探検家の日々本本 の商品レビュー
チベットの奥地、ツアンポー渓谷で死と隣り合わせの遡行を経験した筆者は、自然とは死であると思い至った。 しかし、ある本を読んだことで、母親にとっては子を自らに宿すことは、自然それすなわち生ではないかと思い至る。 男にとっては、自らの命を代償にして自然へと分け入っていかなくて...
チベットの奥地、ツアンポー渓谷で死と隣り合わせの遡行を経験した筆者は、自然とは死であると思い至った。 しかし、ある本を読んだことで、母親にとっては子を自らに宿すことは、自然それすなわち生ではないかと思い至る。 男にとっては、自らの命を代償にして自然へと分け入っていかなくては生死を感じることができないという結論を得る。 そして身重の妻に「だから山に行ってきます」と言って妻を置いて山に行くことに顰蹙を買うのだ。 探検家の三大北壁とは就職、結婚、出産である。 その度、真っ当な社会生活を送るか、探検に身を投じるかの選択を迫られる。 結婚もした。子供もでいた。 それでもなお探検をし続ける作者が、読書を通じて思考する。 探検家の視点だと、この本にはこういう読み方もあるのか、と思わせる。 自分の人生を変える本に、筆者は出会った。 俺も人生を変える衝撃を得られる本に出会えるだろうか。
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