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つばき の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2023/09/12

『だいこん』の続編。 浅草から深川に移転し、新たに一膳飯屋〈だいこん〉(二代目)をオープンしたつばき。 習慣や仕来たりもわからない新しい町で、旧知の渡世人・“閻魔堂の弐蔵”に何かと教えてもらいつつ、深川に馴染もうと奮闘する日々です。 そんなつばきに、深川でも名の通った廻漕問屋か...

『だいこん』の続編。 浅草から深川に移転し、新たに一膳飯屋〈だいこん〉(二代目)をオープンしたつばき。 習慣や仕来たりもわからない新しい町で、旧知の渡世人・“閻魔堂の弐蔵”に何かと教えてもらいつつ、深川に馴染もうと奮闘する日々です。 そんなつばきに、深川でも名の通った廻漕問屋から大口の注文が舞い込みますが・・・。 相変わらず、料理やお弁当のメニューに関してのアイディアは冴えているつばきですが、まだ年齢が若いということもあってか、経営者としての未熟さが目立った印象です。 気っ風が良くてストレートなのが、つばきの長所ではあるのですが、今回はそれが裏目に出て自身の思い込みで突っ走ってしまい、大切な事を見落としがちになる場面がありました。 大口注文を受けた時、大店からの依頼ということで前金をもらわなかったつばきに、弐蔵親分が「そんだけの仕入れをするてえのに、前金ももらわねえのはよう。太っ腹というよりも、素人の振舞いだぜ」と注意したのに対して、つばきは「素人で結構です」と切り口上で言い返す始末・・・“ちょ、つばき、前金は基本でしょうが?”と心配になりながら読み進めると、案の定大変な事になってしまっていました。 (で、結局騙りを仕掛けたのはどこのどいつだったのでしょうね・・?) 後半の場面でも、弐蔵親分が「棄捐令」に繋がる公儀の動きをつかんで(今後の景気に影響がでるので)、つばきに忠告しているのに棟梁・与五郎への恋に浮かれてスルーしていましたしねぇ。 で、この与五郎への想いも、急に恋に落ちて唐突に冷めるという変貌ぶりでしたが、今度は弐蔵親分を意識し始めた様子で、どうなることやら・・という感じです。 とはいえ、持ち前の“引き立てられ運”で、困難をチャンスに変えていくところは流石で、その辺の展開は面白く読ませて頂きました。 ラストは前述の「棄捐令」が発令されたことにより、今後の不景気突入を覚悟するところで終わっていましたが、これからのつばきの運命はどうなるのでしょうかね・・。 三作目も出ているようなので、是非読んでみたいです~。

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2023/04/05

内容(「BOOK」データベースより) つばきは、深川に移り住み、浅草で繁盛していた一膳飯屋「だいこん」を開業した。評判は上々だが、「出る杭は打たれる」とばかりに、商売繁盛を快く思わない者もいた。廻漕問屋「木島屋」から、弁当を百個こしらえてほしいという大口の注文を受けたのだが…。浅...

内容(「BOOK」データベースより) つばきは、深川に移り住み、浅草で繁盛していた一膳飯屋「だいこん」を開業した。評判は上々だが、「出る杭は打たれる」とばかりに、商売繁盛を快く思わない者もいた。廻漕問屋「木島屋」から、弁当を百個こしらえてほしいという大口の注文を受けたのだが…。浅草とは仕来りの違う深川に馴染もうと、つばきは奮闘する。祭の興奮と職人たちの気概あふれる深川繁盛記。 令和5年3月31日~4月5日

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2021/11/21

深川の一膳飯屋を描く時代小説。山本一力は多くの作品で深川の情緒を描いている。『つばき』は冒頭から深川八幡祭りが描かれる。祭りは楽しいだけではない。祭りの寄付金をいくらにするかも悩まなければならない。「いかほどの寄進をすれば、出過ぎることにならず、さりとて足りないと後ろ指をさされる...

深川の一膳飯屋を描く時代小説。山本一力は多くの作品で深川の情緒を描いている。『つばき』は冒頭から深川八幡祭りが描かれる。祭りは楽しいだけではない。祭りの寄付金をいくらにするかも悩まなければならない。「いかほどの寄進をすれば、出過ぎることにならず、さりとて足りないと後ろ指をさされることもないのか、それを教えていただきたいんです」(32頁)。山本一力は人情時代小説を得意とするが、人情世界には逆に生き辛さ、面倒臭さがある。アウトプットを出せば評価される合理的な世界の方が生きやすい。

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2020/11/19

前作『だいこん』に続き気風の良い、つばきが主人公。 一膳飯屋『だいこん』は、浅草から門前仲町に移ったが、つばきの飯炊きは相も変わらず絶品。 読んでいて、米の甘さが口の中に広がってくる。 まだ、続編があるみたいなので、そちらも読んでみたくなる。

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2020/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

