1,800円以上の注文で送料無料

人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか? の商品レビュー

4.2

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「サイコロには知性がある」「中間目標が立てられることの意味」「今まで計算できなかったものを、計算可能にするのが、人工知能における課題」あたりがとてもとても面白かった。 最終章は、結論だけ読むと「?」になるが、一章一章読み進めると「なるほど…」になる。 人間の倫理観が人工知能にも影響与えかねないなんて、想像もしていなかった。 自分用メモ ・人間は自分が理解していることを漏れなく説明することができない。 ・なぜ将棋で良い手を選べるのか自分では説明できない。 ・コンピュータには一般化する能力が今のところほとんどない。 ・ポナンザ2045

Posted byブクログ

2022/02/05

将棋プログラム「ポナンザ」の開発者による人工知能の解説書。専門知識が無くても読みやすい内容で、人工知能や機械学習、ディープラーニングとはどういったものなのか、かみ砕いて説明してくれている。著者が将棋プログラムの開発者のため、「将棋」という具体的な研究開発の対象があり、開発の過程な...

将棋プログラム「ポナンザ」の開発者による人工知能の解説書。専門知識が無くても読みやすい内容で、人工知能や機械学習、ディープラーニングとはどういったものなのか、かみ砕いて説明してくれている。著者が将棋プログラムの開発者のため、「将棋」という具体的な研究開発の対象があり、開発の過程なども盛り込んでくれているのでわかりやすいのだと思う。 技術の進化は日進月歩、2017年のこの著作でさえちょっと古いかなとも思うが、AIの入門書や気軽な読み物としては最適な本だった。 将棋がメインテーマだが、同じ知的ゲームのチェスや囲碁も扱っている。特に巻末の対談は囲碁のプログラム「アルファ碁」にものである。ただ、この巻末の対談は囲碁がわからない者にとっては難しくて読みにくいものだと思う。それ以外のところはかなり読みやすいのでちょっと残念。

Posted byブクログ

2021/10/16

以下、自分用のメモとして。 ①将棋の何を、どのように計算すればいいのかわからないから、コンピュータは人間に勝てなかった。チェスは盤上の駒の残存=局面の評価に直結するが、チェスに比べて「足の遅い」駒が多い将棋は、駒の配置が重要で、それを論理的に=コンピュータにわかるように表現する...

以下、自分用のメモとして。 ①将棋の何を、どのように計算すればいいのかわからないから、コンピュータは人間に勝てなかった。チェスは盤上の駒の残存=局面の評価に直結するが、チェスに比べて「足の遅い」駒が多い将棋は、駒の配置が重要で、それを論理的に=コンピュータにわかるように表現することが難しかった。それよりもっと難しかったのが囲碁だった。 ②機械学習(多数のデータからコンピュータに経験を積ませて向上させる)が進んでポナンザは強くなったが、なぜ強くなったのか説明できない「黒魔術」な部分が大きくなっている。 ③脳の神経回路を模したディープラーニングは画像処理が得意。ということは、「知能とは画像である」と言えるかもしれない。 ④人間は指数関数的成長を直感で理解できない。これほど早くコンピュータが名人に勝てるようになるとはプロ棋士も思っていなかった。いずれ人類はプロ棋士と同じ思いをする。 ⑤コンピュータにはない、人間だけの武器は「中間の目的」を設計すること。「目的を持つ」とは意味と物語で考えるということ。 ⑥ディープラーニングでコンピュータは知性を獲得するだろう。そのとき、AIは倫理観を人間から学ぶことになる。シンギュラリティ以降のコンピュータがどんなものになるのか、人類自身が試される。

Posted byブクログ

2021/09/30

読みやすくて楽しかった。 知的な活動は探索と評価で作られる、ということ 囲碁のほうが将棋の方が難易度高いというのも興味深かった。

Posted byブクログ

2021/07/07

IT知識なし、将棋知識なしで読んだ。難解な箇所もあるけれど、人間の生活や働き方を変えるといわれる人工知能の弱さを知ることができた。

Posted byブクログ

2020/04/14

将棋界のトップ棋士を倒した人工知能「ポナンザ」。本書はポナンザ」を開発した山本さんが、わかりやすくポナンザの仕組みを解説しています。(簡単な表現で書かれているけど、そもそも内容が難しいから、理解できたとはいいがたい) もともとは、人間が完全にプログラムを組むことで、将棋を覚えさ...

