1,800円以上の注文で送料無料

すごいトシヨリBOOK の商品レビュー

3.5

31件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/05/17

これを読んで、自分の母の、病気に対する気持ちが少しわかる気がした(第10章)。 そして、母が話す内容が何でそうなってるのかも何となく合点がいった(第3章)。なるほどな、自分も含めてみんなそうやって自分を肯定して生きていくんだなと思った。

Posted byブクログ

2024/03/30

「ドイツ文学者・池内紀の語り下ろし。老いに抵抗するのではなく、老いを受け入れて、自分らしく楽しくトシをとろう。そう決めた著者は、70歳になったとき、「すごいトシヨリBOOK」と銘打ったノートに、老いていく自分の観察記録をつけはじめた。もの忘れがふえたり、身体が不調になってきたり、...

「ドイツ文学者・池内紀の語り下ろし。老いに抵抗するのではなく、老いを受け入れて、自分らしく楽しくトシをとろう。そう決めた著者は、70歳になったとき、「すごいトシヨリBOOK」と銘打ったノートに、老いていく自分の観察記録をつけはじめた。もの忘れがふえたり、身体が不調になってきたり、そんな自分と向き合いながら著者は、老人の行動をチェックするための「老化早見表」なるものを考案したり、「OTKJ」(お金をつかわないで暮らす術)といった独創的な節約システムを生み出すなど、楽しく老いる知恵と工夫を日々研鑽している。「心はフケていないと思うこと自体がフケている印」「心がフケたからこそ、若い時とは違う命の局面がみえてくる」。名エッセイストによる、ほがらかに老いを楽しむノウハウがつまった画期的な本」

Posted byブクログ

2024/02/01

池内紀(1940~2019年)氏は、東京外語大外国語学部卒、東大大学院人文科学研究科修士課程修了、神戸大学講師、東京都立大学助教授、東大文学部助教授・教授等を経て、早期退官後、文筆業・翻訳業に従事。カフカを中心にドイツ文学の評論・翻訳が専門ながら、旅行記ほか、幅広く文筆活動を行っ...

池内紀(1940~2019年)氏は、東京外語大外国語学部卒、東大大学院人文科学研究科修士課程修了、神戸大学講師、東京都立大学助教授、東大文学部助教授・教授等を経て、早期退官後、文筆業・翻訳業に従事。カフカを中心にドイツ文学の評論・翻訳が専門ながら、旅行記ほか、幅広く文筆活動を行った。毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞、読売文学賞等を受賞。宇宙物理学者の池内了は弟、アラブ研究者の池内恵は子供。 本書は、著者が70歳になったときから、自らの老いに関して気付いたことを、自分の「観察手帳」に書き綴ってきた内容を、76歳の時点で聞き書きにより書籍化したものである。尚、著者は、観察手帳を書き始めたときに、77歳のときにはこの世にいない、という「予定」を立てたそうだが、実際には78歳で死去している。 私はアラ還世代となった数年前から、人生後半に向けて書かれた、五木寛之、斎藤孝、佐藤優、大前研一、出口治明、弘兼憲史、黒井千次、成毛眞ほかによる、多数の指南本を読んできて(私は読書が好きなので、この手の本ばかり読んでいるわけではない)、本書もその一つとして手に取った。また、私はゲーテが好きで、著者の『ゲーテさんこんばんは』も読んでいる。 読み終えて、全体としては、トシヨリになったことによる衰えや弱みを正直に明らかにし、楽しみながらそれらに向き合おうというスタンスで語られているが、聞き書きのせいか、内容が少々散漫な印象を受けた。また、この種の本の例に漏れず、自分の今後の参考にしたいと思う点もあれば、自分には合わないと思われる点もあった。 参考にしたい点を挙げると以下である。 ◆自分の人生のゴールの年齢を仮設定し、それまでにやっておきたいこと、やっておくべきことを決める。(著者は上述の通り、ほぼ設定したゴールの年齢で死去したが、どのような最期だったのだろうか。。。) 設定したゴールの年齢で運よく生きていたら、それ以降はゴールを3年ずつ延長する。 ◆スケジュールを、1日用、1週間用、1ヶ月用、季節用の4通り作り、その期間内のどこかでやるようにする(実際にはやらなかったことがあっても構わない)。 ◆後半生は、4年くらいを一単位にして、何かを仕掛けてやってみる。新規のことより、過去に多少かじったことの方がベター。(著者は、デッサン、ギター、将棋、歌舞伎観劇等をやった) ◆「老いとは寄り添え」、「病とは連れ添え」、「医者は限定利用」。医学の限界を知り、延命措置、終末医療は受けない。(よく言われることなのだが、私も、これについては絶対に失敗したくない) 数ある類書の中から一つだけ読むなら、敢えて本書である必要はないが、読めばそれなりに参考はなる一冊というところだろうか。 (2024年1月了)

Posted byブクログ

2023/03/25

歳をとってからの老いに対する向き合い方、時間の使い方、身体の衰えへの対処のしかたなどをエッセイ風に軽快に書いていておもしろかった。

Posted byブクログ

2022/09/02

著者は、かなりマメな人である。メモを取るにしても、コレクションをするにしても、それらを自分で楽しみながら実践されておられる。老いを楽しむ一つのヒントは、マメになることなのである。

Posted byブクログ

2020/04/11

 著者は、ドイツ文学者で、カフカを読んだ本は池内氏のものだったのではないか。70歳をこえて、老いを見つめる目の確かさは、さすがと驚く。エッセイストの文章のうまさもさることながら、客観的な視点の持続を失わない。巷にはびこる老いの空元気と壮年時代の記憶の読み違えで、迷惑をまき散らす人...

