富山市議はなぜ14人も辞めたのか の商品レビュー
悪を追い詰める描写だが、議員個人の責任よりも政務活動費を流用できるシステムに問題があるように見える。
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富山市議はなぜ14人も辞めたのか ――政務活動費の闇を追う 単行本(ソフトカバー) – 2017/5/26 富山市議会で、数の力をバックに議員報酬を増額するお手盛り条例案が可決された。それに疑念を抱いた地方TV局の記者たちが、さまざまな圧力と闘いながら膨大な資料を分析、政務活動費の不正を暴き、議員たちはついにドミノ辞職へと追い込まれる──。全国に波及した白紙領収証問題の大スクープはいかにして生まれたのか。迫真のルポ。 私達、国民はこのようなチューリップテレビが行った調査報道を望んでいる 2017年9月24日記述 チューリップテレビ取材班による作品。 2017年5月25日第1刷。 富山県を放送エリアにするTBS系列局。 1990年(平成2年)開局。従業員73人(2017年4月現在) 本社所在地は高岡市、富山市に放送センター。 取材からアナウンス、分業制を取れるほどの余裕のない中、多くの業務をこなしつつ報道に向かう記者、アナウンサーに好感を持った。 報道制作局長、服部寿人(はっとり ひさと)・・ この局長は原発問題や整備新幹線の光と闇を見つめ続け TBS報道特集などで報道し闘う報道、弱者目線の報道を 掲げて部員を鼓舞してきたのだという。 今回の報道はこの局長がいなければ実現出来ていなかったのではないのかと思えた。 思い切りやれとトップが発破をかけれずして現場が力を発揮できるはずがない。 昨年2016年に富山市議会の議員による政務活動費の不正使用問題は全国報道でも取り上げられた。 *~人目辞職!と言った感じで新聞記事で見かけた事を覚えていた。 ただ個人的にあまり熱心に記事を読み続けていなかった事もあり本書を読むまで自分の認識が甘かったなと反省している。 そしてチューリップテレビの地道な調査報道が不正、腐敗が進みつつあった富山市議会を清浄化することに貢献したのだ。 だいたい定員40を38へ減らすといった所で議員報酬を月60万円から70万円へ 引き上げることはおかしい。 地方自治体の借金も国同様に相当な金額だからだ。 十分な審議無し、結論ありきの議会・・ 住民を舐めているとか思えない。 国民感覚を持たない人間が議員をやってどうやってニーズに答えるというのか。 しかもチューリップテレビの情報公開請求を 自民党中川勇氏に伝えていたなど行政側の怠慢にも腹が立つ。 消費者、生活者、有権者の視点が全くもって欠落している。 普段、既存マスメディアは記者クラブでの発表モノを追いかけることに熱心になってしまいこういった不正、腐敗を報道することを忘れてやしないだろうか。 私達、国民はこのようなチューリップテレビが行った調査報道を望んでいる。 この事をメディアで勤務される方は改めて認識していただければと思う。 読売新聞の特集記事でアメリカでの地方紙の衰退が 地方の議会、議長が不正に報酬をアメリカ大統領よりも高額にしていた実態を長年報道できずにいたという事を紹介していた。 調査報道は地方紙、地方メディアが社会にとって必要なんだということを国民、住民に理解してもらうまたとないものだ。 全国のメディアの方もめげずに頑張って欲しいと思う。 また政務活動費の情報公開請求も地域によっては閲覧のみ(東京都)とかオープン度合いが不十分だ。 コピーもお金がかかる。 PDFで公開するべきであろう。 また政務活動費も100人も入れない公民館で300人も集め政治報告会を行ったというパターンが広く取られていた。 領収書だけではなく資料、当日の写真も一緒に報告させるなど改善を行って欲しい。
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議員報酬の引き上げをきっかけに発覚した政務活動費の不正疑惑から、ドミノ式に14人の富山市議が辞職に追い込まれた一連の流れを、チューリップテレビ取材班メンバーが時系列に沿ったルポ形式で本にまとめたもの。
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「はりぼて」の文面補足。一晩読了。 あとがきの「良心」については、 「なぜ君は総理大臣になれないのか」のワンシーンを彷彿とさせる。向き不向き。
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映画「はりぼて」の副読本として。 その後の砂沢記者・五百旗頭キャスターの異動や退職を知って読むと尚更味わい深い
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チューリップテレビすごい。 ほかのメディアも本当はこうありたいはず。 と、信じたい。 メディアの政治に対するチェック機能は大切だ。
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富山市議会にはびこっていた政務活動費の不正を地道な取材で暴いたチューリップテレビ取材班の記者たちの「闘いの記録」。非常に良質なルポタージュとなっている。報道の力、可能性を感じさせたくれた。
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富山の地方テレビ局が、富山市議会の政務活動費に関する不正を暴いていく一部始終を纏めた本。 強く感じたのは、不正を見付けるのには何かとても難しいことをしなければいけない訳ではないということ。 本著では、チューリップテレビの取材班が情報公開制度を使って議員の膨大な伝票を洗っていき、...
