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女たちの避難所 の商品レビュー

4.2

84件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2025/02/02

東日本大震災での避難所生活を元にしたお話。非常事態の中では、女子供の立場はとても弱くて、地方はより男尊女卑なんだと思う。現実に近いだけにゾワゾワしながら読んだ。特に夫を亡くした嫁を兄弟にって、戦後か!と腹ただしかったが、実際にあったのかもしれない。

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2024/10/27

東日本大震災の同じ避難所に集まった年代の違う三人の女性の話。 信じられないことだが、せっかく届いた間仕切りを、年配の男性リーダーが、「同じ避難所にいる我々は家族同然だから、間仕切りを使うなんて水くさい」と、設置を許してくれず、授乳や着替えなど、毛布の中でこっそり行っていたと言う。...

東日本大震災の同じ避難所に集まった年代の違う三人の女性の話。 信じられないことだが、せっかく届いた間仕切りを、年配の男性リーダーが、「同じ避難所にいる我々は家族同然だから、間仕切りを使うなんて水くさい」と、設置を許してくれず、授乳や着替えなど、毛布の中でこっそり行っていたと言う。これは実際に何ヶ所かであったそうだ。 このことに限らず、田舎では、男尊女卑が根強く残り、女は意見を言うことすら許されない。 読んでいる間中、ムカムカしてたまらなかった。能登半島地震の避難所では、少し改善されたのだろうか? 東日本大震災の時は、やたらに、日本人は避難所でも譲りあっている、暴動を起こしたりもしないし、素晴らしい民族だ、みたいに報道されていたけれど、実際はそうでもないと改めて感じた。

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2024/10/20

/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/  いきなり、スタートが衝撃でした。 震災が発生するところからスタートで、ドキドキ感が伝わってきて、吸い込まれていきました。 3人の主人公が交互に展開していく形で、どの主人公たちもつらい境遇。 そして、ほとんど、男がダメ...

/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/  いきなり、スタートが衝撃でした。 震災が発生するところからスタートで、ドキドキ感が伝わってきて、吸い込まれていきました。 3人の主人公が交互に展開していく形で、どの主人公たちもつらい境遇。 そして、ほとんど、男がダメ。 やっぱり、男はダメだ、、、女性が男といるメリットはあるんだろうか、と、この作品でも痛感させられました。 とくに、田舎の男たちが、ほんとダメな感じで描かれていて、もう、男の私でも憎しみが湧いてくるような感じでした。まだ、いるのかな、、、こんな人たち(T . T) 最後に向けて、思うような展開になっていくので、ホッとしました。今の若い女性は、しっかりと収入を確保することと、結婚にこだわらないことですね。子ども欲しくても結婚せずに子ども産む選択肢を探した方がいい。ほんと、結婚なんて、期間決めてやるべきだなと、この作品を見ても思いました。 なかなかに、震災現場の辛さが伝わってきて、なんともいえない気持ちになります。死生観、しっかり考えないとだめですね。 /_/ あらすじ _/_/_/_/_/ 3人の女性が主人公。 震災によって、人生が大きく変わって行ってしまう。 私と対面することで、死生観をつよく意識するようになり、新しい一歩を踏み出していく。 /_/ 主な登場人物 _/_/_/  椿原福子 55歳、ダメ夫を持つ、スーパーで被災 山野昌也 少年、渚息子 山野渚 40歳、1人親 漆山遠乃 うるしやまとおの、28歳、生後6ヶ月の子を持つ母、自宅で被災、白雪姫

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2024/10/02

垣屋美雨作品らしい、学びのある一冊。 “絆”を盾に、支援物資として届いている段ボールの仕切りも使わせない避難所。そこにある男尊女卑。垣屋さんの小説なら、もしや、と思ったら、やはり事実を基に書かれた小説であった。 人間は難しい。

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2024/08/07

多分こんな女性がたくさんいたんだろうな 田舎だから男尊女卑なのかと思っていたけど、震災の時は顕著になるのかもしれない 津波の時の描写がリアルでつらかった 最後の手紙が泣けた

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2024/07/28

いつもは痛快軽妙な垣谷さんの本 読んですぐに震災の題材と知り、クスッと笑えるいつもの垣谷節はいつ出てくるのかと期待がなくなると同時に強がらないと踏ん張れない弱き女性の哀しさとどうにもならない怒りが募ってきました。 何度も読む本ではなく、何人もの老若男女に呼んで欲しい本だと思います...

