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中国はなぜ軍拡を続けるのか の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2017/11/03

中華人民共和国、中国共産党、そして人民解放軍のこれまでの歴史を紐解きながら、表題のテーマに迫っていく。知ってるようで知らなかった中共史の勉強にもなって、中国が抱える権力構造や政治・経済・社会に対する西洋的価値観とは異質なものの見方も分かってくる。かといって、反中をあおるための本で...

中華人民共和国、中国共産党、そして人民解放軍のこれまでの歴史を紐解きながら、表題のテーマに迫っていく。知ってるようで知らなかった中共史の勉強にもなって、中国が抱える権力構造や政治・経済・社会に対する西洋的価値観とは異質なものの見方も分かってくる。かといって、反中をあおるための本でもなく、著者の長年にわたる研究と経験の成果が発揮されている大変有意義な一冊。中国共産党の一党支配のロジックがよくわかる。 70年代後半以降、日米欧に接近してきた中国に対し、援助・協力を与えれば次第に中産階級も育って民主化・自由化していくだろうという考え方がいかに楽観的すぎたかという著者の指摘は貴重である。

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2017/10/12

日本が重層的な互恵関係を築くにいたった中国において、空前の規模で軍拡が推し進められ、それが日本ならびにアジア・太平洋地域全体の安全保障をゆさぶっているという矛盾とどう向き合うべきか。この難題に取り組むにあたっては、そもそもなぜ中国において軍拡が展開されるに至ったのかという根本的な...

日本が重層的な互恵関係を築くにいたった中国において、空前の規模で軍拡が推し進められ、それが日本ならびにアジア・太平洋地域全体の安全保障をゆさぶっているという矛盾とどう向き合うべきか。この難題に取り組むにあたっては、そもそもなぜ中国において軍拡が展開されるに至ったのかという根本的な問題を議論する必要がある。 本書は、そうした認識に立脚し、共産党が軍拡を本格的に推進するに至った政治的背景と経緯、軍拡の諸側面、そして軍拡の日中関係への影響について論じる。政治的背景と経緯に関する議論は、主として1970年代半ばから2000年代初頭にかけtの約30年間に焦点をあてる。それは、中国における軍拡の期限をこの時期、すなわち鄧小平政権から江沢民試験にかけての時期にみいだすことができると筆者が考えているからにほかならない。

Posted byブクログ