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狐と韃 の商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2021/06/30

ちょっと不気味な大人の日本昔ばなし?! 妖怪のような物の怪のような不思議世界が展開します。漢字が読み辛かったり、言い回しが昔言葉なので、普段なら途中で挫折してましたが、話が面白いので最後まで楽しく読めました。 朱川湊人作品今後も読んでみよう(^^♪

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2021/02/16

先に「鬼棲むところ」を 読ませてもらって しきりに感嘆させてもらい 朱川さんの「知らぬ火文庫」シリーズを 知りました さっそく、 シリーズ一冊目の本書に 手を出したのですが 一冊目は 「日本霊異記」を朱川湊人流に 潤色した作品群に… これが また面白い この世ならぬ者たち...

先に「鬼棲むところ」を 読ませてもらって しきりに感嘆させてもらい 朱川さんの「知らぬ火文庫」シリーズを 知りました さっそく、 シリーズ一冊目の本書に 手を出したのですが 一冊目は 「日本霊異記」を朱川湊人流に 潤色した作品群に… これが また面白い この世ならぬ者たちと この世の者たちとの せめぎ具合、交わり具合が なんとも胸に迫ってきます 次なる 「知らぬ火文庫」第三弾が 楽しみ 楽しみ

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2021/01/02

平安初期に書かれた日本最古の仏教説話集『日本霊異記』を元に、 妖しく不思議な物語を現代風にした8つの連作短篇集。 日本霊異記』を知らないので何とも言えないのだが・・・ 朱川作品は3冊しか読んでいないのだけど、なんか雰囲気が 昭和ノスタルジーものではなかったので微妙です。 「夜半...

平安初期に書かれた日本最古の仏教説話集『日本霊異記』を元に、 妖しく不思議な物語を現代風にした8つの連作短篇集。 日本霊異記』を知らないので何とも言えないのだが・・・ 朱川作品は3冊しか読んでいないのだけど、なんか雰囲気が 昭和ノスタルジーものではなかったので微妙です。 「夜半の客」「塵芥にあらず」「舎利菩薩」が好きです。

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2020/11/28

「小説宝石」2016年度初出の8編、日本霊異記を膨らまして膨らまして…とっても楽しくなってる。 「夜半の客」で日本霊異記編者景戒と長屋王の会話が楽しい。そこあたりから朱川さんがシュカワに変容していくのを感じた。やっぱシュカワさんのおかしみテイストもいいなあ。 当時の人の命の軽さを...

「小説宝石」2016年度初出の8編、日本霊異記を膨らまして膨らまして…とっても楽しくなってる。 「夜半の客」で日本霊異記編者景戒と長屋王の会話が楽しい。そこあたりから朱川さんがシュカワに変容していくのを感じた。やっぱシュカワさんのおかしみテイストもいいなあ。 当時の人の命の軽さを思うと令和はまだましになったのかもしれないが、基本的なことは何ら変わってないな…という視点に激しく同感。

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2020/08/29

先日読んだ高樹のぶ子さんの「明日香さんの霊異記」で興味を持った「日本霊異記」。朱川さんが「日本霊異記」をアレンジしたこの作品をたまたま知り、早速読んでみた。 助けた渡来人女に惹かれその身を手に入れたものの女の心は母国へ向かったままの「サカズキという女」 弟を言い争いの末殺してし...

先日読んだ高樹のぶ子さんの「明日香さんの霊異記」で興味を持った「日本霊異記」。朱川さんが「日本霊異記」をアレンジしたこの作品をたまたま知り、早速読んでみた。 助けた渡来人女に惹かれその身を手に入れたものの女の心は母国へ向かったままの「サカズキという女」 弟を言い争いの末殺してしまった男の罰されたいという願いは叶うのか「髑髏語り」 父のせいで追い詰められ死んだ母にそっくりな人と出会った娘が知った真実「射干玉国」 夜中まで霊異記編纂中の景戒の部屋にやって来た四人の霊が語る彼らの物語「夜半の客」 など八編。 「明日香さんの霊異記」で語られていた通り、きちんとした結末があるわけではないので寓話的。 説法集ということだが、この朱川版「霊異記」は因果応報や勧善懲悪あるいは仏罰というハッキリした構図がないものもある。 掴み所がないような、でも一方で生々しい話もあって、やはり寓話的。 そんな中で「射干玉国」は巧妙な完全犯罪が明るみになる話だし、「塵芥にあらず」は庶民が富裕層に噛みつく話だが読後感が良かった。 また話同士でリンクしているものもあり、語られない結末と後の話を繋ぐ物語を自分なりに想像するのも面白い。 「夜半の客」で景戒が気付くように、違和感や語られない部分があるからこそ人はその裏にあるものを知りたくなり想像したくもなる。 違和感こそ物語の肝かも知れない。

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2019/09/16

短編集で、どれも面白い内容です。 サカズキという名の渡来人の女性との不思議な話等、全8編、射干玉国、夜半の客、塵芥にあらず、がお気に入り。 どれも日本に伝わる古いお話のようですが、現代でも楽しめる内容です。

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2019/02/06

 あの『日本霊異記』を肉付けしてアレンジした物語集。あれだけ短い文章をよくもここまで膨らませ脚色したものだと感心してしまった。 また、今より間違いなく道楽がなかったであろう当時の人々は、この短く簡素で怪異な物語をこのように自分なりに想像し、脚色しながら読んだのだろうかと思い...

