日本の夜の公共圏 の商品レビュー
いつも聴いているpodcastの番組に著者の谷口功一さんがゲスト出演していて、「日本の水商売ー法哲学者、夜の街を歩く」という近著の紹介をされたのですが、その際、本書についても触れられました。 こちらの方が先行して世に出た著作で、「サントリー文化財団」が助成金を出した際に話題に...
いつも聴いているpodcastの番組に著者の谷口功一さんがゲスト出演していて、「日本の水商売ー法哲学者、夜の街を歩く」という近著の紹介をされたのですが、その際、本書についても触れられました。 こちらの方が先行して世に出た著作で、「サントリー文化財団」が助成金を出した際に話題になった法学・政治学・行政学などの専門家・教授陣による多角的な考察とのことで興味を持ちました。 各執筆者が自身の専門領域を基点に自由に論考を拡げているので、様々な切り口からの思いも寄らぬ気づきが得られました。なかなか面白い試みの著作ですね。
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・日本のカフェの歴史と純喫茶の違いに関する言及が面白い。フランスのいわゆる文化カフェと、日本のカフェって全く別物。初期の日本のカフェは、もともとかなり安い給料だったそうで、チップをいかにもらうかが要だったと。そのために風俗としての側面が強かったらしい。風呂場のあるカフェまであった...
・日本のカフェの歴史と純喫茶の違いに関する言及が面白い。フランスのいわゆる文化カフェと、日本のカフェって全く別物。初期の日本のカフェは、もともとかなり安い給料だったそうで、チップをいかにもらうかが要だったと。そのために風俗としての側面が強かったらしい。風呂場のあるカフェまであったというから驚き……だけど時代背景とともに書かれていて妙に納得。純喫茶に対し、カフェは特殊喫茶、という位置付けだったそうな。 ・スナックの原型はカフェ(特殊喫茶)。カフェに対する取り締まりが厳しくなり、そこからスナックが広がっていった。 ・スナックがお酒を飲むための場所ではなく、コミュニティとして機能しているという点にめちゃくちゃ未来を感じた。ある種SNSと近く、同じ共通言語を持った人たちが集う場所。「同じ地域に属している」という人たちが集えるわけで、一人で言ってもその場に溶け込めるのが特徴ともいえる。 ・バー:終夜営業可能、お酒を提供する ・スナック: 終夜営業は不可、お酒以外の軽食(スナック)も出す cf. 芸術サロンを作るための情報収集として
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6/21はスナックの日 日本に十万軒以上もあると言われるスナック、「夜の公共圏」。 驚きの研究成果が一冊に!
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あまりお酒を飲まないし、飲み会のようなお付き合いとも縁が薄いのでスナックにはおそらく1度しか行ったことがありません。 自分の生活とは縁遠いスナックですが、最近興味を持ったところにこの本を知り、一読。 スナックの歴史から、開業の仕方まで様々論じられており、面白かったです。
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スナックの歴史、法的位置づけ、立地に関する統計分析などをまとめた一冊。序説ならではの「いいとこ取り」のような気もするが、かなり面白い。 人口当たりのスナック件数の上位は宮崎県、青森県、沖縄県、長崎県、高知県となりパブやバーが都市部に多いのと対称的である。なお、最下位は奈良県である...
スナックの歴史、法的位置づけ、立地に関する統計分析などをまとめた一冊。序説ならではの「いいとこ取り」のような気もするが、かなり面白い。 人口当たりのスナック件数の上位は宮崎県、青森県、沖縄県、長崎県、高知県となりパブやバーが都市部に多いのと対称的である。なお、最下位は奈良県である。 歴史的には「カフェー」を源流としつつ、法的規制をかいくぐるための変容を経て現在の姿になったという。どうもネガティブ・リストに基づいて定義づけられるようだ。 「荷風が通ったこのカフェー・タイガーでは、女給の人気投票があった。ビール一本を買うと投票券一枚がくるというどこかで聞いたことのあるようなシステムである。菊池寛はお気に入りの女給に投票するためにビールを150本(1本60銭)も購入し、飲み切れるわけがないので車で持って帰った。この珍事件を荷風は…「田舎者の本性を現したり」と辛辣なコメントを書きつけている(『断腸亭日乗』1929年4月5日条)。公共圏におけるはしたない振る舞いを嗤っているのである。」 すごく菊池寛っぽいエピソードで笑った。
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僕はお酒を飲めませんので、あまり行ったことはないですが、スナックは好きです。昔会社の先輩に連れられて行ったスナックのポテトサラダが美味しかったのです。この本では、公共性と書いてありますが、スナックの良さは覆面性だと思います。スナックで客同士や店員と客の交流も深まるようですが、基本...