いつもは痛快軽妙な垣谷さんの本 読んですぐに震災の題材と知り、クスッと笑えるいつもの垣谷節はいつ出てくるのかと期待がなくなると同時に強がらないと踏ん張れない弱き女性の哀しさとどうにもならない怒りが募ってきました。 何度も読む本ではなく、何人もの老若男女に呼んで欲しい本だと思います。

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2024/05/29

これまでに起きた日本での震災をベースに書かれたフィクションだけどノンフィクションのような小説。 ここに描かれたこと、津波からの生還、別れ、古い田舎町ゆえに残る家父長制やモラハラ、正義や善意の皮を被った独裁、女性=時と場合によってはまだまだ弱者であること、なんかは少しずつ形を変えて...

これまでに起きた日本での震災をベースに書かれたフィクションだけどノンフィクションのような小説。 ここに描かれたこと、津波からの生還、別れ、古い田舎町ゆえに残る家父長制やモラハラ、正義や善意の皮を被った独裁、女性=時と場合によってはまだまだ弱者であること、なんかは少しずつ形を変えても実際にあったことなのではないか、と容易に想像することができる。 また、政府支援や義援金、救援物資の対応の鈍さや、実際に欲しいものが行き渡らないジレンマなどは、経験した人にしかわからないことで、テレビ越しに知ることには限界があるよなぁとまざまざと感じた。 主な登場人物である三人の女性は年齢も背景も当然異なるが、それぞれがそれぞれに傷ついて、やがて立ち上がる様子が清々しい。 今もどこかで頑張っているかな…と考えてしまうほどに、リアルだ。

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2024/05/04

東日本大震災で被災した宮城県の某市(架空都市)。 そこで暮らしていた、パート主婦の福子、小さな飲食店を経営する渚、赤ん坊を抱える遠乃。 三人の女性の視点から、物語は進む。 福子が被災してから命が助かるまでの描写が壮絶だった。 以前、東日本大震災を題材としたドラマを見たとき、福子...

