獣神サンダー・ライガー自伝(上) の商品レビュー
2020年1月4日、5日に連日開催される新日本プロレス東京ドーム大会。 平成を駆け抜けた名レスラーの引退試合が行われる。 獣神サンダー・ライガー。 自伝上巻では、1964年の誕生から2000年までの活躍が記される。 ジュニアヘビー級の開拓者「炎の飛龍」藤波辰巳に憧れた少年...
2020年1月4日、5日に連日開催される新日本プロレス東京ドーム大会。 平成を駆け抜けた名レスラーの引退試合が行われる。 獣神サンダー・ライガー。 自伝上巻では、1964年の誕生から2000年までの活躍が記される。 ジュニアヘビー級の開拓者「炎の飛龍」藤波辰巳に憧れた少年は、プロレスラーになるため高校卒業後単身メキシコへ。 身体が小さく入門基準に満たないため、まずは軽量級のプロレス王国での活躍を期してのことだった。 異国の地で新日本プロレスの「鬼軍曹」山本小鉄と運命的な出会いを果たし、晴れて新日本プロレスに入門。 厳しい練習で自身を鍛え上げ、念願のデビューを果たす。 海外武者修行を経て、憧れの覆面レスラーへの「変身」を発表。 「山田恵一はリバプールの風になった」 その舞台こそ新日本プロレスが初進出した平成元年4月24日東京ドーム大会が、その「デビュー」の舞台だった。 偉大な先人との死闘。 凌ぎを削りあったライバルたちとの激闘。 ヘビー級への挑戦。 団体の垣根を越えた「夢の対決」の実現。 そこに一貫するのは、師匠山本小鉄の教え。 「レスラーは素人になめられたら駄目だ」 「だが、レスラーは偉くなればなるほど、頭を下げなきゃダメなんだ」 そして、道場での厳しい鍛えがあった上で、ファンを満足させるというプロフェッショナルの姿勢。 50歳を過ぎ、引退を表明してもまだ尚、闘いの第一線に立ち続けるのは、「自分が一番楽しみたい」という、少年のような飽くなき探求心。 そして、道場での練習を何よりも大切にする「生涯青年」の心意気。 だから、彼の回りには世界中から人材がやってくる。 そして、彼には世界中からのオファーが続いて止むことがない。 「プロレスは自分の中で『もう、俺はいいよ!』ってくらい、腹一杯になるまでやったほうがいい。腹一杯じゃないのに辞めるから、また復帰とかそういうみっともないことするんだよ」 著者はかつて「風雲昇り龍」天龍源一郎にこう言われたという。 平成時代を駆け抜けた「リビング・レジェンド」の最終章まであと僅か。 最後の最後まで「世界の獣神」は全力疾走を続ける。
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ジュニアヘビー級の生きる伝説。バラエティー番組などでおなじみだが、世界中のどのリングに上がっても観客が沸き、選手らがあこがれる存在。エンターテイメントな外見と試合をしつつ、懐に持つ"強さ"を磨きあげる、といった、昭和のプロレスファンに嬉しい価値観をお持ちで、氏...
ジュニアヘビー級の生きる伝説。バラエティー番組などでおなじみだが、世界中のどのリングに上がっても観客が沸き、選手らがあこがれる存在。エンターテイメントな外見と試合をしつつ、懐に持つ"強さ"を磨きあげる、といった、昭和のプロレスファンに嬉しい価値観をお持ちで、氏の視点から見た新日本プロレスでの出来事に対する見解は、とても納得感が深い。 氏は、ジュニアヘビー級という、興行のメインではないポジションだが、それを自由度として活用し、団体を超えた選手によるトーナメントや、各団体のチャンピオンを集めた統一王座イベントなど、数々の仕掛けをしてきた。これらの実績は、もっと評価されてよい。
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獣神サンダーライガー選手のデビュー前から1990年代までをインタビュー形式で振り返ったもの。 自分が見てた頃の新日ジュニアを振り返っていたので、懐かしくて面白かった。
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- ネタバレ
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“リビングレジェンド”という言葉が 誰よりも相応しいプロレスラー、獣神サンダー・ライガー の自伝。新日本プロレスのスマートフォンサイトで連載さ れていたインタビュー集を加筆・訂正し、さらに素顔の 山田惠一時代を加えたモノ。 ライガーが山田惠一としてデビューしたのは1984年のこ とだから、そのキャリアは30年を余裕で超えている。 同じようなキャリアの選手は他にも居るが、決定的に違う のはライガーが今も第一線である、ということ。例えば今、 IWGPジュニアヘビー級選手権が他団体に流出するようなこ とがあれば、ファンからは絶対にライガー待望論が起こる ハズ。本人も認めている通り、体力や技術では今の若い選 手には及ばないが、そういうものを超越した絶大なる 「信用」をファンから勝ち取っているところが凄い。そし てその状況は日本だけでなく、プロレスのある世界のあら ゆる国に及んでいるのだから、これを生ける伝説と呼ばず になんと呼ぶのか・・・。 ・・・ライガーのことならもうエンドレスに書き続けること が出来るのだが、そうなると下巻で書くことが無くなって しまうのでこのあたりで。つまりこの作品はそんなレジェ ンド、ライガーが語る自らの半生。自身が最高のプロレス ラーなのに、感覚は僕らと同じプロレスファンそのまま。 僕らが想像するだけだしか出来なかった「夢のカード」を、 ライガーがどれだけ実現してくれたか・・・。そんな人の話 がつまらないワケが無い。 20年以上前、ある作家がライガーのことを「正しいプロ レスラー」と表した。“正しい”という言葉の捉え方は人 によって違うが、ライガーを正しいプロレスラーとするこ とに異論を唱えるプロレスファンはおそらく一人も居ない。 文字通り、「神」の言葉。読み終わればきっと、誰もが 信者になっている。 ・・・とにかく早く下巻を! いつなんだ、発売日(^^;)。
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