オイディプス王 の商品レビュー
アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス、ってギリシャの三大悲劇詩人、っていうのをたぶん世界史の最初の方で習うと思うけど、そのソフォクレスが書いた父殺しの『オイディプス王』。すごく短いので、あっという間に読めてしまう。シェイクスピアの翻訳で有名な河合祥一郎先生の訳。 もと...
アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス、ってギリシャの三大悲劇詩人、っていうのをたぶん世界史の最初の方で習うと思うけど、そのソフォクレスが書いた父殺しの『オイディプス王』。すごく短いので、あっという間に読めてしまう。シェイクスピアの翻訳で有名な河合祥一郎先生の訳。 もともとは数冊前に読んだ、トルコの小説の『赤い髪の女』で、父殺しがテーマになっていたので、河合先生が訳していることもあり、読んでみた。おかげでシェイクスピアを読むように台詞が読めて、分かりやすい。というか読みつつ、その台詞を役者が喋る感じで頭の中に響いてきて気持ちよく読める。けど、あらすじをだいたい知って淡々と読んでしまい、あんまり印象に残ったところがなかった。もう少し味わって読むべきだった。でも2500年?くらい前の人たちもこんなドラマチックな話を作って共感したりできるって、なんかすごいなあ、とか小学生みたいな純粋な感嘆の念は常に持ってたけれど。(24/03/09)
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- ネタバレ
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あらすじは知っているけど、実際に読むと最初の堂々とした振る舞いと全てが判明してからの苦悩に満ちた心情の語り口の落差が興味深く、グイグイと読んでしまう。どういう運びで判明するのかを追うミステリーっぽさもあって面白かった。
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観劇予定の為、復習として再度読了。 ギリシャ神話を読むより、感情移入のし易い登場人物の思考回路で疲れない。 さらりと読める文量。 そのため、それぞれの登場人物の立場に立って、何度も気軽に読み直すことが出来て面白い。
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随分前に岩波文庫で読んだような気がするけど、改めて再読。古典中の古典な訳で、内容は分かっている。そもそもこれが悲劇として上演された古代ギリシャにおいても、観客たちはオイディプス伝説について現代の我々以上によく馴染んでいたはずだ。それでも読み始めると「世帯で最初の推理小説」と言われ...
随分前に岩波文庫で読んだような気がするけど、改めて再読。古典中の古典な訳で、内容は分かっている。そもそもこれが悲劇として上演された古代ギリシャにおいても、観客たちはオイディプス伝説について現代の我々以上によく馴染んでいたはずだ。それでも読み始めると「世帯で最初の推理小説」と言われるだけある緊張感のある展開からのオチのわかっているどんでん返しに翻弄されてしまう。人間と神を使ってドラマを作る、そしてそれを楽しむ感性がいつになっても変わらない普遍的なものであることを再確認する。
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★図書館だよりNo.71 「一手指南」 鍋島 佑基 先生(建築学科)紹介図書 ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html 【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp...
★図書館だよりNo.71 「一手指南」 鍋島 佑基 先生(建築学科)紹介図書 ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html 【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/245617
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約2400年前に書かれたギリシャ悲劇が本として読めることに驚きです。 本によって訳し方など内容が若干違いがあるようですが現代でもとても読みやすかったです。 冒頭の怪物スフィンクスの件だけ、物足りなさを感じました。 「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本脚。これは何か」という謎を...
約2400年前に書かれたギリシャ悲劇が本として読めることに驚きです。 本によって訳し方など内容が若干違いがあるようですが現代でもとても読みやすかったです。 冒頭の怪物スフィンクスの件だけ、物足りなさを感じました。 「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本脚。これは何か」という謎をかけてテーバイの住民を苦しめてた怪物スフィンクスの謎を解いてテーバイを解放した。 調べてみると 怪物スフィンクスは人々になぞなぞをかけて答えれなければ食べてしまっていたそうです。 オイディプスが謎を解いて答えは「人間」でした。 謎を当てられたスフィンクスはショックで山の上から身投げしたそうです。 物足りなさのおかげで色々調べてオイディプス王を更に楽しめたので結果的に良かったです。
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●ようやく、初めての古典。 学生時代に歴史か国語の授業で確か触れたことがあったが、盛大なネタバレだけされていたのだなというのが読み終わって分かった。 なるほど、父であり兄弟。なるほど子であり妻。。 オイディプス王は(例の事件を除いては)至極真っ当な王様であるだけに、こんな運命を背...
