1,800円以上の注文で送料無料

歴史に「何を」学ぶのか の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/22

半藤さんの文章はちょっと苦手、、と思っていたのですが本書は、エッセイテイストて大変読みやすくて内容もとても良かったです。歴史探偵を名乗る同氏の立ち位置とそこに至る思考など、首肯する点、勉強となる点が大変多かったです。多くの方に読んで欲しい良書と思います。

Posted byブクログ

2023/08/26

太平洋戦争に自ら足を踏み入れていった時も、ボロボロになって敗戦を受け入れた時も、政治家と軍部と天皇の間で様々な駆け引きがあったことを、生き残った当事者たちへの取材で記録した半藤氏の著作。ほとんど皆が負けることが分かっていても、威勢の良い一部の勢力の掛け声に抵抗できずに地獄へ突き進...

太平洋戦争に自ら足を踏み入れていった時も、ボロボロになって敗戦を受け入れた時も、政治家と軍部と天皇の間で様々な駆け引きがあったことを、生き残った当事者たちへの取材で記録した半藤氏の著作。ほとんど皆が負けることが分かっていても、威勢の良い一部の勢力の掛け声に抵抗できずに地獄へ突き進む国民性。形は変わっても戦後も繰り返されているのではないだろうか。連合赤軍とか、ビッグモーターみたいなブラック企業とか。

Posted byブクログ

2023/01/22

作家の半藤一利さんの本なので読んでみた。 いろいろな歴史的なエピソードをまじえて歴史を学ぶとはどういうことかを語った本だった。 どちらかというとエッセイ的なテイストが強い。その分、楽しく読めるので歴史を学んでいくということについて気軽に体験できると思う。 そして歴史的なお話は...

作家の半藤一利さんの本なので読んでみた。 いろいろな歴史的なエピソードをまじえて歴史を学ぶとはどういうことかを語った本だった。 どちらかというとエッセイ的なテイストが強い。その分、楽しく読めるので歴史を学んでいくということについて気軽に体験できると思う。 そして歴史的なお話は面白く読めたが、本人の戦争というものに対する思想的な部分には必ずしも賛成できるものではないなと思った。

Posted byブクログ

2021/04/13

旦那さんに「面白いけどあんまり集中し過ぎないで読める本を買ってきて」とリクエストした結果、買ってきてくれた本。 満点のチョイスです。 いや面白いって言ったら語弊があるし、すごく考えさせられる内容なんだけど、語り口が柔らかいからするっと読めるんだよね。 この本に限らずどれもとっても...

旦那さんに「面白いけどあんまり集中し過ぎないで読める本を買ってきて」とリクエストした結果、買ってきてくれた本。 満点のチョイスです。 いや面白いって言ったら語弊があるし、すごく考えさせられる内容なんだけど、語り口が柔らかいからするっと読めるんだよね。 この本に限らずどれもとっても読みやすいので、本当広く読まれてほしいです。

Posted byブクログ

2020/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

号泣した(※涙腺弱すぎ)。 最後の方の長岡の藩士、小林虎三郎の学校へのことばがしみた。全文暗記したい。すごい希望だと思った。 本書は、日本史を学べるテキストを探していて、図書館の子どもむけ歴史本コーナーでみつける。 歴史をただ暗記するだけではなく、読み解くような本を探していた。少し思想に偏りがあるのが、かえって読みやすかった。(教科書的な本は思想を排除した結果、内容が文字の羅列になっていて頭に入ってこないのだな、と再認識) おぼろげな、日本史の知識だけでもじゅうぶんに読める。また、特に著者が詳しい、明治維新(1860年頃)~戦後(1945年)あたりの歴史の文脈が整理できて、だいたいの年号や時代が覚えられた。 近現代の日本をみる上での40年ごとの区切りや、独裁や戦争に走るときの私たちの癖、歴史のターニングポイントに立ち会った歴史上の人物のことなど、歴史を整理する引っ掛かりをたくさん用意してくれている。 それと、著者自身の戦争体験や、実際に若い頃に著者が戦争に関わった軍の上層部に取材をした話がバックボーンにあるので、さらに臨場感というかリアルな感じがする。語り口調も、浪花節や講談をよく聴いていたとあって、ぽんぽんぽーんとたたみかけるようで、息つぎのタイミングがちょうどよく、なんか分からないままでもとりあえず読みすすめられて、読みおわってみると、自然と全体が頭に入っていた。 戦後あたりの歴史をおさらいしたい人、これから歴史を学びたい人におすすめ。いろんな歴史の本や歴史上の人物の話が収録されているので、ここからさらに気になった本や人物に進んでいけそう。 ただ一点、もう自分は年でもう幾ばくもなく、あとこの後はあなたたち、若い人たちの番ですよ、という言い方だけは好きではない。(「若い人たち」は、そんな昔のことや今のことは、私たちの責任ではない、と言うだろう。)その人の年齢なんて関係ない、生きているかぎり、出来ることはある。むしろいろんな世代が協力することにこそパワーはあると思う。いまここ、奇跡的に同地点に居合わせた人々ができる限りのことをしつくして、やっと歴史は進むのではないかと思う。

Posted byブクログ

2019/05/18

 1年前くらいに買った半藤一利さんの積読本を読み終えた。半藤さんの語り口はやはり上手で、目の前で話しているような感覚になる。この本を書いたとき、半藤さんは87歳。読み終えた2019年5月18日時点で88歳だが、あと数日で89歳になられるようだ。おそらくご本人の気持ちとしても、いつ...