 著者は、ドイツ文学者で、カフカを読んだ本は池内氏のものだったのではないか。70歳をこえて、老いを見つめる目の確かさは、さすがと驚く。エッセイストの文章のうまさもさることながら、客観的な視点の持続を失わない。巷にはびこる老いの空元気と壮年時代の記憶の読み違えで、迷惑をまき散らす人々には無縁の境地である。最終章の”老いと病と死”は見事な覚悟です。

Posted byブクログ

2020/01/11

故池内氏は著名なドイツ文学者。サラリと読め、素直に老いの境地が語られている良書。加齢により衰えてゆく自身の身体や頭を、面白く書き留めたもの。取り立てて新しいものはない。衰えることに抗わず、それを新しい経験として楽しむくらいでちょうどよいのだろう。やりたいこと、楽しみたいことがあれ...

故池内氏は著名なドイツ文学者。サラリと読め、素直に老いの境地が語られている良書。加齢により衰えてゆく自身の身体や頭を、面白く書き留めたもの。取り立てて新しいものはない。衰えることに抗わず、それを新しい経験として楽しむくらいでちょうどよいのだろう。やりたいこと、楽しみたいことがあれば、70歳までにやるべきで、先延ばしはやめようと思った。

Posted byブクログ

2019/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カフカなどの翻訳で知られるドイツ文学者の池内紀さんが、70歳に書き始めた「すごいトシヨリBOOK」。序文で「77にはこの世にいない」と書いている。今年の8月に78歳で亡くなられた。▼「老い」を笑って私たちに見せてくれる。老いが自然に受け入れられる。▼堀口大学の詩の紹介:〈深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり〉▼『尊厳死協会会員』になって延命治療を拒否する意思を明示する。▼「あの映画を見に行こう」と思っていても、億劫になって結局見に行かなかったりするものです。ただ億劫がって出歩かなくなると急速に老いてしまいますから、スケジュールを作るというのは、常に自分を移動させる方法、自立の一つの方法だと僕は考えます。▼「老いとは寄り添え」「病とは連れ添え」「医者は限定利用」▼僕、健康診断を全然受けていなくて、あれは非常に不合理です。健康な若者の基準値を基にしているわけですから、「異常」ということになってしまう。20歳の人が検査しても、80歳が検査しても、同じ数値で判断する。おかしいですよね。・・終末の医療を考えてくれる町医者で十分です。▼考えようによっては孤独死って幸せなんじゃないか。窪田空穂は90歳の死の床で〈まつはただ意志あるのみの今日なれど眼つぶればまぶたの重し〉と詠んだ。詠嘆もせず、哀惜の情も述べず、ただまぶたの重さだけを詠んで・・・。

Posted byブクログ

2019/10/16

老化早見表のカテゴリー3の、横取り症 整理整頓 せかせか 過去すり替えなどの症状、我にあり。過去すり替えは過去捏造に進む。 そういう目で他者を見ると、いろいろ発見あり。「最後まで話を聴く」「人の話を取らない」心しよう。

Posted byブクログ

2019/05/21

1940年生まれ、独文学者、エッセイスト。タイトルが少しダサいですが、池内さんが、70歳の時、「こういうことはこれまでなかった」「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」をつくりそのタイトルがこれだっんだそうです。何歳まで生きるか想定しに...

1940年生まれ、独文学者、エッセイスト。タイトルが少しダサいですが、池内さんが、70歳の時、「こういうことはこれまでなかった」「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」をつくりそのタイトルがこれだっんだそうです。何歳まで生きるか想定しにくいので、とりあえず77歳として予定をたてる。ただし「満期が来たら3年単位で延長する」としたそうです。 元気、よみがえり、再生なんて言葉に騙されずに、老化を認める。群れずに自立する。 オシャレをする、健康診断は受けない(どこか病気はあるもので、病気、病院に追われる人生になってしまう)、新しいことを始める など彼ならではのスタイルを紹介している。こうしたことは個人個人にあって、参考になったり、ならなかったりだが、参考にならなくてもいろんな生き方をしてるんだと面白く読める。年とることは個人個人違うので、個人個人が異なるスペシャリストである。スペシャリストならではのウンチクが楽しい。 『「心は老けても心は老けていない」といのうは、錯覚で、「心は老けてない」と思うこと自体が、まさしく老化のしるしといえます。心という見えないものを当てにしてるだけ。鏡に映るシワだらけの自分の顔が本当の年齢で、心も当然、シワだらけです。』心も老けるからこそ、これまでと違う人生の局面が見えてきます。「病気にならないと健康がわからない」「飛び上がらないと引力がわからない」と同じで、反語的だけれど、「老いて初めて若さがわかる」ということになります。』 『老いに「抗う」のではなく、老いに対して誠実に付き合うこと。老いの中で起こる面白くないことも、目をそむけたり、すり替えたりしない。個人個人がスペシャリストで、個人個人が自分特有のやり方、方法を持つことになる。その時に初めて楽しみが出てくる。』 『見慣れた自分が、知らない人間になっていく。知らない人間の出現にタジタジとなって、そんな自分と隔たりが出てくる。老いると自分が自分と疎遠になっていく。そういう見知らぬ他人に近くなった自分と、いかに折り合いを付けていくかというのが、老いていく日々の特徴です。』 『「老いとは寄り添え」「病とは連れ添え」「医者は限定利用』

Posted byブクログ