1,800円以上の注文で送料無料

京都の壁 の商品レビュー

2.7

11件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/02

京都ってどこか憧れとか非日常感とか色んな感情を抱かせてくれる土地であり良くも悪くも評価される。お高くとまってる、一見さんお断り、京ことば…。でも実は日本のどこにでもあることであり、それを凝集し上手にブランディングして、京都という土地での文化を守ろうとしている手段的なものであり、別...

京都ってどこか憧れとか非日常感とか色んな感情を抱かせてくれる土地であり良くも悪くも評価される。お高くとまってる、一見さんお断り、京ことば…。でも実は日本のどこにでもあることであり、それを凝集し上手にブランディングして、京都という土地での文化を守ろうとしている手段的なものであり、別に否定されるものではない。 情報化社会で、感情的文化的なものを失いつつある現代。東京のような都会が全てというような価値観。世界基準。統一化。そんなものに振り回されて、時間が矢の如く過ぎていき、人が何のために生きているのか分からなくなってしまった今、日本の古都、京都から学ぶことは多くある気がした。正しいことは何なのか、それは正しいとされていること、ではない。物事の本質を見極める力は、都会の中では生まれない。自然に触れ文化に触れ、そして人に触れ、感情を揺らして生きることで、身につけ時代を切り拓くことができる。 普段から思っているモヤモヤに対して、養老先生が語りかけてくれるような本で、楽しかった。 また京都に行って、日本人の故郷を感じたい。

Posted byブクログ

2023/05/01

母と同い年の著者によるベストセラー群、「壁」シリーズの京都版、か。 壁シリーズは何冊か読んだし、夫婦そろって大の京都オタクでもあるので、さっそく読んでみた。 うーん、期待したほどの面白さ、満足には届かなかったかな。 著者が館長を務めていたマンガ博物館には何度か足を運び、大いに感銘...

母と同い年の著者によるベストセラー群、「壁」シリーズの京都版、か。 壁シリーズは何冊か読んだし、夫婦そろって大の京都オタクでもあるので、さっそく読んでみた。 うーん、期待したほどの面白さ、満足には届かなかったかな。 著者が館長を務めていたマンガ博物館には何度か足を運び、大いに感銘を受けた。その館長経験が、著者と京都を最も関連付けた最大の由縁であるとの由。もしそうなら、此処まで「著者一人の視点から京都を論ずる本」を著すことそのものに、かなりの無理もあったようにも思うが、どうだろう。 京都の空気や京都人の性格、傾向については、中には「なるほど」と頷ける分析や論考もあるにはあったが、さりとてそれほどの独創性や新規性も感じない。 どうせなら、同じ古都でも、著者出生地にして今なお居住する鎌倉を題材に「鎌倉の壁」を書くべきだったのではないか。

Posted byブクログ

2020/08/04

タイトルからして、京都の閉鎖性もしくは、まさに京都の「壁」を批判する本かと思いしや、極めて常識的な内容で、「バカの壁」で一世を風靡した著者の本とは思えない。 「京都ぎらい」等の井上章一の執拗な、あくの強い文章を読んでいると、何と常識的な、平板な本のように感じてしまう。かなり期待を...

タイトルからして、京都の閉鎖性もしくは、まさに京都の「壁」を批判する本かと思いしや、極めて常識的な内容で、「バカの壁」で一世を風靡した著者の本とは思えない。 「京都ぎらい」等の井上章一の執拗な、あくの強い文章を読んでいると、何と常識的な、平板な本のように感じてしまう。かなり期待を裏切られた本である。 例えば、「京都の閉鎖性」については、「京都だけが特殊なわけではない。むしろ日本人特有の性質を、今も色濃く残しているのが京都ではないでしょうか」と、極めて遠慮がちに書いているというか、擁護している等々。 鎌倉生まれの鎌倉育ちの関東人の著者が、たまたま「京都国際マンガミュージアム」の館長になったので、それを契機に書いた本なので、特に京都の知見があるとか、こだわりがある訳ではないので、致し方ないと思う。 ただタイトルの「京都の壁」はいただけない。これは著者だけの責任ではなく出版社の意向もあるのだろう。

Posted byブクログ

2019/09/28

養老孟司の文章は分かりにくい。 話が飛ぶ。関連話、あるいは例として出てくるのだろうが、間にもう一つクッションがないと、つながりが分かりにくいのだ。自分の頭の中ではつながりの理屈がちゃんとあるのだろうけど。本当に適切な例なのかということもある。また、取り上げている他の人の言葉や本に...

