか心で思っていたことがいつの間にか口から出てしまうことに。 決してここまでは言ってはいけない、でも言いたくなるという心理を よくついていて痛快でした。 本音と建前は必要だけれど、時には声に出してストレスも 発散したくなってしまうだろうなと 少し同情もしてしまいました。 でもここまで酷い事を言われた相手だとしたらショックかもと 複雑な胸中とユーモラスに描かれているので 思わずくすりとしてしまいました。 エンドロールは最後まで 結婚をしない女として決意をした女性が思いかけずに 出会った男性と恋に落ちたけれど、段々と雲行きが怪しくなる。 結婚をしないと決意をしても愛しい人が現れれば 誰だって目の前のものに飛付きたくなるもの。 けれどそれを簡単に受け入れるのではなく 彼女らしく受け入れている姿が見事でした。 最後の台詞の エンドロールは最後まで見なければ、たとえハッピーエンドでなくっても。 それが劇場に足を踏み入れた人間の義務だから。 はキメ台詞のようで恰好良いです。 どの作品も面白くて読みやすいのですいすいと読んでしまいました。 特にアナザフィス、マスクは映像化にしても面白いかと思います。 荻原さんは心に沁みて泣ける作品も良いですが、 このようなユーモラスたっぷりな作品も上手なので好きです。 これからもこのような短編集を楽しみにしています。

Posted byブクログ

2017/10/17

今の世の中、他人事と思えない心の病を抱えた主人公たちの日常が、ユーモアたっぷり、かつシニカルに描かれる。読む前は荻原浩らしいハートウォーミングな話ばかりだろうと思っていたので、ホラータッチの一編が含まれていたのは意外で、良い意味で裏切られた。

Posted byブクログ

2017/10/05

前に読んだ短編が良かったような気がしたので購入 結婚して子供ができて、作者の描く人物に自分や家族を重ねることができるようになった。 だからなのか読むのが苦しい、読後スッキリしない

Posted byブクログ