大人のための社会科 の商品レビュー
これからの社会をよりよくするためのヒントとして、一人一人が考えていかなければならないテーマを4人の著者が解説した本。取り上げられているテーマは、GDP,勤労、時代の分け方、多数決、社会運動、私、公正、信頼、等々全12項目。 できるだけ平易に書いてくれているのだとは思うが、それでも...
これからの社会をよりよくするためのヒントとして、一人一人が考えていかなければならないテーマを4人の著者が解説した本。取り上げられているテーマは、GDP,勤労、時代の分け方、多数決、社会運動、私、公正、信頼、等々全12項目。 できるだけ平易に書いてくれているのだとは思うが、それでも筆者にとってはまだ難解な個所が多かった。 そもそも本書カバーのイラストが田中圭一だったので、内容もそれなりにやわらかいものだと期待してしまったのが間違いだった。田中圭一の作品を知っている人には、カバーイラストは明らかにミスリーディング。 著者達、あるいは出版社側は確信犯なのか、それとも偶然なのか、田中圭一の起用に至るまでの経緯も本書の内容とは別に興味深いものがある。
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のっけから、「上から目線で書きます」んんん、何、上から目線? 社会について本を書くというのは、もう言わなくても上から目線だろ。 カチ~~ン。でも、おもしろかった。GDPもこんな風に考えたことなかった。
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前々から気になっていた井出英策。今年一発目の本として「日本財政 転換の指針」を開き、ちょうど就任式を迎えたトランプ大統領の移民を排斥しようとする政策がなぜ得票に繋がるのか?の不思議に始めて明快な説明を受けたような気がして、講演会も聴きに行き、そこで民進党の前原誠司のブレーンとして...
前々から気になっていた井出英策。今年一発目の本として「日本財政 転換の指針」を開き、ちょうど就任式を迎えたトランプ大統領の移民を排斥しようとする政策がなぜ得票に繋がるのか?の不思議に始めて明快な説明を受けたような気がして、講演会も聴きに行き、そこで民進党の前原誠司のブレーンとして研究だけじゃなく現実にコミットする!という宣言を聴き、著作も辿りながら、「財政」という自分にとっての新しいキーワードを手繰ってきた2017年は「大人のための社会科」を読んでの締めくくりとなりました。たぶん彼の案による「all for all」にも強いメッセージを感じ期待もしていたのですが、呆気なくテイクオフ出来ず瓦解崩壊。大丈夫?井出先生!でも熱い「上から目線」で反知性主義に抵抗するという本書の最終章は「希望」。『「進歩」が「第一の近代」を主導する理念であったとすれば、「第二の近代」を動かす理念として「希望」に注目が集まっているのかもしれません。』『希望という「ウォームハート」と社会科学という「クールヘッド」を結びつけること、これこそが本書のメッセージなのです。』いまをかえるための希望の希望を閉じたのが希望の党という皮肉。もっと読みたい考えたい「公」「共」「私」の新しい関係を。
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GDPに代わるもの=HDI(ヒューマンデベロップメントインデックス)。概してGDPに比例する。 国民総幸福量=GNH。 功利主義基準(全員の効用の足し算)、ナッシュ基準(掛け算)、マクミラン基準(最低のレベルに着目)。 どの基準が幸福の算定にいいか注意する。 日本人には「働か...
GDPに代わるもの=HDI(ヒューマンデベロップメントインデックス)。概してGDPに比例する。 国民総幸福量=GNH。 功利主義基準(全員の効用の足し算)、ナッシュ基準(掛け算)、マクミラン基準(最低のレベルに着目)。 どの基準が幸福の算定にいいか注意する。 日本人には「働かざるもの食うべからず」という背景があるため、生活保護や貧困対策よりも、公共投資による勤労のチャンスを用意することが大事だ、と考えるようになった。 日本の政治は、特定の誰かの利益、の寄せ集めになっている。教育の無償化、医療の無料化などみんなの利益となる分野が少ない。 選挙は決め方次第で結果が変わる。決戦投票方式やぼづだールールで結果が変わる。 政治的な運動は、多数決という意思決定では救済されない意思を実現するルート。ただし、運動を支える正当性が必要。なければ単なるエゴになってしまう。 古代バビロニアタルムードでは、二人の争いの分け方が違う。 日本は信頼社会ではなく、安全社会。身内だからこそ安全だと思うが、他者は信頼がおけないと考える。欧米は身内の概念がないため、信頼社会でないと成り立たなかったため、信頼が強くなった。 税金は取られるもの、ではなく社会全体への貯えと考えられないか。 常陸大宮市の医療法人博仁会の取り組み=育児休暇や保育園の併設など。医療や介護の従事者のほうが出生率が高い。
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GDPの捉え方は面白かった。なるほどと思う。最後にまとめがあるが、全体として何を伝えたかったのかあまり伝わって来なかった。後半は退屈。
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「欲しがりません勝つまでは」 「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」 「臥薪嘗胆」 読んでいるとこのようなフレーズばかりが頭をよぎるような第11~12章への批判要素・視点が第1~2章で提示されていた。
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もともとあまり「社会科」は好きではなかったし,今でも「社会学」とか「社会学者」って漠然としてアヤシイと思っているんだけど,読んでみた。 読みやすいし,「そうだね」「なるほど」と共感することは多いものの,結局「社会科」って何なのかはよく分からない。
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