子育ての大誤解 新版(上) の商品レビュー
親が影響を与えられるのは幼少期までで、その後は所属する集団に影響されるという考えは自身の見解と一致していた、と云うよりそれが一般的だと思うので真っ当な本だと思う。
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本質本だと思う ただし、想定する読者との前提の合意ラインをかなり高めに見積もっているがゆえに、「子供はどう育てようが関係なく育つ=虐待してもいい」というような誤った捉えられ方をして批判された(もちろんそんなことは書いてない)という出版当時の状況には納得がいく ちょっと不運な感じ...
本質本だと思う ただし、想定する読者との前提の合意ラインをかなり高めに見積もっているがゆえに、「子供はどう育てようが関係なく育つ=虐待してもいい」というような誤った捉えられ方をして批判された(もちろんそんなことは書いてない)という出版当時の状況には納得がいく ちょっと不運な感じ 子育てが子供の将来を決めるという神話に真っ向から立ち向かう不世出の学者が、スティーブン・ピンカーの目に留まって見出されるという「なろう」みたいな展開もアツい
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子供への親の影響が現代社会では過大評価されている。彼らの性格や家庭以外での振る舞いに対して、両親は永続的な影響を及ぼすことができない。という主張がこの方ではされている。 まあ、よく言われるのが「半分が遺伝で、半分が環境」。しかしこの主張は、いくつかの脆い。 まず、環境とは「遺伝によっても曲げられてしまう」。例えば、外向的な子と内向的な子。片方ずつ産んだ親は、それぞれに対する育児の方法は異なる。つまり、環境50%の中に遺伝的な要素が含まれている可能性がある。これを間接遺伝子作用という。(ここに関しては、ダニエルネトルも同様の主張をしていた気がする)実際、行動遺伝学の研究によって、親の行動は大して子供に影響を与えないことが示唆されている。出生順位に関しても同様だ。(二番目の子供の方が愛される確率が8-9割高い) そして、家での振る舞いと社会での振る舞いを切り替えて区別する「コードスイッチング」も行われる。経験済みかも知れないが、家での顔と学校での顔が全く違う子は存在する。つまり、親の振る舞いは家庭内で影響したとしても、家庭外に出ても永続的に影響を与えるとは限らない。 そして子育て観というのも、文化や年代によって変わる。今まで、(真似してほしくない文化ももちろんあるが)どんな方法でも、人間は育ってきた。だから、子育てで人が変わるというのも少し傲慢な考えとも言える。 以降、人の特性的な部分に焦点が当てられる。 心の理論や集団同調性などの説明がされていた。 筆者の興味深い点は、アタッチメントの理論の誤り?を指摘しているところだ。愛着理論とは異なり、母子との関係を他の人間関係には持ち込まない。という考え方だ。 では、親ではなくて、何から物事を学ぶのか。人は、実は同じカテゴリーに属する集団から多くを学ぶ。要するに、子供は子供から学ぶのだ。 また、小学校時代の集団における立ち位置は、将来にも影響を及ぼすが、あくまでも集団における地位調整に留まる。友情などの二者関係には無縁なのだ。そこの立ち位置に影響を及ぼすのは、身体的、肉体的、知的な鋭さだ。優れた人間は上位層となり、中位・下位層は上位層を模倣する。 幼少期のグループは変動的であるが、影響力も大きい。賢いグループにアホが入れば、ある程度賢くなることができ、その逆もまた然り。類は友を呼ぶ。これは間違いない事実であるが、そこを自制心で抑えて、理想的な集団に属するのもいい選択かも知れない。
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難しかったけど、心理学を専攻し、親子関係やパーソナリティに興味をいだいていた自分自身も、これまでのTVとかからの情報などによって、たくさんのバイアスがかかっていたんだということを感じた。 心理学は人間を大体のまとまりとして一定の法則性を見出すような学問だけど、あまりにもその知見が...
難しかったけど、心理学を専攻し、親子関係やパーソナリティに興味をいだいていた自分自身も、これまでのTVとかからの情報などによって、たくさんのバイアスがかかっていたんだということを感じた。 心理学は人間を大体のまとまりとして一定の法則性を見出すような学問だけど、あまりにもその知見がすべてだと言い切ってしまうのは少し怖いことだなあと思った。 あまり何もかもを心の問題に帰属するのは違うのかも、
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生まれと育ちについて適当なことを言ってくる人にエビデンスで殴り返せるのでとても有用です。 行動遺伝学(双子の比較)や行動経済学、統計など論文もたどれるので便利。 これを肝に銘じて子育てしてる。 要約 「子どもの性格は生まれつき」 「遺伝子の組み合わせで決まるので、きょうだいで...