続編のようだ。 主人公は「つばき」という名前の江戸時代の年増と呼ばれる二十代半ば。 浅草から深川に店を移して一膳飯屋「だいこん」を営む。酒も出す店だ。 つばきは、美味しい飯を炊くのがうまい。誰しも感動するような気配りで飯を出す。 ここ深川でも商売をうまく切り盛りできるように、古くからの知り合いの地回りにも、情報を得ようと足を運ぶ。 後ろ盾のない女がどんな風に商売を切り盛りするかという話になっている。

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2019/11/10

「だいこん」はつばきさんが深川に至るまで。「つばき」はつばきさんが深川後、地域に溶け込みながら、大きな新たな課題にぶつかり、それでも一歩ずつ歩こうというところまで。一冊で書き込む時間は違うがつばきさんが自分で考え悩み決断し、ひとつひとつ一歩一歩の生き方がとても素敵です。続編の「花...

「だいこん」はつばきさんが深川に至るまで。「つばき」はつばきさんが深川後、地域に溶け込みながら、大きな新たな課題にぶつかり、それでも一歩ずつ歩こうというところまで。一冊で書き込む時間は違うがつばきさんが自分で考え悩み決断し、ひとつひとつ一歩一歩の生き方がとても素敵です。続編の「花だいこん」が待ち遠しい。

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2019/03/30

『だいこん』の続編でてたの知らなかった! 美しい生き様とはなんなのだろうと思う。誇りを持つことと傲慢さは違う。自分への自信だけでなく、他者への思いやりがなければ、美しいとはいえない。 つばきはそのバランスをうまく”とってるみたいにみえる”けど、じつは結構ドロドロしてて、なんつーか...

『だいこん』の続編でてたの知らなかった! 美しい生き様とはなんなのだろうと思う。誇りを持つことと傲慢さは違う。自分への自信だけでなく、他者への思いやりがなければ、美しいとはいえない。 つばきはそのバランスをうまく”とってるみたいにみえる”けど、じつは結構ドロドロしてて、なんつーか、もっと楽な生き方もあるよな、と思う。

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2019/01/11

「だいこん」の続編です!浅草から深川に移転した「だいこん」を舞台に深川の地での店の営み方を弐蔵親分に教わりながら、騙りにあったり窮地に追い込まれる場面もありつつ、それが縁で商いを伸ばすことになったり、最後は経済が悪くなる中で、つばきがそれに立ち向かっていくという姿が良かったですね...

「だいこん」の続編です!浅草から深川に移転した「だいこん」を舞台に深川の地での店の営み方を弐蔵親分に教わりながら、騙りにあったり窮地に追い込まれる場面もありつつ、それが縁で商いを伸ばすことになったり、最後は経済が悪くなる中で、つばきがそれに立ち向かっていくという姿が良かったですね。江戸の時代物小説なのですが、商売する上で何が大切か?ということを教えられたバイブルとなる一冊でした!続編もあるようなので、また期待したいです!

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2018/03/13

最近流行りの、料理人を主人公とした時代小説の先鞭をつけた『だいこん』の続編。 浅草から深川に店を移した一膳飯屋の女主人つばきは、大口注文の騙りに遭うが、深川の人々の人情ある手助けもあり、店はますます繁盛。 幕府による寛政の改革の不況時も、更なる困難な状況も、誰かしらの助けですんな...

最近流行りの、料理人を主人公とした時代小説の先鞭をつけた『だいこん』の続編。 浅草から深川に店を移した一膳飯屋の女主人つばきは、大口注文の騙りに遭うが、深川の人々の人情ある手助けもあり、店はますます繁盛。 幕府による寛政の改革の不況時も、更なる困難な状況も、誰かしらの助けですんなり乗り越えるられるのは、主人公に対する著者の暖かい思いがあるからなのだろう。 書中語られる「難儀なときこそ、ひとの値打ちが分かる」「こんなときこそうろたえるな」 「たとえつらい日が続くことになっても、明けない夜はない」等は、著者の不遇時代に体得した経験知だろう。 このシリーズ、第三部『花だいこん』があるそうで、ぜひ読みたいと思う。

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2017/10/02

29年10月2日読了。 「だいこん」続編。深川に飯屋だいこんを開業した つばき。出る杭は打たれる。出ない杭は踏んづけられる。次々起こる困難に、つばきの才覚が冴え渡る。人の汚さと優しさが、つばきと読者の心を鍛えていく。読み手も幾度となく、人との繋がりの在り方を勉強することになる、...

29年10月2日読了。 「だいこん」続編。深川に飯屋だいこんを開業した つばき。出る杭は打たれる。出ない杭は踏んづけられる。次々起こる困難に、つばきの才覚が冴え渡る。人の汚さと優しさが、つばきと読者の心を鍛えていく。読み手も幾度となく、人との繋がりの在り方を勉強することになる、そんな物語。 第3部「花だいこん」の文庫化が楽しみ。

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