トオリヌケ キンシ の商品レビュー
図書館本 場面緘黙の子、虐待、座敷童子、偽物のお母さんなどなど。 短編集。 読みやすい。目のつけどろが面白い。
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この作者お得意の、事情を明かされるとこれまで読んでいた世界がガラッと違った世界に見えてくるお話が6つ。 話のミソに“他の人とちょっと違う疾病や感覚”があって、その使われ方にちょっと無理筋を感じる話もあったが、ソウボウシツニンにもめげず可愛い彼女(これがまたシュウケイキョウフ)との...
この作者お得意の、事情を明かされるとこれまで読んでいた世界がガラッと違った世界に見えてくるお話が6つ。 話のミソに“他の人とちょっと違う疾病や感覚”があって、その使われ方にちょっと無理筋を感じる話もあったが、ソウボウシツニンにもめげず可愛い彼女(これがまたシュウケイキョウフ)との関係が微笑ましい「フー・アー・ユー?」と、ハンクウカンムシのおじいちゃんを巡って周囲の人が温かい「座敷童と兎と亀」が良かった。
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いい!! 短編が繋がっていてストーリーが展開していくのですがそういう物語好きです! 不思議な繋がりとか感じられます!おすすめ!
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加納朋子のトオリヌケキンシを読みました。 病気や症候群をテーマにした短編が6編収録されています。 一番気に入ったのは平穏で平凡で、幸運な人生でした。 形から音につながる共感覚を持っている女性の物語でした。 普段は特に役に立つわけでもないのですが、いざというときに幸運にもその能力...
加納朋子のトオリヌケキンシを読みました。 病気や症候群をテーマにした短編が6編収録されています。 一番気に入ったのは平穏で平凡で、幸運な人生でした。 形から音につながる共感覚を持っている女性の物語でした。 普段は特に役に立つわけでもないのですが、いざというときに幸運にもその能力が役に立ちます。 そして、最後の短編が無菌病棟から生還した加納朋子の実体験を元にした物語でした。 加納朋子が生還して新しい物語を読むことが出来る幸運を慶びたいと思いました。
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短編集なので、感想文を書くのが難しいのですが... 一冊通しての印象は、やはり「心ほっこり系」かな(^ ^ 全編通して、割と淡々とした文体で、 さらりと読めるが内容は意外と重い。 巻末の解説を読んで初めて気づいたが、 通底する共通項は「珍しい病気・障害・体質」。 ネガティブなだ...
短編集なので、感想文を書くのが難しいのですが... 一冊通しての印象は、やはり「心ほっこり系」かな(^ ^ 全編通して、割と淡々とした文体で、 さらりと読めるが内容は意外と重い。 巻末の解説を読んで初めて気づいたが、 通底する共通項は「珍しい病気・障害・体質」。 ネガティブなだけではないので、病気とは限定できず。 物語の主役たちは、ちょっと変わった症状を抱えていて、 そのおかげで「社会」とちょっと普通じゃない 関わり方をしている。 そのおかげで、ちょっと普通じゃない事件とか 「現象」とかに遭遇することになる。 本作で重要なのは、主人公の「周辺人物」の存在。 それぞれに活躍したり、別の障害を抱えていたり、 おせっかいを焼いたりと、主役との関わり方はまちまち。 だが全編通して、周辺人物のおかげで話は進み、 物事は解決に向かっていく。 全てがハッピーエンド、とはならないが、 それでも「前向きな終わり方」が描かれて 読後感はとてもさわやか(^ ^ 難病からの政官経験を持つ作者だからこそ 生み出せた愛おしい作品たちであろう(^ ^
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病や悩みを抱えながら、でも最後はみんな幸せになっているから良かった。バッドエンドだったら、読むのを途中でやっめていたかも。 作者の方が大病した経験があることを知らなかったけど、やはり病気をした前と後では、考え方が変わるだろうな。 そういう視点で、病気前の作品も読んでみたい。
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どんな日常の延長にも必ず仄かな幸せが存在する.通底する人間賛歌と生への喜び.いずれの短編集も落涙を禁じ得ない,ああ,これぞ物語也.
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きっと人は、自分が周りと違う部分を見つけては悩んで、苦しんでいるんだと、この小説を読んで思った。もちろん、私だってその一人だ。 加納さんはそんな人たちを、持ち前の優しさで救い上げていく。 タイトルのように、トオリヌケキンシの袋小路に迷いこんでしまったとしても、出口はあるのだと背...
きっと人は、自分が周りと違う部分を見つけては悩んで、苦しんでいるんだと、この小説を読んで思った。もちろん、私だってその一人だ。 加納さんはそんな人たちを、持ち前の優しさで救い上げていく。 タイトルのように、トオリヌケキンシの袋小路に迷いこんでしまったとしても、出口はあるのだと背中を押してくれる。 きっと、きっと、大丈夫。
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素晴らしかったです。 短編集で、連作ではないけれど、最後の話でのみそれぞれのその後が垣間見える構成になっています。 場面緘黙症や、共感覚、相貌失認など、最近少しずつ知名度の上がってきたものを取り入れながら、大仰にし過ぎず、かといって軽んじることなく、この作者らしい優しく温かな文...
素晴らしかったです。 短編集で、連作ではないけれど、最後の話でのみそれぞれのその後が垣間見える構成になっています。 場面緘黙症や、共感覚、相貌失認など、最近少しずつ知名度の上がってきたものを取り入れながら、大仰にし過ぎず、かといって軽んじることなく、この作者らしい優しく温かな文章で物語を綴られています。 どのお話も好きですが、『フー・アー・ユー?』が一番可愛らしくて好きかな。 『空蝉』や『座敷童と兎と亀』とも好きです。
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「はるひのの、はる」において加納さんは「病気の経験が本書になった訳ではない」という趣旨の事を書かれていましたが、逆にその経験が存分に活かされたのがこの作品ではないでしょうか。様々な病気や症例を巧みにプロットにとりいれて、登場人物と読者のココロを温かく包み込む物語が織り成されていま...
「はるひのの、はる」において加納さんは「病気の経験が本書になった訳ではない」という趣旨の事を書かれていましたが、逆にその経験が存分に活かされたのがこの作品ではないでしょうか。様々な病気や症例を巧みにプロットにとりいれて、登場人物と読者のココロを温かく包み込む物語が織り成されています。 何かが欠けていても、違っていても、まずはそれを認めよう。愛してみよう。小さな幸せは、ひょっこりと、しかし必ずやってくる。そんな事を押し付けがましくもなく、説教臭くもなく、ごく自然に書いてしまう加納さんは凄い方だと思います。 そんな訳で、本来は絶賛したい所なのですが、「空蝉」の前半の描写があまりにキツすぎてねえ…。勿論最終的にはフォローされるのですが、個人的には立ち直れませんでした。底のさらに底を経験された加納さんにとってはそうでもないのかもしれませんが、アマアマな人生を送ってきた当方にはいささか堪えました。ひとつ前の「平穏で平凡で、幸福な人生」が素晴らしかった(映像化されませんかねえ、「世にも奇妙な物語」とか)だけに、鬱々とした感情が読了後まで尾を引いてしまったのは何とも勿体なく思えました。
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