 1年前くらいに買った半藤一利さんの積読本を読み終えた。半藤さんの語り口はやはり上手で、目の前で話しているような感覚になる。この本を書いたとき、半藤さんは87歳。読み終えた2019年5月18日時点で88歳だが、あと数日で89歳になられるようだ。おそらくご本人の気持ちとしても、いつ亡くなってもおかしくない年齢だと思われているだろうし、だからこそ、繰り返しやすい歴史を後世に伝えたいと思っているだろう。(ちなみに半藤さんは、「歴史は繰り返す」という有名な言葉があるが、自身は「歴史は、”単純には”、繰り返さない」という言い方が正しいと思われている)  この本に、半藤さんが15歳の時の東京大空襲(昭和20年3月)の経験が書かれている。焼夷弾で燃え盛る火に追われて中川に追い込まれ、川では危うく溺れかかるも屋形船に助けられ、その屋形船から河原の人たちを見ていることが書いてある。赤ちゃんや子供を抱いたお母さんたちに黒煙と猛火が襲い掛かり、女性の髪の毛に火が燃え移るとカンナ屑のように簡単に燃え上がる。炎が鎮まった後は人の形をした真っ黒い炭が残されている。それを見ている自分は、溺れかけた後に船にあがっているから寒くてガチガチと震えている。そして、「正直言って、なんの感情も抱かなかった」と。とても正直に書かれている。生きるか死ぬかで追い込まれ、自分が何もできないときは、人間はそんなものなのかもしれない。  一方で、最近の世界情勢と、日本の雰囲気を感じながら、満州事変やナチスドイツのことを振り返る。あのときの経験は大切にしてほしいと。  今年、2019年は世界も日本も大きく変化をする年になるかもしれない。そんなとき、半藤さんのこの本や、『昭和史』を読み返したいと思った。  

Posted byブクログ

2018/08/03

昭和史、幕末史、夏目漱石といった著者がこれまで書いてきたテーマを概観している印象。ちょっと物足りないかな、とも思ったけど、それは著者が何のために本書を出したか、というあたりを考えないといけないのだろう。天皇のお言葉やトランプ大統領の誕生。内向き化する世界各国。今ある世の中の動きに...

昭和史、幕末史、夏目漱石といった著者がこれまで書いてきたテーマを概観している印象。ちょっと物足りないかな、とも思ったけど、それは著者が何のために本書を出したか、というあたりを考えないといけないのだろう。天皇のお言葉やトランプ大統領の誕生。内向き化する世界各国。今ある世の中の動きに対して、あなたは何を思いますか?そうした問いを、これまで自身の描いてきたテーマとからめて、とりわけフリマー新書の読者となる若い人にむけて出しているのだと思う。まぁ、俺みたいなおじさんにも、考えなければいけないよなぁと思わせる話なんだけどさ。 歴史は繰り返すが、まったく同じように、ではない。歴史から学ぶことはできないのではないか、と絶望的な気持ちになることもあるけれど、でも知ることをあきらめてはいけない。少しでも良い未来にむけて、努力できたらいいね、と著者から励まされている気がした。

Posted byブクログ

2018/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出鼻をくじかれるように「最初に言っとくけど、歴史学んでもあんま役に立たないから!」あれー?と思いつつ読み始める。役に立つとか意味があるかないかとか、損得とか、しばしば自分はそういうことを気にしすぎた。 著者は、「知らない」でいてしかも「知ろうとしない」状況において、人は最も権力者の扇動に乗りやすいのだと言う。これって、権力云々の話を抜きにしても、例えばこの本を読むワタシのスタンスも同じようでなくてはならんのでは?その通りで、歴史を受け身で学んでいては、嘘っぱちの歴史ストーリーを信じ切って、綺麗事ばかりインプットして、40年ごとに人は悲惨な出来事を忘れてゆく。でも、いい話ばかり耳に残るのは当然。だってその方が聞いていたいし。だから、私たちは歴史を自ら学ばなければいけないのだと思う。人の話を全て肯定的に聞いただけで満足してはいけないのだと学んだ。批判的に(not否定的)本を読んだりってすごく難しい。ワタシはできる気がしないのだが、そのために必要なのは知識をつけることなのかも。以前「インプットしなきゃアウトプットなんかできない」と言う大前提を恩師の何気ない一言から知った。根本的に読書や勉強のあり方について再び考えさせられた。本の内容としては、なんだか歴史の講話を聞いているような感じが否めないので、若干個人的な期待とはそれていた。ただ、いくつか無知な自分に染み渡る偉人のエピソードもあり、特にはじめとおわりが興味深く読めた。またもう少し知識をつけてから読んだら面白いかなぁ。

Posted byブクログ

2018/02/24

至極まっとうなことしか書いていないように思える。 好き嫌いは別として、著者を左翼とかアブナイ人とカテゴライズしたがるのはいけませんね。 正しい歴史認識はどうすれば可能なのか、史実とは何なのか。自分で考えられるようになるには、相応の準備が必要だよね。

Posted byブクログ

2017/12/05

最近の世界で起こるさまさな出来事を思うと歴史は繰り返してしまう…と不安ばかりだが、半藤一利さんの「歴史は簡単には繰り返さない」と言う章を読んで、そうかもしれないなぁと少し不安な気持ちが楽になった。それにはまずなぜそうなったのか?歴史を知らないといけない。背景になにがあるのかを。こ...

最近の世界で起こるさまさな出来事を思うと歴史は繰り返してしまう…と不安ばかりだが、半藤一利さんの「歴史は簡単には繰り返さない」と言う章を読んで、そうかもしれないなぁと少し不安な気持ちが楽になった。それにはまずなぜそうなったのか?歴史を知らないといけない。背景になにがあるのかを。この年齢になってあらゆることが繋がっていて歴史を知ることの大切さを特に実感をする。膨大な資料をよみこんだり、インタビューしたりと決して妥協しない姿勢はさすがだなと思う。

Posted byブクログ