1,800円以上の注文で送料無料

銀河鉄道の父 の商品レビュー

4

235件のお客様レビュー

  1. 5つ

    68

  2. 4つ

    93

  3. 3つ

    50

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2024/05/12

私なりに色々な文献を見たり資料館に行ったりイーハトーブの森に行ったりして作り上げた宮沢賢治のイメージがガラガラと崩れ去るを感じた瞬間でした。やっぱり偉大な人は我儘で人とは違う物なのか?心象スケッチと言われる宮沢賢治特有の文体が好きすぎて、宮沢賢治の書く文字も好きで真似して書くこと...

私なりに色々な文献を見たり資料館に行ったりイーハトーブの森に行ったりして作り上げた宮沢賢治のイメージがガラガラと崩れ去るを感じた瞬間でした。やっぱり偉大な人は我儘で人とは違う物なのか?心象スケッチと言われる宮沢賢治特有の文体が好きすぎて、宮沢賢治の書く文字も好きで真似して書くこともありました。花巻の質屋の政次郎は祖父の手前厳格で在らねばならぬと思う反面賢治が可愛いくて、賢治の看病や自分が断念した進学を賢治には直ぐ許してしまうなど父であり過ぎる政次郎。夢を追う賢治とそれを支え続ける政次郎。対立しながらも応援する政次郎は本当にこの時代において父の鑑なのかもしれない。宮沢賢治の偉大な詩人童話作家の影の仕掛け人なのだ。とわたしは思った。

Posted byブクログ

2024/04/10

宮沢賢治の生涯を父・政次郎の視点から書かれた一冊。 妻子供を従え、厳格な亭主関白であり続けた政次郎が、7歳の賢治の入院を機にその威厳がガラガラと崩れる。父親自ら病院に泊まり込んで看病し、下着を洗濯し、優しい声で童歌を歌って寝かしつける……明治の男には有り得ない醜態。その隠しきれな...

宮沢賢治の生涯を父・政次郎の視点から書かれた一冊。 妻子供を従え、厳格な亭主関白であり続けた政次郎が、7歳の賢治の入院を機にその威厳がガラガラと崩れる。父親自ら病院に泊まり込んで看病し、下着を洗濯し、優しい声で童歌を歌って寝かしつける……明治の男には有り得ない醜態。その隠しきれない子煩悩ぶりを「父でありすぎる」と表現するところがほほえましい。いつの世も父親はやはり子供が可愛くて仕方ない。 厳格な父であり続けなければいけない。 子供からは恐れられる存在でなければいけない。 家長たる者、嫌われ役でいなければならない。 そんな不器用な時代だったのだ。 なんだかんだ政次郎が賢治に甘々だったのと、宮沢家が裕福であったことが重なり、賢治は立派な放蕩息子に育つ。家業は継がず、何をやっても続かず、金の無心ばかり。 最終的に童話作家・詩人となるが、岩手の田舎出身で、なんのコネもない賢治は評価されることはなく、生前に出版したのは「注文の多い料理店」と「春と修羅」の2作品のみだった。このあたりのことは、「ビブリア古書堂の事件 手帖」第3巻という本にも別の角度から説明がある。 有名な「雨ニモマケズ」を初め、多くの作品は、政次郎や家族からのあんな愛、こんな叱咤激励があったからこその完成なのだと舞台裏が分かり、宮澤賢治の著書を読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2024/01/09

宮沢賢治の父、政太郎。「家長の沽券に関わる」とばかりの振る舞いをしながらも、実は賢治のことが可愛くてたまらない、隠そうとしても隠しきれないその愛情、純粋さに心惹かれた。 宮沢賢治の生い立ちや生涯などについては知らなかったことばかりだった。(小説の形をとってはいるが、この辺りはか...

宮沢賢治の父、政太郎。「家長の沽券に関わる」とばかりの振る舞いをしながらも、実は賢治のことが可愛くてたまらない、隠そうとしても隠しきれないその愛情、純粋さに心惹かれた。 宮沢賢治の生い立ちや生涯などについては知らなかったことばかりだった。(小説の形をとってはいるが、この辺りはかなり事実に即しているようだ)この本の後に賢治の作品を読んだら、また違ったものが見えてくるような気がする。賢治の作品を読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2023/12/30

宮沢賢治の側面が描かれていた。父を筆頭に愛情あふれる一家、故の涙も有りのユーモア有りの厳しく温かいお話しでした。

Posted byブクログ

2023/10/28

クライマックスは涙無しには読めないー 日本人なら誰もが知る詩人「宮沢賢治」の父・政次郎視点での賢治伝。 読み終えて、実は全然宮沢賢治のことを知らなかったのだと気付く。ここまで不遇で、ここまで社会不適合者だったのかと驚く。そしてタイトルの秀逸さに感嘆する。 面白かった。

Posted byブクログ

2023/10/17

 「銀河鉄道の夜」は宮沢賢治の作品だということは私でも知ってるけれど、この作品は「銀河鉄道の父」なんです!そうです、宮沢賢治の父、政次郎の視点から物語は展開します。  宮沢賢治は、岩手県で裕福な質屋を営む政次郎の長男として生を受ける。政次郎は自身の父喜助から進学することを許され...

