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性表現規制の文化史 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2024/10/26

なぜ、「えっちな表現」が取り締まられてきたのか。 なぜ、青少年のみ「えっちな表現」が取り締まられるのか。 これらの疑問に答えてくれる良書。また、著者の見解はシンプルで爽快である。

Posted byブクログ

2024/07/09

文句なしに面白い。 表現に対して敏感な昨今、この本を通じて改めて性表現規制が辿った道筋を見てみることが、「LGBTQ」や「ポリコレ」などへの配慮によって行われる表現の自主規制の未来を考える足がかりになるのではないかと思った。 表現に対して考える必要がある人や、表現の主体となる可能...

文句なしに面白い。 表現に対して敏感な昨今、この本を通じて改めて性表現規制が辿った道筋を見てみることが、「LGBTQ」や「ポリコレ」などへの配慮によって行われる表現の自主規制の未来を考える足がかりになるのではないかと思った。 表現に対して考える必要がある人や、表現の主体となる可能性がある人は必読だと思う。 内容も比較的平易な文章でまとまっていて素晴らしい。 読んで後悔なし!

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2024/02/18

本当に興味本位ではあったが、規制論に対してのそもそもの部分を追求する本誌には新しく知ることが多くあった。 卑猥という言葉はもともとえっちな意味ではなかったこと、西洋に置いては「家」のための建前の規制が始まりだったこと、そして時が経ち宗教の中で規範として定義がされ、それが近代規制に...

本当に興味本位ではあったが、規制論に対してのそもそもの部分を追求する本誌には新しく知ることが多くあった。 卑猥という言葉はもともとえっちな意味ではなかったこと、西洋に置いては「家」のための建前の規制が始まりだったこと、そして時が経ち宗教の中で規範として定義がされ、それが近代規制にまでいたり、西洋文化を取り入れた日本にまで波及してしたこと。あらゆる法や規制はその時代における社会から生まれ引き継がれていくものであり、推論も含め日本における性規制がどういった経緯でなりたってきたかが見れるもので満足している。 このえっちなことだけに限らないが、ただ脳死で規制をと言うのではなく、背景や実際の影響を調査し、考え、俯瞰して見ることが大事だなとしみじみ。

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2022/05/12

twitter上でのフェミニズムを名乗る活動が概ね反ポルノ活動であることに興味を覚え、そもそもなんで猥褻が悪いとされているのよ?と読み始めた本でした。性道徳に最も行動を抑圧されているのは女性であるという認識を持っていて、フェミニストを名乗る人々の活動と整合しないからです。 (以...

twitter上でのフェミニズムを名乗る活動が概ね反ポルノ活動であることに興味を覚え、そもそもなんで猥褻が悪いとされているのよ?と読み始めた本でした。性道徳に最も行動を抑圧されているのは女性であるという認識を持っていて、フェミニストを名乗る人々の活動と整合しないからです。 (以下内容) 性のタブー化、猥褻表現の禁止に時代を超えた必然性はなく、特定の宗教的信念の発露に過ぎないという立場で性表現規制がどうあったかを見ていく本。 まず猥褻という概念がその起源においては性と無縁であったこと、西洋の貴族階級がスムーズな財産相続のために婚姻外の生殖を避けたことの2点からスタートし、いかにして性が社会にあるべきでないとされてきたかを概観する。 猥褻概念の歴史的分析では性のタブー化が古くは家の財産を保全する慣習、時代が下って宗教の戒律、青少年の保護(何からの?)と変遷してきたことから、時代を超えた必然性がないことが示される。 また、英米の猥褻表現を巡る裁判を参照し、米の反ポルノ活動が婦人参政権運動のイメージアップ戦略の一環であったこと(平行して反アルコール運動は禁酒法へ結実した)、猥褻表現規制がプライバシー権や成人に責任能力を求める態度と矛盾し、「道徳的に脆弱な」女性・未成年者の保護の為とされたこと、作品の社会的価値を司法が判断するのは無理があること、キンゼイ・レポートの果たした役割についても説明される。

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2021/03/04

西洋の歴史を辿りながら卑猥とは?卑猥の歴史を解説していく内容。ただ、国語力のない自分にはちょっと難しかったです。笑 ですが、「えっち」なのはなぜいけないのか? 暴力については表現の規制は受けないのに人類が繁殖していく上でほとんどの人が経験する「えっち」は規制を受けるのか?という点...

西洋の歴史を辿りながら卑猥とは?卑猥の歴史を解説していく内容。ただ、国語力のない自分にはちょっと難しかったです。笑 ですが、「えっち」なのはなぜいけないのか? 暴力については表現の規制は受けないのに人類が繁殖していく上でほとんどの人が経験する「えっち」は規制を受けるのか?という点について最後まで読み進めると理解が深まります。 1番最後のまとめが何気にすとん、と心に落ち面白かった。

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2019/12/26

猥褻表現がいかにして規制されるに至ったか、さまざまな視点から歴史を紐解いて考察しており勉強になった。

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2019/02/11

表現の規制に関する考察が述べられており、大変参考になった。規制の推移に納得感があり、無理なく理解できた。

Posted byブクログ

2018/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

猥褻の定義が時代と共に変節してきた。筆者はインターネットの拡大により、日本では実質的に性表現規制は無意味になっていると考えている。 そして、日本ではどうして今だに性表現規制を推進しているのか?筆者の結論は「政治・経済上の主導権争いの中で行われてきた規制を、道徳や品位の言葉ですり替えている」ということです。

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2018/02/01

何かの書評に載ってて気になっていた本。日本より英米での経緯が中心なのは肩透かしを食らった感もあるが、明治期に西欧からその規範を継いだとするならまあよいか。 個人的に一切の表現規制は反対という立場もあるけど、性表現に限っても人の機能に備わったものを社会全体で規制する根拠が薄弱なこと...

何かの書評に載ってて気になっていた本。日本より英米での経緯が中心なのは肩透かしを食らった感もあるが、明治期に西欧からその規範を継いだとするならまあよいか。 個人的に一切の表現規制は反対という立場もあるけど、性表現に限っても人の機能に備わったものを社会全体で規制する根拠が薄弱なことがわかる。現在のそういものを忌避する文化的背景から見たくない人知りたくない人が避けられるようにするのが関の山かと。 後は規制派の最後の砦、政治的主体足り得ない青少年への規制スキームの評価だけど実質的に難しいんだろうな。

Posted byブクログ

2017/11/25

性への嫌悪・忌避は、もともと特定の階級や宗教においてのみ保持されていた規範が、庶民にも適用される過程で生まれてきた。道徳以前に、上層階級においては男性系の財産相続継承問題であり、恋愛と結婚は別だった。 断片的に知っていたことを、体系づけられて、なるほどと思いました。社会的タブー...

性への嫌悪・忌避は、もともと特定の階級や宗教においてのみ保持されていた規範が、庶民にも適用される過程で生まれてきた。道徳以前に、上層階級においては男性系の財産相続継承問題であり、恋愛と結婚は別だった。 断片的に知っていたことを、体系づけられて、なるほどと思いました。社会的タブーは、常に増え続けているような気がします。解除は外圧みたいだけれど。

Posted byブクログ