将棋界のトップ棋士を倒した人工知能「ポナンザ」。本書はポナンザ」を開発した山本さんが、わかりやすくポナンザの仕組みを解説しています。(簡単な表現で書かれているけど、そもそも内容が難しいから、理解できたとはいいがたい) もともとは、人間が完全にプログラムを組むことで、将棋を覚えさせていたのですが、将棋は最新の人工知能でも全てを解析することは不可能なほど奥が深いため、すぐに行き詰ります。その後、機械学習という仕組みを取り入れ、将棋の駒の関係性の優劣(王将の近くにいる金は価値が高いとか)を教えて、あとは人工知能に勝手に学習させることで、急激に「ポナンザ」は強くなり、将棋界のトップ棋士に勝てるようになりました。(2017年には名人にも勝利) 囲碁は将棋よりももっと奥が深く、人工知能が人間に勝てるのは数十年後といわれていたのですが、アルファ碁(グーグル)は、さらに人間の神経回路に似せた多層構造の仕組みを持つディープラーニングを取り入れることで、2016年に囲碁のトップ棋士に勝ってしまいます。 将棋、囲碁が題材ですが、これらの出来事は、これから広く人間と人工知能の関わり方を暗示しているように思われます。情報を集めること、計算すること、ルールの中で最も正しいと思われる選択肢を瞬時に選ぶこと。これらは人工知能が得意とする分野です(その思考過程がブラックボックスにならざるを得ないのが気持ち悪いが)。人間にできることは何だろう?課題を設定すること?特に、人工知能の助けを得ながら、新たな問いを立てることは人間にしかできない分野かもしれません。 本書で印象的だったのは、囲碁の世界で、トップ棋士が負けた後、素直に棋士たちが人工知能に勝てないことを認め、そこから学ぼうとしていることです。プロレベルでも、囲碁の世界はまだまだ未知の領域が広大であることを人工知能が気づかせたのだそうです。(将棋でも同様に、人工知能を棋力向上に活用するようになってきています) このあたりに、何か大きなヒントが隠されているような気もします。

Posted byブクログ

2020/01/29

機械学習、ディープラーニング、強化学習について将棋AIポナンザを実例に紹介。チェス、将棋、囲碁の難しさの違いや、AIが学習しやすいものしにくいものの違いをしることができる。

Posted byブクログ

2020/01/15

世間を賑わせた人間対コンピュータの将棋”電王戦”で、歴代最も活躍したソフト”Ponanza”の開発者の処女作。将棋の内容を中心に、その実装部分につかった技術や知識が書かれている。 本書の著者は東大出身。それゆえか、なかなか難しい題材をかなり噛み砕いて紹介している。ただし、処女作...

世間を賑わせた人間対コンピュータの将棋”電王戦”で、歴代最も活躍したソフト”Ponanza”の開発者の処女作。将棋の内容を中心に、その実装部分につかった技術や知識が書かれている。 本書の著者は東大出身。それゆえか、なかなか難しい題材をかなり噛み砕いて紹介している。ただし、処女作であるがゆえか、文章のまとまっていないというか文章の書き方が特殊というか、なかなか読むのに苦戦した。文章の感じ方は人それぞれになると思うが、少なくとも自分の文章で自分の伝えたいことを書いていることはわかる。 さまざまな技術や知識が登場するため、単語単位でわからないものが登場する。特にITに関する単語は最近トレンドになってるものが多かったので、都度調べたりして読み進めた。 その難解な単語や知識を緩和するように、本書の随所に関係図や簡略図が著書による独自の描き方で登場するが、これが実はよくわからんということが多かった。 わたしは所謂IT系の仕事をしているので、なんとなくの概要は理解できた。ただし、この人工知能・機械学習の分野は触れたことがなかったので、興味を持てた。そしてこれからどんどん需要が増えていく分野だと思うので、その入門書として読むとなお面白い。 さらに踏み込んだ技術的なことをもっと知りたいなと読了して心残りになった。

Posted byブクログ

2019/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ニューラルネットワークを用いた最適化問題を卒論に選んではや25年。 全く違う道を選んだ自分には到底ついていけない領域だ。 すごいということだけは間違いないことだけはわかる。 しかし、これほど多くのリソースを必要としているとは驚きでした。これではこの分野でGoogleがリードするのは必然なんだろう。 ネットサーフィンしているときもGoogle様の領域に足跡つけまくっている感じがする今日この頃、この本を読んでさらに恐ろしくなる。 なにはさておき、開発者のロマンを感じたければ、読むべき本であることは間違いない。

Posted byブクログ

2019/08/05

平易な言葉で書かれておりとても読みやすい。多分、難しいところはカットしてレベルを落として書いてくれているためだろうなと思う。探索方法として「怠惰な並列化」が目から鱗的な、あるいは、コロンブスの卵的な斬新な手法だなと思った。もう5年も前に出てきたものらしいけれど。

Posted byブクログ