森と氷河と鯨 の商品レビュー
古本屋で110円本 状態もとても良くて、ホリダシモン。 ワタリガラス、というよりは ワタリガラスの神話をもつネイティブの生活圏の話 星野さんは写真はもちろん素敵だが、 実は文章がムードあって良い。 20代の頃に椎名誠さんや沢野ひとしさん、 中村征夫さん達と並んで 結構推してた時期...
古本屋で110円本 状態もとても良くて、ホリダシモン。 ワタリガラス、というよりは ワタリガラスの神話をもつネイティブの生活圏の話 星野さんは写真はもちろん素敵だが、 実は文章がムードあって良い。 20代の頃に椎名誠さんや沢野ひとしさん、 中村征夫さん達と並んで 結構推してた時期がありました。 懐かしい青春のころを思い出す。
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実際、カメラを構えて自然と向き合うと、写しているものとは別に、自分の中に入ってくるものがある。それは人によって言い方がちがうけれど、「何かが在る」という感覚で、そういうものを言い表すためにインディアンの叡智を借りたのではないだろうか。
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『〝クジラ〟強調月間始めました!』15 第15回は、星野道夫さんの『森と氷河と鯨』です。 1995年刊行の名著『旅をする木』の翌年(逝去された年)に刊行されています。 星野さんは、アラスカを中心に、手つかずの大自然の厳しさ・美しさを追い続けました。写真家として数々の写真...
『〝クジラ〟強調月間始めました!』15 第15回は、星野道夫さんの『森と氷河と鯨』です。 1995年刊行の名著『旅をする木』の翌年(逝去された年)に刊行されています。 星野さんは、アラスカを中心に、手つかずの大自然の厳しさ・美しさを追い続けました。写真家として数々の写真集を出版する傍ら、著作も多くあります。その文章には、自然や動植物、そこに暮らす人々の営みなどが美しく静謐に描かれ、とても惹かれます。 『旅をする木』は、私が再読を繰り返す、数少ない本の一つでもあります。 さて、本書にもふんだんに写真が入っており、「鯨の神話は宇宙を漂う」の章を中心に、鯨に太古の気配を感じながら、神聖なものとして写し描かれます。P.76の夕景の写真は余りにも美しく、P.240の遺跡の様にそびえ立つ鯨の骨は神々しく感じます。個人的には、若干スピリチュアルな雰囲気が強い気はするのですが…。 星野さんの著作を読むと、現代俗世の人間世界のしがらみ・物欲など、そんな些細なことに悩む自分が、随分見すぼらしく、つまらない者に思えてきます。無人島に持参する本は、星野道夫さんで決まりですね。 43歳の若さで悲劇の死を遂げた星野さん。最後の記録となった本書は、刊行(死後)26年経ても色褪せません。 意図したわけではなく、偶然なのですが、解説は池澤夏樹さん(本企画第14回著者)です。
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クリンギッド族エスター・シェイ「クリンギッド語を心の中にしまい、しっかりと鍵をかけてから40年が経った。自分の口からクリンギッド語が出てくるか心配だった。」 ワタリガラスの神話を抱いてアジアから新大陸、アラスカへ。 アサバスカンインディアンの古老ピーター・ジョン「チョウツィン」=...
クリンギッド族エスター・シェイ「クリンギッド語を心の中にしまい、しっかりと鍵をかけてから40年が経った。自分の口からクリンギッド語が出てくるか心配だった。」 ワタリガラスの神話を抱いてアジアから新大陸、アラスカへ。 アサバスカンインディアンの古老ピーター・ジョン「チョウツィン」=愛する 「人生とは何かを計画しているとき、起きてしまう別の出来事のこと」(シリア・ハンター)
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すごく良い本だった 自分がどこかにワープして浮いてるような感覚になる 遠く遠くに飛ばされるというか いかに自分のいまの生活が、機械的で整然としていて、生命というものから離れていて、人間として鈍くなっているかを感じた 土地に関すること歴史的な部分の補足情報はあまりなかったので、理...
