凍った夏 の商品レビュー
子供の頃の記憶、セピア色に染まった場面の一つ一つには、単なる“郷愁”ではない過去が潜む。 〈新聞記者ドライデン シリーズ〉第四作。 今回は主人公ドライデン自身の過去に触れることに……。 新聞記者が探偵役を務めるこのシリーズ。 ロンドンから訳あって少し田舎の町イーリーへ移住した...
子供の頃の記憶、セピア色に染まった場面の一つ一つには、単なる“郷愁”ではない過去が潜む。 〈新聞記者ドライデン シリーズ〉第四作。 今回は主人公ドライデン自身の過去に触れることに……。 新聞記者が探偵役を務めるこのシリーズ。 ロンドンから訳あって少し田舎の町イーリーへ移住した主人公は、そこで起こる事件について、この地の自然に巻き込まれながら一話ごとに解明していく。 結構お気に入りでこれまでの三作はいずれものめり込むように読んでしまった。 ただ、この四作目についてはそこまでの思いは抱けなかった。 探偵役が当事者の一人になる場合が、好みではないのかもしれない。 でも、 一作目は「水の中」 二作目は「火の中」 三作目は「土の中」 そして、今回の「凍る死体」のインパクトも、凄かった。
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主人公が人々に次々とインタビューを繰り返す中で、ことの真相が少しずつ明らかになっていくというタイプのお話。主人公がジャーナリストなので一昔前のネオ・ハードボイルドを連想した。ミステリ的には真相にちょっとしたツイストが仕込んであるのだけれど、作者さんは冒頭から手の内をさらけ出してし...
主人公が人々に次々とインタビューを繰り返す中で、ことの真相が少しずつ明らかになっていくというタイプのお話。主人公がジャーナリストなので一昔前のネオ・ハードボイルドを連想した。ミステリ的には真相にちょっとしたツイストが仕込んであるのだけれど、作者さんは冒頭から手の内をさらけ出してしまう。真相で読者を驚かせてやろうなどとは少しも考えてないらしい。ロジックもお呼びじゃないしね。でも、惹句には「端正な英国本格ミステリ」とある。まあ当方の認識の方が間違ってるんだろうなあ。
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3+ タイトルだけ見て夏の物語だと思って8月から読み始めたが、メインは記録的大寒波到来中の極寒の真冬。本の中の季節感など想像力でどうとでもなるとは言え、残暑厳しい現実とのギャップは著しく、なかなか読み進められない。冬の物語は冬に読んだ方がより浸れるよなあとしみじみ思う。
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新聞記者ドライデンシリーズの第四弾。 凍死か自殺か。 しかし取材の訪れた新聞記者ドライデンは疑問を感じる。 さらに別の男性が凍死する。 二人とも孤児院での虐待の証人として名乗りをあげていたたのは、偶然なのか。 まさか。 さらに調べていくと、 驚いたことに、その二人とドライデンは友達だった。 ひと夏だけだったが。 ドライデンの唯一の子供時代の夏。 そこで起こった殺人事件の冤罪の証人でもあった。 その思い出の保養所へ、休暇を望んだローラと泊まりに行く。 もう一人の証人がいるという情報をちらつかせながら、 謎を追いつめていく。 ドライデンの過去に関わる話になったのも意外だったが、 勝手に孤児院の話になるのかと思っていたので、 保養所の話になっていくのも意外だった。 最後にローラと船で暮らすことになったのも意外だったし。 それにしても、 極端な寒さとしても、電線の鉄塔が着氷のせいで倒れたりするもの?
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ずっと読み続けているシリーズ。 原題The Coldest Blood は読了後はネタバレ?とも感じる。ドライデンは新聞記者なので捜査権は持たない、従って搦め手からまわりこんで行くしかないからどうしても展開が複雑になる。あれが伏線だったか、と後になって気付くこともよくある。今作は特に(こちらの理解力記憶力の低下かも)登場人物紹介のページを何度もひっくり返した。ミステリにはカタルシスが欲しい。それが得られないとなんだか消化不良。 ローラはこの先どうなる? それが気になって次作もまた読むのだろう。
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それぞれに重量のある出来事が積み重なっている印象。いささか詰め込み過ぎかもしれないが。 ドライデン・シリーズの4作目ということだが、初めて読んでも特に支障はなかった。 ただ、ドライデンとローラにもう少し重心をかけてほしかったなあと思うのは、ここまでの経緯を知らないせいだろうか?
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