養老孟司の文章は分かりにくい。 話が飛ぶ。関連話、あるいは例として出てくるのだろうが、間にもう一つクッションがないと、つながりが分かりにくいのだ。自分の頭の中ではつながりの理屈がちゃんとあるのだろうけど。本当に適切な例なのかということもある。また、取り上げている他の人の言葉や本に一見賛成しているように見えて、実はそうではなく皮肉ではないかと思われることもある。結局、分かる奴だけ分かればいいということだね。 今回は、気楽に書かれた京都論なので、すごく分かりにくいということはない。さて、わたしなりに内容をまとめよう。 京都は都市化、合理化されているようでいて、古い共同体が残っていて、隙間がある。それがいい。グローバル化、情報化に置いて行かれる感覚的なもの、身体的なもの、地域の個性などを失くしてはいけない。それが、京都であり、方言であり、マンガであるという。 漢字仮名混じり文、音訓読みといった日本独特の文字体系が完成した京都は、日本の伝統や特異性を表した街であり、言葉から感覚を取り戻すためのサブカルチャーとしてのマンガと通じるものがある。 京都に都が移ったのは、水資源を確保するためであった。 さて、詳しくは読んでのお楽しみ。

Posted byブクログ

2019/03/10

京都というよりは、日本の”都市”論がふさわしいかもしれません。 気に入った節は、 ノーベル賞や世界遺産などで大騒ぎするのはやめましょうということです。もうそろそろ日本人は自分たちで良いもの、たいせつなものを決めるくせをつけるべき

Posted byブクログ

2017/08/16

城郭が無いきだから、心に壁を作ったというのは面白い。ただ、心の壁はどの地方にもありそう。京都が人気があるから、周りのやっかみがあるんだろうな

Posted byブクログ

2017/07/17

やっぱり好きやなぁ〜。養老節 科学的指摘や文化的な見解など 縦横無尽に行き来しながら書いておられる。 ちょっと京都ベタ褒めなところはむず痒いけど 京都で一緒に 時間を過ごさせて頂いた人間としては嬉しい一冊 しかも最後にまとめのように 方丈記が挙げられているのは この上ない喜...

やっぱり好きやなぁ〜。養老節 科学的指摘や文化的な見解など 縦横無尽に行き来しながら書いておられる。 ちょっと京都ベタ褒めなところはむず痒いけど 京都で一緒に 時間を過ごさせて頂いた人間としては嬉しい一冊 しかも最後にまとめのように 方丈記が挙げられているのは この上ない喜び! 感謝です。

Posted byブクログ

2017/06/23

著者の目から見た京都のいろいろについて書かれています。京都国際マンガミュージアムの館長という仕事を通じて、外からの京都人を見る学者の視点という面白い見方で読むことができます。京都は長らく日本の中心だったのですから、日本の文化の良いところも悪いところも、そこから生まれたものが多くあ...

著者の目から見た京都のいろいろについて書かれています。京都国際マンガミュージアムの館長という仕事を通じて、外からの京都人を見る学者の視点という面白い見方で読むことができます。京都は長らく日本の中心だったのですから、日本の文化の良いところも悪いところも、そこから生まれたものが多くあるということ。京都に対して感じることは、実は日本人というものに当てはまるというここと。そりゃそうだと感じながら読ませていただきました。タイトルの壁がそうです。京都以外にも壁のある都市はありますよ。東京がちょっと例外ですが。 学者の視点で、日本人の鏡として京都を見ることで、自分を知ることができる一冊なのではないかと思います。

Posted byブクログ

2017/06/10

20170610 京都論というよりは日本論のような気がした。これからの日本がどうなっていったら良いかの参考になるのでは。でも、養老さんは京都が好きだという事は良くわかります。

Posted byブクログ

2017/05/27

京都の持つ他者を寄せ付けないあの雰囲気は,本来日本がどの地域でも持っていた地域共同体の排他性に他ならないと喝破する.つまり,京都の壁を異様に感じるということは,本来の日本文化が廃れ都会的均一性に精神肉体が染まっている証左であることになる.成る程.

Posted byブクログ