すごく良い本だった 自分がどこかにワープして浮いてるような感覚になる 遠く遠くに飛ばされるというか いかに自分のいまの生活が、機械的で整然としていて、生命というものから離れていて、人間として鈍くなっているかを感じた 土地に関すること歴史的な部分の補足情報はあまりなかったので、理解が追いつかないなという部分もあったけど
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目に見えるものに価値を置く社会と、目に見えないものに価値を置くことが「できる」社会の違いを、僕は思った。 星野さんの綴る文章と少しの写真で、遠い海の向こうの大自然とそこで生命を紡いできた人たちの生活を覗き見することができる。 ずっと手元に置いておきたい本のひとつ。
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物語は原住民のアサバスカン族やハイダ族の先住民が、伝承しきた「ワタリガラスの神話」をテーマとしています。 ワタリガラスの伝説を追うというとても興味深いテーマですが、事故によりこの世を去ったことで完成されぬままそのテーマは終わりを迎えました。 古くから現地に住む民族であるインディ...
物語は原住民のアサバスカン族やハイダ族の先住民が、伝承しきた「ワタリガラスの神話」をテーマとしています。 ワタリガラスの伝説を追うというとても興味深いテーマですが、事故によりこの世を去ったことで完成されぬままそのテーマは終わりを迎えました。 古くから現地に住む民族であるインディアンのシャーマン的人物・ボブとの出会いにから、インディアンの精神世界に急速に引き込まれていく様子がとても印象的な一冊です。アラスカの自然美から、もっと深いところへ旅を続けたことで生まれた一冊です。 ボブとの出会いのシーンは、文章でありながら本当に音が止まったかのような世界が拡がり、精神世界の深いところを旅している感覚を味わえます。 この本の完成形を読みたかった。
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20210629 シンプルで飾らない言葉と写真。 だけれども愛と感動を感じられるストレートな表現。 お酒を飲みながら縁側でゆっくり読みたい本。 正直本の内容の全てがわかった訳では無いけれど、事実としてワタリガラスの伝説を広い地域の人が信じていて、けれども時代と共に何万年と続いて...
20210629 シンプルで飾らない言葉と写真。 だけれども愛と感動を感じられるストレートな表現。 お酒を飲みながら縁側でゆっくり読みたい本。 正直本の内容の全てがわかった訳では無いけれど、事実としてワタリガラスの伝説を広い地域の人が信じていて、けれども時代と共に何万年と続いていたストーリーが消えてしまっている。 これを否定的に捉えるのではない。けれど失われる前にどうにかして遺しておきたいと思い彼は旅をしたのだろう。 星野道夫が亡くなって25年。私が生まれるより前だ。まだまだ撮りたい写真、書きたい言葉、知りたい世界があったのだろう。彼の言葉はまだ新鮮で新しい。
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アラスカ世界に散らばるワタリガラスの神話を追って、魂は太古の時代へと遡ってゆく。彼らエスキモーやインディアンのルーツは、ベリンジアを渡ってきたモンゴロイドと言われているが、旅の途中、海岸線に住む一派は異国から漂流したアジア人がルーツだという伝承に出会う。その中にはアイヌや和人も混...
アラスカ世界に散らばるワタリガラスの神話を追って、魂は太古の時代へと遡ってゆく。彼らエスキモーやインディアンのルーツは、ベリンジアを渡ってきたモンゴロイドと言われているが、旅の途中、海岸線に住む一派は異国から漂流したアジア人がルーツだという伝承に出会う。その中にはアイヌや和人も混じっていたかもしれない。ワタリガラスを追い、シベリアに渡った直後にこの手記は途絶えている。星野さんは熊が好きだったらしい。アイヌの伝説には、熊に殺された人間は、熊の結婚相手として神の国に貰われるという言い伝えがあるそうだ。
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【いちぶん】 その話を聞きながら、目に見えるものに価値を置く社会と、見えないものに価値を置くことができる社会の違いをぼくは思った。そしてたまらなく後者の思想に魅かれるのだった。夜の闇の中で、姿の見えぬ生命の気配が、より根源的であるように。 (p.54)
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