 あの『日本霊異記』を肉付けしてアレンジした物語集。あれだけ短い文章をよくもここまで膨らませ脚色したものだと感心してしまった。 また、今より間違いなく道楽がなかったであろう当時の人々は、この短く簡素で怪異な物語をこのように自分なりに想像し、脚色しながら読んだのだろうかと思いを馳せた。 さて、この『狐と鞭』は、『日本霊異記』の中から8編を抜き出したもの。それを朱川湊人がアレンジするとこうなる。全てが怪異で因果応報にまつわる話。どの話も興味深かったが、『塵芥にあらず』が特に良かったかな。 阿久多と磐嶋のやりとりの中で、阿久多が自分の名前が「塵芥(ゴミ)」からきていると知り、それに不平を言うのだが、それを普段はいい加減な磐嶋が真剣に諌めるシーンが何とも言えない。また、磐嶋のおかげで生き永らえた商人が90まで生きたのも良かった。 『日本霊異記』と比較しながら読むのも面白いし、これをきっかけに『日本霊異記』を読んでみるのもいいかもしれない。

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2018/10/03

『日本霊異記』って日本史で名前だけは習った覚えがあるけども…仏教説話集だったのかぁ(^-^; その元ネタをどれだけアレンジしてあるのかがよく分からないけども、獏ちゃんの『陰陽師』に通じるところがあるような…読み物として面白いと思った。仏教説話集が元ネタというけど、意外と艶めかしい...

『日本霊異記』って日本史で名前だけは習った覚えがあるけども…仏教説話集だったのかぁ(^-^; その元ネタをどれだけアレンジしてあるのかがよく分からないけども、獏ちゃんの『陰陽師』に通じるところがあるような…読み物として面白いと思った。仏教説話集が元ネタというけど、意外と艶めかしいというかエロい話もあったりして、説教くさくないところがいいです。☆3・5

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2017/11/25

日本最古の説話集「日本霊異記」を、直木賞作家が大胆かつ奔放に潤色。表題作ほか、「サカズキという女」「舎利菩薩」など全8話を収録。 日本史や文学史に疎いところがあるので「日本霊異記」の存在を知らなかった。タイトルからして怪談集かと思ったら平安時代に編まれた仏教説話集だという。なる...

日本最古の説話集「日本霊異記」を、直木賞作家が大胆かつ奔放に潤色。表題作ほか、「サカズキという女」「舎利菩薩」など全8話を収録。 日本史や文学史に疎いところがあるので「日本霊異記」の存在を知らなかった。タイトルからして怪談集かと思ったら平安時代に編まれた仏教説話集だという。なるほど勧善懲悪の話ばかり(中にはエロティックなものもあった)だけど、それをいかほどか換骨奪胎し、読み応えのある小編に仕立て上げた朱川湊人はさすがだと思う。 (A)

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2017/11/18

★2017年11月18日読了『狐と鞭』朱川湊人著 評価A 日本霊異記を元に、物語を風に書き直した短編集 上手に翻案されていて、朱川氏らしい少々ほの暗い日本的な仏教奇蹟話集である。 出来は非常に良いと感じる。 1. サカヅキという女 真桑と胡人サカヅキの悲恋 2. 髑髏語り 銀...

★2017年11月18日読了『狐と鞭』朱川湊人著 評価A 日本霊異記を元に、物語を風に書き直した短編集 上手に翻案されていて、朱川氏らしい少々ほの暗い日本的な仏教奇蹟話集である。 出来は非常に良いと感じる。 1. サカヅキという女 真桑と胡人サカヅキの悲恋 2. 髑髏語り 銀細工師の広足が犯した弟浄足殺しの罪 3. 射干玉国(ぬばたまこく)父膳臣広国(かしわでのおみひろくに)の犯した罪を追求する玉虫売 4. 夜半の客 日本国現報悪霊異記を作った私度僧景戒に現れた夜中の訪問者たち 5. 狐と鞭 三野国片県郡に村に現れた美濃狐に悩まされる多須岐 助けを求めて尾張郡愛智郡片輪の里へ向かう。 6. 蛇よ、来たれ。 蛇に犯されて狂わされた佐々伎売   7. 塵芥にあらず 孤児だった阿久多に出来た友人の八卦見の磐嶋は、突然三悪鬼に連れ去られ死亡するが、、、 8. 舎利菩薩 豊服広公(とよがくのひろぎみ)とその妻 多知波奈(たちばな)に生まれた奇形児麻佐利は、大切に育てられその頭脳は優秀。親の心配をよそに、強い意志と明晰な頭脳で人々の支持を得て聖と呼ばれるまでになっていく。 memo 思えば、命はただ生きて在るだけで、様々な道を人に示す。その良し悪しや貴賤、価値の有無など凡夫のごとき淺知恵と了見で推し量れるものではない。命を計れる者は、それこそ仏のみである。目前に生きて在る命を何と見、何を学ぶかは、その人の心次第、それならば少しでも善きものが見つけられるよう、人は精進の道を歩み続けなければならない。

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