 「銀河鉄道の夜」は宮沢賢治の作品だということは私でも知ってるけれど、この作品は「銀河鉄道の父」なんです!そうです、宮沢賢治の父、政次郎の視点から物語は展開します。  宮沢賢治は、岩手県で裕福な質屋を営む政次郎の長男として生を受ける。政次郎は自身の父喜助から進学することを許されなかったことが、自身の子賢治には進学を許しまた金銭面での援助を行う。賢治は将来について、質屋を継ぐ意思は一切なく、好きなことを好きなように夢見てはお金を無心する生活…。そんな賢治を支援し応援する政次郎…。数々の名作がどんな経緯を辿って生み出されたか、また父政次郎からみた37年間の賢治の一生とは…。  なんだか…すごく意外でしたね、宮沢賢治はどちらかといえば貧しい家の出で苦労したのかとばかり…先入観のみでの思い込みってダメですね(汗)。賢治にとっては家族の存在があったからこそ、こうして今の世でも読まれ続けられる作品を遺すことができたんだなぁ…ってしみじみと感じました。ちょっと、読みにくさはあったけれど、それ以上のものを得ることができました。宮沢賢治作品を読みたくなってきましたぁ~と単純な私です(^-^;

Posted byブクログ

2023/10/03

第158回直木賞を受賞作。 表紙の題字『銀河鉄道の父』の父の字が1.5倍くらい、扉の父の字も若干、大きくなっています。 花巻で有数の商家を営む政次郎は、長男出生の知らせを出張中の京都で受け取る。 「ヲトコウマレタタマノゴトシ」 時は明治29年9月。宮沢賢治誕生。 宮沢賢治の生涯...

第158回直木賞を受賞作。 表紙の題字『銀河鉄道の父』の父の字が1.5倍くらい、扉の父の字も若干、大きくなっています。 花巻で有数の商家を営む政次郎は、長男出生の知らせを出張中の京都で受け取る。 「ヲトコウマレタタマノゴトシ」 時は明治29年9月。宮沢賢治誕生。 宮沢賢治の生涯を父親である政次郎の目線で追った物語です。 子供の頃から成績はいいが友達の話にに耳を貸さない。青年になってからは子供と接するのは好きだが、大人と接するのは難しい。頑固もの。これと決めたら突き詰める。賢治は難しい人だったのだなぁ、と思います。そんな賢治を政次郎は信じ、理解し、金銭的にサポートします。 家長としては威厳を保つけれども親ばかで、葛藤するもののなんだかんだで激甘な政次郎。けれど、政次郎がわが子の才能を信じていなければ、今、『銀河鉄道の夜』や数々の名作は残っていないのではないのでしょうか。 この本を読んだ後に『銀河鉄道の夜』と『セロ弾きのゴーシュ』を読みました。『銀河鉄道の夜』にちりばめられた様々な知識と流れてゆく美しい景色。『セロ弾きのゴーシュ』の生き生きとした動物たちとの会話…。 花巻という土地と家族愛があってこその物語だと思いました。

Posted byブクログ

2023/08/10

主人公は宮沢賢治の父。賢治はこんな人だったのかと改めて、彼の作品を読んでみたい気になった。原作を読んでから映画を見ようと思っていたのに、映画は終わっっていたorz

Posted byブクログ

2024/06/02

父・政次郎の語りで始まり、賢治視点の語りも交えながらも大部分父親目線で賢治を語っている 賢治の幼く未熟な心や経済的に自立できない葛藤を、賢治自身が壁にぶつかる前に父親がよく見て気がついている 政次郎に心が寄って胸にきた いよいよ賢治が文筆に触れると『銀河鉄道の父』のもう一つ...

父・政次郎の語りで始まり、賢治視点の語りも交えながらも大部分父親目線で賢治を語っている 賢治の幼く未熟な心や経済的に自立できない葛藤を、賢治自身が壁にぶつかる前に父親がよく見て気がついている 政次郎に心が寄って胸にきた いよいよ賢治が文筆に触れると『銀河鉄道の父』のもう一つの意味が 〈子供(わらす)のかわりに、童話を生む〉 『銀河鉄道の父』とは政次郎のことであり賢治のことであり 〈あめゆじゅとてちてけんじゃ〉には感極まりました 『永訣の朝』も『雨ニモマケズ』もこんなに泣きそうになりながら読んだの初めて。 そしてオキシフルは実話なんですね… また、同郷の石川啄木『一握の砂』を賢治が賞賛してる文章が素敵でした

Posted byブクログ

2023/07/25

泣けました…! 宮沢賢治のお父さん目線で語られ、花巻弁(岩手県)でしゃべる部分は少し難しかったけど、意外と読みやすくてびっくり。 明治時代のことも詳しくないものの、分かりやすく説明してくれて、イメージがしやすかったので読めました。 宮沢賢治のことを何も知らなかったので、この作品...

泣けました…! 宮沢賢治のお父さん目線で語られ、花巻弁(岩手県)でしゃべる部分は少し難しかったけど、意外と読みやすくてびっくり。 明治時代のことも詳しくないものの、分かりやすく説明してくれて、イメージがしやすかったので読めました。 宮沢賢治のことを何も知らなかったので、この作品を読んでよかった。 賢治のお父さんは、あの時代のお父さんにしては優しかったんじゃないかな?あと、音読世代と黙読世代についても考えたことがなかった。私は静かに読む時もあれば、声に出して読む時もあるけど、賢治のお爺ちゃんは音読世代だったんだ。 この本を読んだ後で、宮沢賢治の作品を読むとまた感じ方が違うと思う。子どもの頃に「銀河鉄道の夜」のアニメ映画を家族で観て感動して、原作を読みたいと思って読んでみた時があったけど、難しくて最後まで読めなかった気がする...。 また今度読んでみたいなと思いました。

Posted byブクログ