●ようやく、初めての古典。 学生時代に歴史か国語の授業で確か触れたことがあったが、盛大なネタバレだけされていたのだなというのが読み終わって分かった。 なるほど、父であり兄弟。なるほど子であり妻。。 オイディプス王は(例の事件を除いては)至極真っ当な王様であるだけに、こんな運命を背負うのは酷すぎる(まさに過酷) ●短い本だが、あっという間に読み切れた。自信になる。 ●ギリシャ語原文では韻が踏まれているらしい。日本語では分からないのが少し惜しい(とはいえギリシャ語を勉強しようとまでは思わないのでどうしようもないのだけど) ●このあとに2作品、続きがあるらしい。 挑戦するか悩ましい。 解説を読むのが一つの楽しみなのだけれど、この本の解説は淡々としたもので、それほどの驚きはなかった。 ●アリストテレス詩学にて、逆転と認知が同時に起きる傑作として本作を賞賛。古典同士の作品の関わりってすごい。 あとフロイトのエディプスコンプレックスも。 男児が潜在的に抱く母親への欲望と父親への対抗心というやつ。確か倫理の授業でやったなと。
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齋藤孝さんの「読書する人だけがたどり着ける場所」で紹介されていて読んでみた。 自身、文学に限らず古典にはこれまで全くと言っていい程触れる機会がなかったが、良いきっかけだと思って読んでみた。 まず何より、これだけのストーリー性のある話が、紀元前の時代に作られ、現代にまでその形を残し...
齋藤孝さんの「読書する人だけがたどり着ける場所」で紹介されていて読んでみた。 自身、文学に限らず古典にはこれまで全くと言っていい程触れる機会がなかったが、良いきっかけだと思って読んでみた。 まず何より、これだけのストーリー性のある話が、紀元前の時代に作られ、現代にまでその形を残している点に非常に感動した。 ストーリーはある程度わかった上で読んではみたが、それでも楽しく読ませていただいた。 オイディプス王自身が真実に気づいた後の狂気に満ちた行動もさる事ながら、解説にもある通り妻であるイオカステ妃が、いつどのタイミングでその事実に気づいたかという点において、諸説あるというところは非常に興味深かった。これは古典ならではの醍醐味であるのかもしれない。 もちろん現代の小説に比べれば、読みづらい点、理解しづらい点はあるものの、自身の古典への入り口として読むには、非常に良い本だと感じた。
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いまとなれば神々も信じられよう、と言われて、もちろんだとしんなり答えるオイディプスに憐れみを感じたが、よく考えるとコリントスでの神託を信じていたからこそ悲劇が成就したというのが事実である。神々の忠告をよく聴くべきなのか、聴くべきでないのか…。しかし、全てが明らかになった後のオイデ...
いまとなれば神々も信じられよう、と言われて、もちろんだとしんなり答えるオイディプスに憐れみを感じたが、よく考えるとコリントスでの神託を信じていたからこそ悲劇が成就したというのが事実である。神々の忠告をよく聴くべきなのか、聴くべきでないのか…。しかし、全てが明らかになった後のオイディプスの行動が興味深い。すぐ自殺しないところにむしろ強さを感じる。
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作者の後書きを見ると分かるのだが、英訳されているオイディプス王はたくさんあり、どれも解釈がばらばらだったそうだ。 それに伴い、訳者はたくさんの文献を探し自分が納得のいくような日本語訳にしたそうだ。 また、オイディプス王は元々は演劇に使用される作品であり、小説ではなく台本であったの...
作者の後書きを見ると分かるのだが、英訳されているオイディプス王はたくさんあり、どれも解釈がばらばらだったそうだ。 それに伴い、訳者はたくさんの文献を探し自分が納得のいくような日本語訳にしたそうだ。 また、オイディプス王は元々は演劇に使用される作品であり、小説ではなく台本であったのだ。なので、日本語訳もそれに忠実に従いながら訳したようです。 この訳者の丁寧な訳により、非常に読みやすく面白い作品となっていました。
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