誰もボクを見ていない の商品レビュー
興味深く読めた。 が、後半に親の支援も大切という話題がありつつも超重要人物である母親の行動や背景はほとんどわからないままなので新聞の取材ってこういうところあるよなあとも思った。
Posted by
この事件をきっかけに愛着障害という言葉を知りました。 残念ながら子どもをもってはいけない人って一定数いる。 こんな家族が本当にいるのかと思うくらい信じられない世界。 当時これだけの大人が周りにいながら、最後まで助けられなかった日本の社会が、今は変わっていることを願って。
Posted by
2014年、当時17歳が祖父母を殺害した強盗殺人事件をライターのノンフィクション 最後の20ページ位、貧困な子供を法律に基づいて行政の支援方法などが書かれてます 見抜けなかった支援団体や保育現場の方々への批判 は違和感がありました。 ノンフィクションドラマと思ったけど手記で...
2014年、当時17歳が祖父母を殺害した強盗殺人事件をライターのノンフィクション 最後の20ページ位、貧困な子供を法律に基づいて行政の支援方法などが書かれてます 見抜けなかった支援団体や保育現場の方々への批判 は違和感がありました。 ノンフィクションドラマと思ったけど手記でした。
Posted by
祖父母を殺した少年事件の話。記憶にあるような気がしていたけど、たぶん、ネット上で記事を見たのかもしれない。 小学5年生から学校には通わず、ホームレースになり母と妹のために働いていた少年。 お金を得るために祖父母を殺せと母親に言われて殺した。 読めば読むほど、欝々としか...
祖父母を殺した少年事件の話。記憶にあるような気がしていたけど、たぶん、ネット上で記事を見たのかもしれない。 小学5年生から学校には通わず、ホームレースになり母と妹のために働いていた少年。 お金を得るために祖父母を殺せと母親に言われて殺した。 読めば読むほど、欝々としかしない。 色んな虐待ものを読んだけど、最終的に『子供が死ぬ』パターン読んだことがあっても、『人を殺す』パターンは初めてだなと思った。 でも、親子関係というのはある種の『強力なマインドコントロール』が出来てしまう関係だと思うので、なんでもできるんだなと思った。 怖いのは、書いてある事がある程度事実だとすると、少年はかなり賢くて勤勉な人間だなと思える。 この親の元に育たなければ、もっと有望な将来があっただろうにと思えるほどには、賢い。逆に書いてある事が全て少年の嘘だとしても、少年は賢い。 相手がどう思うのかが分かっていないと、他人をだますことは出来ないのだから。 事実か嘘かは、一旦脇に置く。 少年は母親にこれでもかというほど、振り回されている。保護の手が差し伸べられても、唐突に引っ越しを決めふらりと家を出る母親について行く。暴言や暴力は当たり前で、性的虐待まである。 そして、妹に対する『暴力の強要』までされている。 これでもかというほどの、虐待のフルセットにお腹がいっぱいです。 同時に、『どうやったら、そんな母親になるのか』の方が気になった。 本に書いてあるのは、『母親には会えなかったので、どんな人物か分からない』という事だけ。 周囲の話から、母親の親(祖父母)は「普通の人で、子供(母親の事)を可愛がっていた」という話だったということだけ。 だったら、なにがどうしてこんな人間になれるのだろうか。 子どもを働かせて、子供に対して『お前のせいで生活が苦しい』と責めたて、お金を用意させる。 虐待としては、ありきたり……なのかもしれないが、親のその思考をどうにかしなければ、子供は救われない。 少年はまだ若くやり直しの機会がいくらでもあるが、母親はまだ『妹』に接触する可能性があり、妹を風俗で働かせて少年の代わりをさせる可能性がある。 少年の事件は人を殺して終わりになったけど、妹にはまだ終わらない悪夢が残っている可能性がある。 次に死ぬのは、『妹』の可能性もあるわけで……そしてそれはきっと、『事件』にはならないかもしれない。 少年の事件の話なので、『少年にたくさんの支援者がいる』という話で終わりになったが、私はそれより『妹』と『母親』が再び接触する可能性があると書いてある方が、ホラーだと思った。性風俗に沈められる娘は注目を浴びない。 救われない。 親の権利が強すぎて、子供は踏みつぶされるだけ。
Posted by
17歳の少年は、その日のお金を工面するためだけに祖父母を殺害。 彼の生活は両親、妹と共に、学校に行けない、ホテルや野宿暮らしの生活を4年も続けていた。 両親からの身体的、性的、心理的虐待の中、それでも母親に従うしかなかった彼への長期にわたる洗脳。 殺害したのは彼かもしれないが、そ...
17歳の少年は、その日のお金を工面するためだけに祖父母を殺害。 彼の生活は両親、妹と共に、学校に行けない、ホテルや野宿暮らしの生活を4年も続けていた。 両親からの身体的、性的、心理的虐待の中、それでも母親に従うしかなかった彼への長期にわたる洗脳。 殺害したのは彼かもしれないが、その環境から助けられなかった社会にも問題がある。 自分の子どもには、何ができるか。 子供のためにどんな社会を作りたいか、できることを始めたい。
Posted by
2014年3月、埼玉県川口市で発生した強盗殺人事件。 70代の老夫婦が当時17歳の少年(孫)に殺された。 殺害の動機は、金目当てだったと報じられた。 日々目にする新聞には、切り取られた一部分しか掲載されてない。 それ以前の少年の生い立ちやそのときの様子も詳しくは知らなかった。 ...
