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これまでの秘密に新たな秘密が加わる淫靡さ

気風のいい三十路の女編集者【高葉雫】がヒロイン。豪快な印象を受けながら、よくよく見れば女らしさもしっかり。この作者がよく描く女性像であり、「お相手」たる主人公が年下の少年というのも典型的ではある。しかし、この主人公【叶夢】が原稿を持ち込んできた漫画家であり、編集者と漫画家が男女の...

気風のいい三十路の女編集者【高葉雫】がヒロイン。豪快な印象を受けながら、よくよく見れば女らしさもしっかり。この作者がよく描く女性像であり、「お相手」たる主人公が年下の少年というのも典型的ではある。しかし、この主人公【叶夢】が原稿を持ち込んできた漫画家であり、編集者と漫画家が男女の仲になるのはご法度と自ら口にしながらそうなってしまう背徳感が雫の抱えた秘密となっていく。ただ、それ以前にタイトルのごとき5時(定時)には何があっても退社することにも秘密があり、このダブルの秘密と、普段は控えめでオドオドしている叶夢クンが一度酔っぱらうと荒ぶる凌辱魔のごとき別人に豹変することが官能面の淫靡さをぐんと底上げしている作品である。 定時退社後のカラオケルームで繰り広げられる荒々しい交合はいやらしいことこの上ない。仕事のデキる女ががっつり責め立てられ、悶絶の果てにM性まで見せ始めるギャップのいやらしさが全開である。しかも、ご法度と自覚しながら味をしめてしまった雫が何かと理由をつけては叶夢クンを呼び出し、テキトーに打ち合わせしては居酒屋へ連れ立ってガンガン酒を飲ませて酔わせる悪巧みまでしでかす始末。貪欲なアラサー女子の「分かっちゃいるけど止められない」感じがコミカルに描かれている。 しかしながら、終盤に現れた人気女流漫画家【火魅子】先生が事態をかき回す。おっとり無自覚系の天然っぽい感じではあるのだが、じんわり押しの強い人でもあり、何より当代随一の人気漫画家という「逆らえない人」でもあるため、いわゆる無敵キャラとして存在している。どうやら雫とは何かしらの因縁がありそうな火魅子先生だが、これにより雫と叶夢クンの関係には変化が生じ、最後には新たな展開も予兆されるという次巻への引きもまたバッチリである。

DSK