富山の地方テレビ局が、富山市議会の政務活動費に関する不正を暴いていく一部始終を纏めた本。 強く感じたのは、不正を見付けるのには何かとても難しいことをしなければいけない訳ではないということ。 本著では、チューリップテレビの取材班が情報公開制度を使って議員の膨大な伝票を洗っていき、そこから不正の種を見つけていきます。つまり、ちょー大変だけど、不正を見付けるのは意外に誰でも(マスコミでなくても)できてしまうこと。 そこから裏取りをしっかりして、議員本人にも直撃して…というくだりはマスコミでないとやりづらいかなと思いますが、不正の種までは見付けられるあたり、情報公開制度はしっかり整備されてきたということでしょう。 かつ、それを使って不正を見付けて糾弾する人がいることで、何とか規律めいたものが維持されている面はあるのだと思います。 この事例がチューリップテレビしかできない特別なものになってしまうのではなく、市民サイドがやるべきコトの一つとして認知されていくことを願います。
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巻末の解説は不要かと。 謝罪+返金+辞職:逮捕すらされない議員たち。 幹部の謝罪:公民館が政治活動には使えないにもかかわらず、市政報告とセットの領収書を通すという、どう考えてもグルな市の職員。 最高裁の統治行為論のオマージュな市長。 富山や自民・民進党が悪の巣窟とは思っていません。こんな稚拙なだましが通用してしまうのはどうかと思いましたけど。 チューリップテレビもスクープ抜き合いからは身を引いて、どうすれば再発を防げるか、性悪説に立った制度を整備すべきかの提言へ移行して欲しかったのです。
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面白い!富山市の市議会議員の報酬を10万円引き上げる事に端を発した議員の不正、隠蔽工作を追った富山市のテレビ局のドキュメンタリー。 事件を追ったスタッフが書いているため、非常に臨場感があり、正義感に突き動かされて、読者を引き込ませる。 しかし富山市議会議員というのもなんともお粗...
面白い!富山市の市議会議員の報酬を10万円引き上げる事に端を発した議員の不正、隠蔽工作を追った富山市のテレビ局のドキュメンタリー。 事件を追ったスタッフが書いているため、非常に臨場感があり、正義感に突き動かされて、読者を引き込ませる。 しかし富山市議会議員というのもなんともお粗末。数億、数十億の額であれば一族の名に恥じる行為にも手を染めてしまう事もあるだろう、恐らく誰でもそうだ。しかしここで暴かれているのは数十万円、多くても数百万円、たったこれだけの額の為に後ろ指さされる行為をしてしまうとはなんとも情けない。そもそもの発端の議員報酬引き上げもたった10万円の為に疑惑を持たれてしまうとは、、、。恐らく田舎の老人がやっている事で、昔からこうなってる。とその考え方でやったのだろう。昔はなあなあで良かったのかもしれないが現代では通用しないだろう。
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