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オリヴァー・ツイスト の商品レビュー

3.6

26件のお客様レビュー

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2024/08/14

『オリヴァー・ツイスト』は単に「小説として面白かったね」で終わらずに、社会そのものに強い影響を与えました。なんと、実際に多くの人がこの作品を読んで社会改善を唱え、制度も改革されていったのです。 こうした「善を呼び覚ます小説の影響力」。 これはものすごいことであります。 ドストエフ...

『オリヴァー・ツイスト』は単に「小説として面白かったね」で終わらずに、社会そのものに強い影響を与えました。なんと、実際に多くの人がこの作品を読んで社会改善を唱え、制度も改革されていったのです。 こうした「善を呼び覚ます小説の影響力」。 これはものすごいことであります。 ドストエフスキーが多くの人、特に子どもたちにディケンズの小説を勧めるのはこういうところにもその理由があるのかもしれません。 ディケンズの代表作『オリヴァー・ツイスト』、読みやすく物語展開も目まぐるしい面白い作品でした。

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2024/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ディケンズの皮肉とユーモアがすごい。とてつもなく悲惨な状況をブラックユーモアに包んで描くので、くすっと笑えます。ですがその分、後でじわじわとそのつらい状況が身に迫ってくるような感覚がありました。 間接的に描くことで、より考えさせられるという感じでしょうか。スイカに塩をふると、より甘さを感じるのと同じようなものかと。 オリバー自身は特に機転を利かせたり、成長したり、そういう活躍の場面はありません。ですが、オリバーはかわいすぎる。孫を見るような感じで彼が運命に翻弄されるのを見守ってしまいます。 モンクスの正体が明かされた場面は、かなり拍子抜け。正体は絶対にハリーの方がよかったでしょう。いや、おそらくディケンズ自身も最初はそういう想定でいたと思います。だってローズはハリーに相談しなかったじゃないですか。 なんか最後の方がグダグダになって、後付け感が半端ないです。いや、本当にナンシーがああなるまではとても面白かったです。そこまではわくわく感がたまらなかったです。ですがそれ以降のご都合主義・予定調和な感じが鼻につきます。 面白かったのは面白かったですが、風呂敷のたたみ方に失敗したような感じは受けました。ただ二都物語でも感じましたが、ディケンズの描写力のすごさは、間違いないです。

Posted byブクログ

2024/06/13

作家 小川洋子さんが出演されていたFMの番組で取り上げられたのを機に、いまさらながら読んでみようかと購入したのが数年前。熟成期間をへて、ようやく読み終えた。 文学史上ではもちろんよく知られている作者チャールズ・ディケンズであるが、私はこの『オリヴァー・ツイスト』が初めて。この作...

作家 小川洋子さんが出演されていたFMの番組で取り上げられたのを機に、いまさらながら読んでみようかと購入したのが数年前。熟成期間をへて、ようやく読み終えた。 文学史上ではもちろんよく知られている作者チャールズ・ディケンズであるが、私はこの『オリヴァー・ツイスト』が初めて。この作者、作品初め、著名な古典とも言える作品はあまり読んでいない。お恥ずかしい。 孤児として生まれたオリヴァーの数奇な運命の物語には読み進めるうちに引き込まれ、久々に小説を読む楽しみを味わえた。 それとともに、現在のパレスチナの悲惨な状況をもたらしている遠因でもある、イギリス(おそらく当時のヨーロッパ)におけるユダヤ人への差別意識がはっきりと描かれていて、知ることができたのは大きな収穫であった。

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2024/06/07

あまりに悲惨なオリヴァーの人生に、涙なしには読めない。 とにかく、この子には幸せになってほしいと願いながら読み進めた。 翻訳ものにありがちな読みづらさはあるけれど(作者が伝記を書いている、という体で書いているのも、日本の小説にはあまりないので違和感がある)、物語が山あり谷ありで最...

