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P・O・S の商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

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2018/01/15

POS(ポス)は『ポイント・オブ・セールシステム』の略。 コンビニチェーン「キャメルマート」の社員・小山田昌司は、スーパーバイザーとして店舗指導に当たるとき、このPOSデータを大きな指針としていた。 ある日彼は、業績悪化のため店長が降格人事となった「キャメルマート京洛病院店」の立...

POS(ポス)は『ポイント・オブ・セールシステム』の略。 コンビニチェーン「キャメルマート」の社員・小山田昌司は、スーパーバイザーとして店舗指導に当たるとき、このPOSデータを大きな指針としていた。 ある日彼は、業績悪化のため店長が降格人事となった「キャメルマート京洛病院店」の立て直しのため、臨時の店長として、東京から単身赴任することになる。 現在の店長は若松。 病院内という特殊な立地を本部に訴え続けていたが、担当のスーパーバイザー・平(たいら)は聞く耳持たず、無理なノルマを押し付けられて売り上げが伸びなかった。 外に出られない入院患者に「行楽弁当フェア」はつらい。 糖分を制限された小児患者に「アイスクリームフェア」はかわいそう。 病院は特殊な空間だ。 京洛病院店の現正社員は、店長の若松研一と西野緑。 若松は、院内スタッフにも店舗スタッフにも信頼され、代わりとして本部から派遣されてきた昌司への緑の当たりはきつい。 昌司は、信条とするデータ至上主義で売り上げの向上を目指そうとするが、ゴミ箱に意外なものが捨てられていたり、特殊な要望を訴えるお客様が現れたり。 軽く、いい話に、緑に後押しされて巻き込まれ、昌司はデータ主義から次第に人間を見るよう変わっていく。 途中から、なんだか「思い出探偵」みたいに? 完璧に見える医師たちにも乗り越えるべき壁があり、平も意外な本音を語る。 昌司自身も変わっていく中、気がかりの解決がひとつづつ新商品の開発に結び付くのも面白い。 お仕事小説で、探偵物で、病院もの。 終わり方が実に気持ち良かった。 第一話 さびしいサッカーボール 新品のサッカーボールとシューズが捨てられていた。 第二話 にがい猫缶 ペットも家族。 はからずも被害者と加害者になった人たちの心の傷。 第三話 熱きおまけ ヒーローは戦い続ける!

Posted byブクログ

2017/11/26

恐らくは他の方とは評価の基準が違うため 参考にはならないとは思いますが 私にとって この一冊が今年最高の一冊となりました。 表面だけを見ていてもわからない人間の善意。 日々を暮らす人の数だけ 異なる善意の形があることを この作品から知りました。 「数値は嘘を...

恐らくは他の方とは評価の基準が違うため 参考にはならないとは思いますが 私にとって この一冊が今年最高の一冊となりました。 表面だけを見ていてもわからない人間の善意。 日々を暮らす人の数だけ 異なる善意の形があることを この作品から知りました。 「数値は嘘をつかない。でもそれは過去を示すものとしての正しさであり 大多数のニーズは拾えても ひとりひとりの思いに答えるものではない」 自分が追い詰められてきた仕事のこととも重なり 大いに励まされた言葉です。 支えながら支えられる。人を思いながら思われる。 ここに登場するすべての人の心がつながり お互いに寄り添い寄りかかってゆくのを見ているうちに 心の底から元気が湧いてきました。 なんて素晴らしい人間讃歌なのでしょう。 綿密に描かれた作品の完成度とともに もはや脱帽です。 このところ本を読む時間も心の余裕もなかった私への ひと足早いクリスマスプレゼント。そう思っています。 この作品の隅々にまで目を配っている作者の視野と包容力に 私の心が舌を巻きました。

Posted byブクログ

2017/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「白砂」「時限」といった刑事物が好きだった半面、「京都西陣シェアハウス」のようなハートウォーミングな人情ものは(個人的には)ちょっと微妙な印象。 けれど「京都西陣〜」と比べれば主人公に嫌な印象がない分、本作は読みやすい方でした。登場人物にも悪い人がいなくて安心して読むことができます。 ただ、理想通りに話が流れすぎることにも起因するのですが、全体に漂う青臭さがちょっと苦手ではあります。あとは重箱隅ですが、バルカンカードの「生命流転」コンプ報酬は、景品表示法のカード合わせに当てはまるのでは……

Posted byブクログ

2017/09/11

おせっかいで温かい、病院の中のコンビニのお話。 新任店長の小山田さん、データ重視なんて言いながら、人情味のある人柄なのがいい。 POSシステムは、昔、バイトをやってた時に、客層ボタンがあったのを思い出した。性別と年齢層を即座に判断してレジ打ちの時に登録してた。 色んな人がコンビニ...

おせっかいで温かい、病院の中のコンビニのお話。 新任店長の小山田さん、データ重視なんて言いながら、人情味のある人柄なのがいい。 POSシステムは、昔、バイトをやってた時に、客層ボタンがあったのを思い出した。性別と年齢層を即座に判断してレジ打ちの時に登録してた。 色んな人がコンビニキャメルマートに救われていたけれど、中でもやっぱり鵜飼さんのお話が胸にぐっとくる。

Posted byブクログ

2017/06/23

ハッピイエンドのあったかいお話 文章がもう少し練られてたらうれしいな コンビニの裏側をちょっとのぞいた気分 まあ現実にはないだろうけれど 今大きな病院には大体コンビニがありますよね お世話になりました ≪ 立ち寄って パジャマと白衣 それぞれが ≫

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2017/06/13

コンビニのスーパーバイザーである主人公が病院内店舗に引継店長として赴任して、ちょっとした不思議な出来事や客として訪れる病院関係者、入院患者たちの要望を執念で読み取ったり叶えていきます。 猫が不幸になるエピソードがあるので(過去の出来事としてですが)、動物が死ぬだけで地雷、という方...

コンビニのスーパーバイザーである主人公が病院内店舗に引継店長として赴任して、ちょっとした不思議な出来事や客として訪れる病院関係者、入院患者たちの要望を執念で読み取ったり叶えていきます。 猫が不幸になるエピソードがあるので(過去の出来事としてですが)、動物が死ぬだけで地雷、という方は気をつけてください。 それ以外は、王道でわかりやすくて面白かったです。

Posted byブクログ