東日本大震災で被災した宮城県の某市(架空都市)。 そこで暮らしていた、パート主婦の福子、小さな飲食店を経営する渚、赤ん坊を抱える遠乃。 三人の女性の視点から、物語は進む。 福子が被災してから命が助かるまでの描写が壮絶だった。 以前、東日本大震災を題材としたドラマを見たとき、福子のように泥水の洪水の中、浮いているものや樹木にしがみついて男性が生き延びるシーンがあったことを思い出した。 遠乃は赤ん坊を抱えいるものの、20代で若く、福子が「白雪姫」と称するような美人だ。そんな遠乃が被災で夫を亡くし、義理家族や避難所の男性たちから性的被害になんども遭いそうになる。 夫が生きている間は遠乃を守ってくれていたが、その夫がいなくなったとたんの男たちの浅ましさよ。おぞましい。 私は渚と同年代で、小学生の子供がいる。 自分のせいで子供がいじめられていたと気付き、自分自身も地域の人達からよく思われていなかったことが浮き彫りになっていく過程、私も胸が潰れる思いだった。 渚への差別的な発言(離婚家庭、水商売にたいする偏見)や、親が主導する形での子供同士のいじめなんて、ありえない!と都会の人たちは思うかもしれない・・・でも、本当にあるんですよ。 私が生まれ育ったのは東北の中でも比較的人口の多い市ですが、大人が二人集まれば妬みや噂話ばかり。 今は、新幹線やネットも整い、地方から東京に遊びに行くことも容易になったので、今の若い大人世代は都会同様に推し活とか楽しいこともできるから、そういうのはないかもしれない。 他方で、自在に都会に遊びに行くこともできない娯楽の少ない時代を生きた東北の老人たちは、今でもこの本に書いてあることが悪意ある誇張ではないほどに、偏見と意地悪心、支配欲のようなものに取り憑かれて生きているのです。 避難所では、人間関係が形成されるものの、安全な地域に家族親戚がいて頼れるような人は、次々と避難所を出ていく。 避難所の中でも格差はあるのだ。 頼りになりそうな人として登場した山崎先生が、大きな改革を起こすでもなく、あっさりといなくなってしまったのも、なんかリアルだなぁと思った。 どんなに立派な人がいても、多勢に無勢。高齢者に避難所生活を長く続けさせることはできないのだろう。 「絆」「家族」「一心」を合言葉に人のプライバシーを奪い、仕切りすら作らせない老害たち。 どんな言葉を並べても、根底にあるのは支配欲と、自分がすべて把握したいという欲だろう。 この「自分がすべて把握していたい」という欲に、「支配欲」「庇護欲」のような適切な短い名前はあるのだろうか?とても厄介な欲。「支配」までいかなくても、こういう感情や欲望を持っている人は本当に多いのだから。 この本の3人の女性たちとその子供は、従来の「避難所」「仮設」を出て、別の場所に独自の避難所を作ることができた。でも、そんなに運の良い人ってきっとあまりいなかっただろう。それを思うと、自分が被災することが怖くなる。 今年(令和6年)1月1日に発生した能登半島地震では、その後避難所の様子がテレビで取り上げられることが多かったように思う。 おそらく、東日本大震災でのこのような反省、教訓が生きて、その時よりもプライバシーや人権に配慮した避難所生活を送ることができていると思いたい。 この本を読んで、もし私がこの本のような震災被害にあい、運良く生き延びることができたとしたら、その地域の避難所にとどまるのではなく、こどもを連れて早めに実家など安全な地域に避難しようと強く思った。 そう思ったら、実家の存在のありがたさを痛感した。

Posted byブクログ

2024/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東日本大震災の話。 椿原福子、山野渚、漆山遠乃。 3人の女性の視点で、被災の瞬間から避難所生活、その後までが細やかに描かれていく。 僕は楽しい本を選びがちだが、読書による擬似体験で「想像力」を養う、というのはとても大切なことだと感じた。 僕は阪神・淡路大震災で27歳のとき、1週間ほど小学校で避難所生活を送った。 そのときの避難所には、作者の垣谷さんが本作を書くきっかけになったという「仕切り」などなかった。 その当時の僕は、「仕切りはない方が・・・」と説かれればそんなもんなのかと思っただろうし、「プライバシーの確保に仕切りは必要」と訴えられたら、それはそうだろう、と思ったことだろう。 どっちやねん、という感じだが、今なら、本作が「避難所」から「女たちの避難所」に改題され、しんどくなるほどしっかり書かれている福子の夫に対する不満、遠乃の舅や義兄に対する憤り、彼女たちの置かれている理不尽な状況がよく分かるようになった。 フォロワーさんとのやりとりがなければ、本作を手に取らなかったと思うので、まずはそこに感謝したい。 「想像力」と、それが自分に欠けているのではないかと自戒する気持ち、他者への「配慮」、それらを、自分が追い詰められているときに持ち続けることができるかどうか。 自問させられた作品であった。

Posted byブクログ

2024/04/11

震災にあい命からがら避難所へ。でもそこは決して居心地の良い安全な場所ではありませんでした。3人の女性目線で描かれたそれぞれの苦悩や思い、まだまだこれが日本の現実なのだと思い知らされました。最後は3人が新しい未来に向かって歩き出せて良かったです。

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