あまりに悲惨なオリヴァーの人生に、涙なしには読めない。 とにかく、この子には幸せになってほしいと願いながら読み進めた。 翻訳ものにありがちな読みづらさはあるけれど(作者が伝記を書いている、という体で書いているのも、日本の小説にはあまりないので違和感がある)、物語が山あり谷ありで最後まで読み通せた。 途中でつらさからやめたくなることもあったが、なんとか最後まで読み終えることをおすすめしたい。

Posted byブクログ

2024/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まず内容の前に、読み手としての率直な意見を言うなら、翻訳がイマイチだと思った。ほかの訳者のバージョンを機会があればぜひ読んでみたい。それくらいストーリーがすんなり頭に入って来ず、何度も読み返す、考えなければならない箇所がところどころあった。私の脳みそが足りないせいかもしれませんが。。 フェイギン、は「ユダヤ人」である必要があったのか。オリバーは結局立派な血筋の人間だったから、品があって美しく幸せになるべきだったのか? ここのところが、やっぱり当時の社会の刷り込みがディケンズにもあったと思う。 それでも、弱者に寄り添い、正しく清い心の持ち主は幸せであるべきだ、というメッセージは受け取れた。ナンシーは本当にかわいそう。 地位や名誉のために、正しいことなのに、それができない社会は悪だ、それは正しいと思った。 ただ、最後の一段落が腑に落ちなかった、というか意味が分からなかった(-_-;)

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2024/02/04

オリヴァーからしたらハッピーエンドでも、ナンシーからしたらバッドエンド。小説でプラマイゼロにするの描くとかすごすぎ!

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2024/01/27

あまりにも暗い展開で読むのが辛くなり中断していたもののようやく読了。しかし暗いよね…、他作品一周したらまた読み返したい。

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2023/09/17

いわずとしれたディケンズ初期代表作。運命に翻弄される孤児オリヴァーの波瀾万丈な少年時代、そして出生の秘密。 何度も映像化されていて見たことはないのだが、救貧院で薄粥のお代わりを求めるシーンが有名らしい。読んでみるとこれはひどい。貧民救済施設といえど、人を人間扱いしていないじゃな...

いわずとしれたディケンズ初期代表作。運命に翻弄される孤児オリヴァーの波瀾万丈な少年時代、そして出生の秘密。 何度も映像化されていて見たことはないのだが、救貧院で薄粥のお代わりを求めるシーンが有名らしい。読んでみるとこれはひどい。貧民救済施設といえど、人を人間扱いしていないじゃないか!以下、当時の貧困層と弱者虐待の実態、低俗な人間の醜さが描かれ、作者ディケンズの痛烈な皮肉と風刺の切れ味がすさまじいほどに冴える。そのなかで前半はオリヴァーの逆境と克服が繰り返されるスリリングな展開が続き、先が気になって仕方なかった。 次第に集まってくる多くの登場人物たちの個性や配置が魅力的かつ巧妙だ。特に窃盗団たちの描かれ方は本作最大の特徴ともいえ、犯罪小説的な側面もある。善人と悪人がはっきりしていて、それぞれの人間性の程度にふさわしい結末が用意されているので、非常に健全なカタルシスが得られた。ただ、その意味では境界線にいる、とある少女だけは別で、ラストの文章など作者も特別な目線を捧げているのが印象的だった。 主人公オリヴァーは純粋無垢な少年だが、ひたすら運命に翻弄されるだけで、そこから特に成長するというわけではない。加えてあまりに都合の良すぎる巡り合わせが続いたり、後半はオリヴァーを置き去りにした展開になるなど、本作にはいくつかの欠点も見受けられる。しかし、そんなことは気にしなくてもいいじゃない、と言いたくなるほどのエネルギーとスピード感に満ちた大作なのは確かだ。700ページオーバー、面白いので一気に読めます!

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2023/05/31

一部の登場人物を整理し切れず読み進めてしまった。。 善良な人物より悪党寄りの人間の方がドラマがあるのでもっとゆっくり読めばよかったと少し後悔。

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2023/01/04

ホームズの時代の貧困について、小説を読みたくなり、ギッシング『無階級の人々』に続き読んでみました。 貧困は悪いことなのだと納得しました。 この本の解説はG.K.チェスタトンが書いていて、ディケンズについて理解が深まります。

Posted byブクログ