夢と幽霊の書 の商品レビュー
一体私は何をよまされているのか? 120年前の幽霊譚を集めた奇書。 コナンドイルもルイスキャロルも、そして夏目漱石も読んだであろうそんな空気感が伝わってくる、それだけで価値がある本。不思議な話は古今東西、みんなを夢中にさせる。
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アンドリュー・ラングが収集した怪異譚、夢の話を集めたもの。言うなれば英国版『耳袋』だろうか。 如何にも夢や幻覚らしい脈絡の無いものから、割ときちんとオチがついている、今で言う『実話怪談』に近いものまでがテーマ別に収録されている。『物語』という観点で見ると首を傾げてしまう出来のもの...
アンドリュー・ラングが収集した怪異譚、夢の話を集めたもの。言うなれば英国版『耳袋』だろうか。 如何にも夢や幻覚らしい脈絡の無いものから、割ときちんとオチがついている、今で言う『実話怪談』に近いものまでがテーマ別に収録されている。『物語』という観点で見ると首を傾げてしまう出来のものが案外怖かったり、妙なリアリティがあったりするのが面白い。 因みに本書はこれまで邦訳が無かったそうで、それもちょっと吃驚した。吉田篤弘による巻末エッセイによると、一度は邦訳が試みられたことがあるようだが、関東大震災の影響で頓挫したっきりになっていたのだとか。本邦への紹介は夏目漱石が発端というから、よくもまぁ、120年も埋もれたままになっていたなぁ……。
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