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弟は僕のヒーロー の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2018/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある日両親から弟ができた事を聞かされて喜ぶジャコモ少年。その弟は、特別な子であると聞かされて…。 弟はスーパーマンかもしれない!と、チーターのぬいぐるみをお小遣いで買って弟の誕生を心待ちにしている少年が、弟に話しかけて可愛がったりしているうちに、弟の特別について知る。成長とともに、ジャコモは家族のように堂々と振る舞えなくなって、弟と距離を取って存在を隠したり、弟ができない事に苛々したり、弟を守れない自分に腹が立ったり、弟を失いそうになって焦ったりと、無邪気な子供の発想から、思春期の間に関係性に変化が見られる。ジャコモが弟をありのまま受け入れられるようになったのは、2人のバンドマンの友人がきっかけ。そこから、世界が変わった。 人って、何かとカテゴライズしがちだし、されがち。 わたし自身も、勝手なイメージを持たれて苛々する事がある。 でも、みんな違った個性を持った、個人と個人なんですよね。 ジョバンニのように、もっと自由に、世界を捉えて生きていいんだ、と人生感を変える一冊になりました。 特に、戦争の絵を描くという課題で、ジョバンニがジェラートを食べている女の人を描いた理由を知った時は衝撃でした。 本を書くきっかけになった動画を撮影したジャコモさんは、当時高校生だったんですね。 ありのままを受け入れて、差別的な事を言ってくる人には愛を持ったアイロニーでスマートに応戦する。マッツァリオール家の人たちの無償の愛情が素敵です。この家族が、いつまでも心穏やかに楽しく暮らせますように。

Posted byブクログ

2017/12/24

これから親になるかもしれない人は是非読んで欲しい。いい親がどういうものかわかるから。 若いときは自分の力で人生がどうにかなるものと思う。でも、どうにもならないこともあるということがだんだんわかってくる。子どもを持つこと自体、本当にそう。思い通りに行くことばかりじゃないどころか、ど...

これから親になるかもしれない人は是非読んで欲しい。いい親がどういうものかわかるから。 若いときは自分の力で人生がどうにかなるものと思う。でも、どうにもならないこともあるということがだんだんわかってくる。子どもを持つこと自体、本当にそう。思い通りに行くことばかりじゃないどころか、どうにかしようとして親が頑張ると拗れて不幸を招くこともある。 この本は本人が書いているように、ダウン症や、ダウン症の子どもを持った家族のことを書こうとしているわけではない。(結果的にそういうところもあるけど。) 完璧な人間なんていない。ありのままを受け入れて愛することで、自分だけでなく周りも幸せにできる、というシンプルなメッセージが、心にストンと入ってくる。 とにかくね、ご両親が、素晴らしいの一言に尽きる。親が人間として立派なので、子どもたちもいい子に育つ。本当に、人間として見習いたい。 例えば、エリートとなった元同級生に、仕事は何してるのかと訊かれ(ビシッとスーツを着こなして、久しぶりに会った子連れのカジュアルウェアの相手に開口一番仕事のことを聞いてくるあたり、もちろんやなやつなんだけど)、「そうだなあ、メインの仕事は父親業だ。そのほか、空き時間には印鑑を押したり、収支報告書のミスを指摘したり、先生たちの機嫌をなおしたり、休み時間にはサッカーもする。(P245)」幼稚園の事務員をしていることがわかって「どうしてまた、そんな仕事を?」と言われると、「たしかに、楽な道のりじゃなかったね。(中略)大企業に勤めて、各種の福利厚生を受けていた時期もあった。でも、ようやくこうして希望が叶ったんだ」。家族を第一にしているだけでなく、ユーモアとアイロニーのある受け答えができる、優しくて面白い父親。最高では? もちろん母親もいいんです。 弟の通う学校の先生もいい(「戦争」の絵に対する評価のエピソードはグッとくる)。 弟自身も魅力的だけど、ダヴィデというダウン症の少年の言葉も忘れられない。誰だって何らかの障害を持ってる。そのなかでダウン症はかなりいい。学校でいじめに遭ったこともあるけど、「おかげで僕は、僕のことをいじめる連中みたいに生まれてこなかったことを神に感謝するようになったんだ。だってそうだろ?あいつらの運命のほうがよっぽど悲惨だ。なんてったって心がないんだからね。そう考えたら、自分の一本余分な染色体に感謝できるようになったんだ。(P205)」さらに「たしかに僕は科学者にはなれないかもしれない。でも、僕ほどおいしいドーナツを揚げられる人はいないと思うよ」。こんな風に考えて生きたいと思わずにいられない。 ダウン症をはじめ、障害者は生まれない方がいいと思っている人は結構いると思うけど、そういう人にも読んで欲しい。こんな風に生きている人たちやその周りの人たちは不幸だろうか?障害がなくても不平不満を抱えていたり、他人を攻撃して溜飲を下げている人なんかよりずっと人生を楽しみ、他人にも笑顔を与えていると思う。 とても自然で、登場人物の人柄も伝わるいい訳だった。さすが関口さん。

Posted byブクログ

2017/09/29

https://www.youtube.com/watch?v=0v8twxPsszY 図書館の新着コーナーでこの本を見かけて、読んでから動画を見た。見ていると涙が出てくる。

Posted byブクログ