政治を動かすメディア の商品レビュー
特に目から鱗のような言説があるわけではない。メディアと政治の関係について、皆漠然と思ってきた・思っていることが文章化されていて、それだけの価値はあるし、それ以上の価値はない。
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日経論説主幹と元東大総長によるマスコミ論。政治と世論、マスコミの役割やSNSの影響など、メディア一般について幅広く書かれている。政治とメディアについて、学術的な内容もあるが、ほとんどはマスコミ、特に記者の役割やあるべき姿について書かれており、著者として意見を論じている範囲は狭い。...
日経論説主幹と元東大総長によるマスコミ論。政治と世論、マスコミの役割やSNSの影響など、メディア一般について幅広く書かれている。政治とメディアについて、学術的な内容もあるが、ほとんどはマスコミ、特に記者の役割やあるべき姿について書かれており、著者として意見を論じている範囲は狭い。スクープを重んじるとか、政策に対するチェック重視など、賛同しかねる論調が多い。結局、報道機関の報道姿勢が反政府的報道を重んじたり、政治批判に固執しすぎており、そのビジョンがみえない。今後日本をよくしようという政府の姿勢にただ反対し、足を引っ張るばかりで、日本のためには悪としての存在感しか示していないと感じることが多い。左翼的イデオロギーのに基づく、大衆誘導も感じられるが、これもスクープを重んじたり、政策チェックと傘に着て行っているとしか思えない。もうすこし、政治家と同じ視点に立って社会を見て論じることを重んずるべきだと思う。 「(リップマン)政治についての的確な判断力を備えた公衆といったものはどこにも存在しない。人間は基本的に自分自身への関心によって支配され、身近なことについてはそれなりの合理的な判断をするが、政治といった自分から遠い事象については十分な情報もなく、スローガンや政治家を通して得た単純なイメージでしかそれを考えることができない」p4 「人民が決めなければならないのは具体的な政策課題ではなく「誰が決定を行うべきか」に究極的に絞り込まれる」p6 「「政治家による政治」が「政治家のための政治」に転落しないという保証はどこにもない」p6 「政治過程におけるテレビの影響力は、伝統的できまじめなハードニュースによるものより、娯楽志向の強いソフトニュースによるものの方が大きくなっているのは否定できない」p53 「気を付けなければならないのは、ワイドショーのコメンテーターなどにしばしば見られる傾向だが、政治的な駆け引きや取り引きの不透明さを必要以上に指摘したり、訳知り顔に政治をそもそもおぞましいものと言い放ったりすることだ」p53
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