僕はお酒を飲めませんので、あまり行ったことはないですが、スナックは好きです。昔会社の先輩に連れられて行ったスナックのポテトサラダが美味しかったのです。この本では、公共性と書いてありますが、スナックの良さは覆面性だと思います。スナックで客同士や店員と客の交流も深まるようですが、基本的には、相手の素性が分からないところが良いのでは、と思います。だからこそ自分(その人)も、色々と雄弁に語れるのではないでしょうか。
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スナックはどんなまちに行ってもあるという観点から関心を持った。スナックについて研究を行ったまとめ。 スナックの法規制について調べることで、いかにスナックの創業を行うかなどがわかる。 コミュニケーションの訓練をする場としてのスナック。 スナックは、以下のことと負の相関関係を持つ。他...
スナックはどんなまちに行ってもあるという観点から関心を持った。スナックについて研究を行ったまとめ。 スナックの法規制について調べることで、いかにスナックの創業を行うかなどがわかる。 コミュニケーションの訓練をする場としてのスナック。 スナックは、以下のことと負の相関関係を持つ。他の市区町村への通勤者数。自治体の実質収支比率や財政力指数。公共施設の数。 もののあわれ論などとからめてスナックについて語っており、学生の頃に読んでいても理解できなかったと思う。
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学生様に読んでもらおうと思って買ってみたけど、おもってたのとちょっと違った。温泉学会とかと同じタイプのノリね。法学者中心なので、法的規制その他が第一部のネタ。社会学者も対抗してほしい。
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日本各地に存在するスナック。そのスナックについてはじめて学術的に研究した図書。スナックの規制、歴史、文化、現状などを様々な専門家が考察している。 個人的に面白いと思ったのが、スナックは普通の社会では交わらないような人が対等な形で出会う場としてスナックが機能しているという点。そのた...
日本各地に存在するスナック。そのスナックについてはじめて学術的に研究した図書。スナックの規制、歴史、文化、現状などを様々な専門家が考察している。 個人的に面白いと思ったのが、スナックは普通の社会では交わらないような人が対等な形で出会う場としてスナックが機能しているという点。そのためスナックはサードプレイスになりうるし、人々が緩やかにつながる公共圏と考えられるらしい。 最後の論考は「スナックの立地と機能」でこちらも興味深い。ハローページからのスナックの集計や夜間地上光画像などのデータから昼の図書館、夜のスナックという二つの社交の場が相互補完的に立地していると推察できるそう。スナックは図書館と同様、公共圏としての機能があるらしく初めて知った視点だった。 スナック行ってみないとなぁ…
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スナックをこよなく愛する人文社会学系の若手研究者らが、各自の研究領域×スナックという変わった切り口で、これまで本格的に論じられたことがないスナックという場の意義を語った論文集。メンバーが凄くて、憲法・情報法学で知られる宍戸常寿東大教授が参加していることに驚く。 白眉なのは「スナ...
スナックをこよなく愛する人文社会学系の若手研究者らが、各自の研究領域×スナックという変わった切り口で、これまで本格的に論じられたことがないスナックという場の意義を語った論文集。メンバーが凄くて、憲法・情報法学で知られる宍戸常寿東大教授が参加していることに驚く。 白眉なのは「スナックの立地と機能―昼の公共圏と夜の公共圏」という論文で、統計学的手法から、昼の公共圏である図書館や公民館と犯罪発生件数に正の相関があること、同じように実はスナックと犯罪発生件数にも正の相関があることが示される。住民同士のコミュニケーションが犯罪発生件数を減少させるという仮定に基づくと、スナックが実は夜の公共圏とも言える役割を果たしていることが明らかになる。 個々の論文に加えて、スナック研究で知られる都築響一を招いた対話会も、参加者各自のスナック愛が見れて非常に面白い。
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