生まれと育ちについて適当なことを言ってくる人にエビデンスで殴り返せるのでとても有用です。 行動遺伝学(双子の比較)や行動経済学、統計など論文もたどれるので便利。 これを肝に銘じて子育てしてる。 要約 「子どもの性格は生まれつき」 「遺伝子の組み合わせで決まるので、きょうだいでも違う」 「育てにくい子もいるけど、それも受精のときに決まることなので妊娠中の過ごし方とか親の育て方とか愛情の問題ではない」 「親子で性格が合わないこともある」 引用 「ジェンダー意識、すなわち自分が男の子であるか、それとも女の子であるかという意識は、その人に備わった性器の種類によって決まるものではない。ましてや親が与えようとして与えられるものではない。」
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新版になって、読みやすくなった。 子供の性格は遺伝子が約半分を担っているが、残り半分は環境に影響される。 環境のうち行動様式や言葉遣いに重要な影響を与えるのは、親から子への伝承ではなく、子供の仲間からの伝承である。 伝統社会で、年齢を超えた子供同士の社会が存在する場合は、文化は...
新版になって、読みやすくなった。 子供の性格は遺伝子が約半分を担っているが、残り半分は環境に影響される。 環境のうち行動様式や言葉遣いに重要な影響を与えるのは、親から子への伝承ではなく、子供の仲間からの伝承である。 伝統社会で、年齢を超えた子供同士の社会が存在する場合は、文化は、子供社会内で時代を超えて受け継がれていく。 近代社会で、子供同士の社会が、年齢で輪切りにされている場合は、有力な親集団から子供社会へ、そして子供社会内で文化が伝えられていく。 移民が多く住む地域にいれば、子供社会も移民文化を受け継ぐので、移民の文化が保存されるが、移民家族が、同じ文化の移民があまりいない地域に移住すると、家庭内で移民文化を引き継ごうとしても、子供は周囲の子供社会の文化を継承することになる。
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2019年3月読了。 ハヤカワ文庫に入っている翻訳もので、大変に読みにくい。翻訳であるが故に文章の構成が非常に複雑というか、単に一文が長いというか。 ただ、内容は学ぶところが非常に多い。 実際に子育てが始まったら落ち着いて読んでいる時間も制限されるだろうし、今このタイミングで読...
2019年3月読了。 ハヤカワ文庫に入っている翻訳もので、大変に読みにくい。翻訳であるが故に文章の構成が非常に複雑というか、単に一文が長いというか。 ただ、内容は学ぶところが非常に多い。 実際に子育てが始まったら落ち着いて読んでいる時間も制限されるだろうし、今このタイミングで読んでおいてよかった。 雑に言うと親の子育てよりも、子供は自分の周りの子供たちによって多くの影響を受けて性格や行動傾向を規定される、こんなあたりが本書で強調されていると読み取った。実際に子育てされている or された方はどう思われるだろうか。 そしてこの本の下巻は読むべきか、実に悩ましい問題である。
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『サピエンス全史』を買う金がなかったらこれ読んどけ、くらいの当たり本。 子育てハウツー本ではありません。 ・・・そして、読みやすい本でもありません。 これは、科学と研究手法に対するちゃぶ台返しの仕方が書かれている本です。執筆において挫折と恨みを情熱の燃料に投入するちょっと扁壺...
『サピエンス全史』を買う金がなかったらこれ読んどけ、くらいの当たり本。 子育てハウツー本ではありません。 ・・・そして、読みやすい本でもありません。 これは、科学と研究手法に対するちゃぶ台返しの仕方が書かれている本です。執筆において挫折と恨みを情熱の燃料に投入するちょっと扁壺なおばあちゃん(在野の方です。つまり、一般人。)の稀有な研究書。引用やテーマは縦横無尽。発達心理から人類学、統計、ジェンダー論まで筆者の粘着質な追及が冴え渡る! 子育て中の人はこれを読めば肩の力が抜けるはずです。 子育て終えたみなさんには、自分の子育ての結果についてあまり思い悩むことのなくなる胃薬みたいな本。 そしてすべでの皆さんにとって、自分の人となり(性格や習慣や振る舞い方や言葉遣い。本書では人格ではなく性格という表現を選んでいる。)がどのようにして形作られたかを遡る、自分のルーツに想いを寄せる知的な冒険になるはずです。 文庫で安いし、オススメですよ〜。
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子どもが社会化を果たす上で重要な要素は何か?客観的なデータと、我々人間が狩猟採集民族であった頃からの子育て観を紐解くことで、筆者は現代に蔓延る子育て神話に一石を投じる。 子どもの育ち方を親がコントロールできるという発想の尊大さに、改めて気付かされる。
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