2014年3月、埼玉県川口市で発生した強盗殺人事件。 70代の老夫婦が当時17歳の少年(孫)に殺された。 殺害の動機は、金目当てだったと報じられた。 日々目にする新聞には、切り取られた一部分しか掲載されてない。 それ以前の少年の生い立ちやそのときの様子も詳しくは知らなかった。 今回改めて少年犯罪の本質に迫るノンフィクションを読み、当時の毎日新聞には「居所不明児 無援の年月」という見出しで掲載されていたことを知った。 ここ数年、居所不明児となる児童を聞くが、それは親が子どもを捨てたり、もともと戸籍がなかったり…だとばかり思っていたが、この件は母親と一緒に行動を共にしながら学校へも行かずに野宿したりホテルを転々としていたことだ。 過酷な境遇で育った少年は、本来事件前に福祉行政が保護すべき「被害者」だった。 誰もが気づかずに見過ごしていたが故に、じわじわと追い詰められ事件を起こし「加害者」となった。 なぜ母親から離れなかったのだろうか。 母親にコントロールされている部分が大きかったように感じるが、信頼できる大人と接する機会が極端に少ない気がした。 社会的に孤立している状態である。 どこにも居場所がない…そんな子どもが少しでも減ればと思う。
Posted by
事件の検証をする事は大切なこと。ただし、そこから何かを学んで不幸を繰り返さないシステムを作らなきゃって思う。 提言されているネットワークには手がつけられているの?居所不明児童の捜索は継続しているの?昼間に公園にいる子に声をかけて、学校だけじゃなく地域からも居場所を奪う事になってし...
事件の検証をする事は大切なこと。ただし、そこから何かを学んで不幸を繰り返さないシステムを作らなきゃって思う。 提言されているネットワークには手がつけられているの?居所不明児童の捜索は継続しているの?昼間に公園にいる子に声をかけて、学校だけじゃなく地域からも居場所を奪う事になってしまったらどうしたらいいの?母親の方はそろそろ刑期が終わりそうだけど、妹さんの無事は担保されるの? 読後のモヤモヤが止まらない。
Posted by
SNSで見かけて図書館で予約した本。 ブクログに登録してから知ったんですが、映画になっていたんですね。 川口市で実際に起きた祖父母殺人事件の加害者である当時17歳の少年に焦点を当てたノンフィクション。 前半は少年の生い立ちから事件発生までが時系列に描かれており、母親の酷さに眉を...
SNSで見かけて図書館で予約した本。 ブクログに登録してから知ったんですが、映画になっていたんですね。 川口市で実際に起きた祖父母殺人事件の加害者である当時17歳の少年に焦点を当てたノンフィクション。 前半は少年の生い立ちから事件発生までが時系列に描かれており、母親の酷さに眉を顰めながら読みすすめ。 後半は裁判記録とその判決をベースにして専門家の意見をまとめたもの。 後半部分を読んでいて思い出したのが、以前読んだ本にあった「服役者を納税者に」という一文(違ったらごめんなさい」 なぜ国はこういうところに予算を使えないんだろう?と不思議になる。児相のやりとりがFAXと読んで思わずため息がもれた。 筆者は公的機関を批判してないが、どう考えてもこんな状態では子供も親も救えないのではないのだろうか。 とにかく読んでいて辛い本だった。
Posted by
前半は読むのがとても苦しく、もう途中でやめてしまおうかと何度も思った。 それでも読み進め、少年の手記の箇所に辿り着き、そのとき、この本を手にとって本当に良かったと思った。ただ暗い気持ちになって終わりではなく、読後悲しみややりきれなさのなかにも、なにか澄んだものが自分の中に残ってい...
前半は読むのがとても苦しく、もう途中でやめてしまおうかと何度も思った。 それでも読み進め、少年の手記の箇所に辿り着き、そのとき、この本を手にとって本当に良かったと思った。ただ暗い気持ちになって終わりではなく、読後悲しみややりきれなさのなかにも、なにか澄んだものが自分の中に残っているのがはっきりと分かった。 憎しみや悲しみを投げやりにぶちまけることなく、(本当はそうしてほしいとも思う)、分解し、再構築できる透徹さ。その上で自分自身の悲しみもきちんと尊重し、譲らない部分は決して譲らないという矜持。 言葉に言葉を重ねる慎重さ、滲み出る優しさ。 振り返れば彼を救えたタイミングというのはいくつもあったであろうことがやりきれない。 15年という月日はあまりにも長い。 判決には納得できない。 それでもこの聡明さがあればきっと大丈夫だと思うから、手に入れられなかったものや失われた年月を心に抱えながらもどうか生きていってほしいと勝手ながらも願ってしまう。 そしてこの少年が何かを記しているのであれば、私はいつかそれを読んでみたいと思う。
Posted by
映画「mother」でこの事件を知り、事件のことを書いた本があることを知った。新聞記者である筆者が取材で得た事実や証言を淡々と綴っている。彼が体験した地獄のような日々、今も抱える苦しみは想像することが難しい。罪を償った後の残りの人生を自分らしく生きていけることを祈るしかない。
Posted by