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双亡亭壊すべし(第六巻) の商品レビュー

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2019/05/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

 前半戦を締めくくる決戦の7巻である。双亡亭に巣食う侵略者たちの弱点が知れた巻でもある。  突入組に覚悟を問いかける凧葉から物語は始まり、双亡亭では奴らの目的にメスを入れていく展開が組まれている。その過程で彼らの弱点も見つけ出した形だ。  また、青一・緑朗がついに双亡亭に到り、青一のドリルが双亡亭を正面から破壊する象徴的なシーンが描かれた巻でもある。  そして、数多の敵に取り囲まれながら決死の覚悟で液体窒素のアポーツを敢行したフロルが、双亡亭内部の決戦で中心的に描かれている。  フロルの過去と、語られる思い、そして覚悟は率直に胸を打つ凄まじさだ。彼女の見た末期の風景、心象風景における空の青さはあまりに儚い。  恐ろしくドラマティックな前半戦のクライマックスである。星五つで評価するしかない物語だ。  フロルの覚悟がどのように報われるのかは、次巻に委ねられている。心憎い引きだろう。

Posted byブクログ