2030年ジャック・アタリの未来予測 の商品レビュー
《アタリはアタる》 というのが、以前から私がなんとなく感じていたことだった。 以前に読んだ本には、近い将来世界的なパンデミックが起こるとあったが(『危機とサバイバル』)、すでに新型ウィルスが世界を席巻したのは周知の事実である。 そんなこともあり、2030年まであと10年となっ...
《アタリはアタる》 というのが、以前から私がなんとなく感じていたことだった。 以前に読んだ本には、近い将来世界的なパンデミックが起こるとあったが(『危機とサバイバル』)、すでに新型ウィルスが世界を席巻したのは周知の事実である。 そんなこともあり、2030年まであと10年となった今、ジャック・アタリはこれからの10年をどのように見るだろうかというのは興味のあるところであった。 本書の後半へ読み進むにつれて暗雲垂れ込め、第三章に至って愕然とした。 えええええ!!!、、、世界はそんなことになっちゃうの!? という話が次々出てきて圧倒されたからだ。にわかに信じがたいストーリーを前に、こんなものは空想に過ぎぬ、未来はわからないから未来なのだと一掃することはできるだろう。だが、仮に、金と利権と権力にしか興味のない人々が、自分たちのために世界を動かしているのだとすれば、こういう破滅的な世界が遠からず来ることは予測できなくもないなとも思う。 アタリは、こうした危機に抗う方法として、《利他》の精神を説く。《利他》の精神そのものは素晴らしいと思うし、本当に全世界の人々が覚醒し、利他行に本気で勤めれば危機は回避できるだろう。しかし、この予測される圧倒的な現実の中で、《利他》がどれほどの力を持つか、私にはよくわからない。 今後もときどきページを繰りたい一冊である。
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この本は、 #FACTFULNESS の上をいくかも 学べば学ぶほどグローバル経済も民主主義も今のままじゃやばいってなるけど 結局は個人が変わるしかなくて、そのカギは利他主義だ、という本 日本の今の政治家には無理や 仏にはアタリに諮問する政策委員会があるのか…凄いな
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経済はグローバルであるのに対し、利益を社会的に還元する政治は各国ごとにローカルなので、うまく経済政策が回らない、ということかな。
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第一章はデータの記載が多く世界中で起きている様々な社会問題。 第二章から読者に投げかけられる質問、ジャックアタリの未来予測は読み手を圧倒する。
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表紙の袖に書かれている『「起きるわけがない」と決めつけても、どんなことだって起こりうる。そうした最悪の事態を予測することこそが、最悪を回避する最善の手段なのだ』という言葉が全てを物語っている。 随所に先見性が見られて参考になる。が、数字での解説が多いので把握しずらい。
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21世紀の歴史では、迷いなくアタリの言葉が入ってきたのだが、、今回は全て受け取れていない自分がいた。この腑抜けた時代のまま次の世代に渡してはいけない、我々世代が未来の教科書に一行も出てこないのではという不安もある。教科書に載る必要はないが、今があるのはこの時代のこの世代のおかげと...
21世紀の歴史では、迷いなくアタリの言葉が入ってきたのだが、、今回は全て受け取れていない自分がいた。この腑抜けた時代のまま次の世代に渡してはいけない、我々世代が未来の教科書に一行も出てこないのではという不安もある。教科書に載る必要はないが、今があるのはこの時代のこの世代のおかげと思われたいというのが、未来への利他主義なのかもしれない。日本は世界で一番利他主義のはずだった。その時代に戻せばよい、貧しいけど笑顔で幸せという世界を。
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この本に期待している事は、未来の世界を自分の頭で創造し、起こる事象に対応するために、その判断材料としてこの本が道標を示してくれることである。あくまでも予想なので、鵜呑みにするのではなく、考える材料という点を忘れずにこの本を読み進めていきたい。
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人類を取り巻く環境について悲観的なファクトをこれでもかというほど書き連ねているが、楽観的なお花畑色に染め上げた未来予想より、これくらいの重みがある方が現実味があり腹も据わる。 最終章で人類が政治や宗教、歴史的なわだかまりを越えて共感し合い、協力する術についての提案がある。半年に...
人類を取り巻く環境について悲観的なファクトをこれでもかというほど書き連ねているが、楽観的なお花畑色に染め上げた未来予想より、これくらいの重みがある方が現実味があり腹も据わる。 最終章で人類が政治や宗教、歴史的なわだかまりを越えて共感し合い、協力する術についての提案がある。半年に一回くらいは読み直したい一冊。
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現代版ノストラダムスの大予言。ただ、ちゃんと統計データに基づいている。利他的に生きること。これは、企業も大事。
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この本で語られる2030年は、たった12年後。 「最悪の事態が起きる可能は極めて高い。その場合、2030年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害ももたらす」、「危機がせまっていると自覚することが絶対に必要だ。そうした自覚こそが、危...
この本で語られる2030年は、たった12年後。 「最悪の事態が起きる可能は極めて高い。その場合、2030年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害ももたらす」、「危機がせまっていると自覚することが絶対に必要だ。そうした自覚こそが、危機をかいひするための唯一の方法なのだ。」 「自分自身ができる限り高貴な生活を送りながら世界を救う」 そのために、10段階の精神的道筋を歩むことが進められている。 1.自分の死は不可避だと自覚せよ 2.自己を尊重しろ、自分自身のことを真剣に考えろ 3.変わらない自分を見つけろ 4.他者が行おうとすること、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめろ 5.自分の幸福は他者の幸福に依存していることを自覚せよ 6.複数の人生を同時にかつ継続的に送る準備をせよ 7.危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつけろ 8.不可能なことはないと思え 9.実行に移す 10.最後に、世界のために行動する準備をせよ 世界を変革するための10この提案は以下。 1.学校や法律の教科書など、いたるところに、利他主義、寛容な精神、誠実さを養うための学習を取り入れろ。 2.国連総会のもとに、次の三つの機関(組織改革された安全保障理事会、30歳未満の次世代会議、世界環境裁判所)を設立せよ。 3.世界的な紛争が勃発するリスクと闘え。 4.法の支配と暴力を抑制する合法的手段を強化せよ。とくに、女性や子供に対する暴力を撲滅するのだ。 5.世界経済の連携を組織せよ。 6.世界通貨を導入せよ 7.小規模農家の農地を守るために、農地に関する所有権を世界的に強化せよ。 8.積極的な経済を推進するための世界的な基金を創設せよ。 9.新たな技術進歩を世界中の人々が利用できるように支援せよ。 10.最後に、今までに述べたことに対する取り組みの進行状況を、企業、都市、地域、国、世界という単位で、客観的な指標を用いて計測せよ。
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