自民党―「一強」の実像 の商品レビュー
『日本共産党』に続き読んでみた。 良し悪しはわからないけれどどの党にも偏らず新書の範囲にあり得ない濃さをコンパクトにまとめていると思う
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『日本共産党』の著者が描く、自民党の強さの正体。 組織内部、選挙戦略、支持団体との関係などから、自民党を支えるものの正体に迫る。 『日本共産党』に比して、私のような素人にはやや込み入った記載が多かった印象で、読み進めるには少し時間がかかった。それでも読後は、テレビややかましい街...
『日本共産党』の著者が描く、自民党の強さの正体。 組織内部、選挙戦略、支持団体との関係などから、自民党を支えるものの正体に迫る。 『日本共産党』に比して、私のような素人にはやや込み入った記載が多かった印象で、読み進めるには少し時間がかかった。それでも読後は、テレビややかましい街頭演説でしか知ることのなかったかの党がすこし立体的に見えるようになった。 時候がら、白眉と思われるのは支持団体との関係について書かれた部分。その中では宗教団体との関係にも触れられている。それを読んでわかったことといえば、特定の集団が自民党の政策を大きく揺るがすことはなく、影響力も限定されているということ。しかもその結びつきは緩やかなものであるということである。 私は自民党員でも支持者でもない”無党派層”だが、いたずらに特定団体との過去の関係ばかり取り上げる野党やメディアは、一回この本を読んだ方がいい。 無論、宗教2世の問題や霊感商法の問題に改めてスポットがあてられ、それに苦しむ人(もしくは自分が苦しんでいるということに気づけてすらいない人)の救済につながることには一定の意味があることは否定しない。
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自民党の歴史と勢力図を理解するための「派閥」、近年の総裁および幹事長ポストの権力増大を理解するための「総選挙とポスト配分」、支持の源泉がどこにあるかを見るための「友好団体」「地方組織と個人後援会」といった具合に、複眼的に自民党の正体に迫ろうとしている。〈現在の自民党は、政治改革へ...
自民党の歴史と勢力図を理解するための「派閥」、近年の総裁および幹事長ポストの権力増大を理解するための「総選挙とポスト配分」、支持の源泉がどこにあるかを見るための「友好団体」「地方組織と個人後援会」といった具合に、複眼的に自民党の正体に迫ろうとしている。〈現在の自民党は、政治改革への対応を経て、民主党に対抗するなかで形作られてきたといってよい〉という結論にいたる道筋は、本書のなかでおおむね裏打ちされていると思う。野党勢力が民主党政権「失敗」の痛手から立ち直りきらず、低い投票率が続いているなか、相対的に多い固定票を持つうえに公明党と選挙協力ができる自民党が有利に国政選挙を戦っているという分析も、うなずける。すごく面白いかというとそういう本ではないが、自民党の現在地点を理解するという意味で、非常によくまとまった一冊。
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派閥の性格の変化、事前審査制度の変化などから自民党の政治的強さを論じている。中北さんの政治史系の本は読んだことあったが、現代の政権を分析している本は読んだことなかった。しかし、非常に緻密な分析をしており読みごたえがある。
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参院選に読了が間に合わず! それにしても、今回の参院選は事前の想定通りで、与党の勝利という結果となった。この本に書かれている通り、しぶとい強さを発揮している。 それにしても、下野した時に対民主党戦略として、右傾化した政策を打ち出したとは知らなかった。その後の民主党及びその成れの果...
参院選に読了が間に合わず! それにしても、今回の参院選は事前の想定通りで、与党の勝利という結果となった。この本に書かれている通り、しぶとい強さを発揮している。 それにしても、下野した時に対民主党戦略として、右傾化した政策を打ち出したとは知らなかった。その後の民主党及びその成れの果ての政党の状況を見るにつけ、何のための政権交代だったのか、さらに自民の右傾化まで招いたとしたら返って状況を悪化させただけとも思える。 若い世代の自民支持率が高いことも理解できないが、ちゃんと政治に向き合ってこなかった我々世代の責任なのだろうと感じる。
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結論は穏当ながら説得力に富んでいる。 友好団体の章の経団連と宗教団体、そして、地方組織と後援会の章は知らないことが多く、興味深い。 #整理 ・中選挙区制度は派閥を必要としたが、金権体質を産み、小選挙区制度が求められ、首相の権限の強化と相まって、派閥の弱体化に繋がった。 ・選挙に...
結論は穏当ながら説得力に富んでいる。 友好団体の章の経団連と宗教団体、そして、地方組織と後援会の章は知らないことが多く、興味深い。 #整理 ・中選挙区制度は派閥を必要としたが、金権体質を産み、小選挙区制度が求められ、首相の権限の強化と相まって、派閥の弱体化に繋がった。 ・選挙においては、1.無党派層獲得のための強い党首、2.固定票としての自公連携
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第1章 派閥―弱体化する「党中党」 第2章 総裁選挙とポスト配分―総裁権力の増大 第3章 政策決定プロセス―事前審査制と官邸主導 第4章 国政選挙―伏在する二重構造 第5章 友好団体―減少する票とカネ 第6章 地方組織と個人後援会―強さの源泉の行方 終章 自民党の現在―変化する組...
第1章 派閥―弱体化する「党中党」 第2章 総裁選挙とポスト配分―総裁権力の増大 第3章 政策決定プロセス―事前審査制と官邸主導 第4章 国政選挙―伏在する二重構造 第5章 友好団体―減少する票とカネ 第6章 地方組織と個人後援会―強さの源泉の行方 終章 自民党の現在―変化する組織と理念 著者:中北浩爾(1968-、三重県、政治学)
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現在、圧倒的な強さを示している自民党について、その組織がどのように動いているのかという点から理解できるように書かれています。歴史的な成り立ちについても書かれていますが、それよりも、いまの戦い方(直近の戦い方)に重点が置かれていると思います。派閥とは何なのか。派閥政治からの脱却がも...
現在、圧倒的な強さを示している自民党について、その組織がどのように動いているのかという点から理解できるように書かれています。歴史的な成り立ちについても書かれていますが、それよりも、いまの戦い方(直近の戦い方)に重点が置かれていると思います。派閥とは何なのか。派閥政治からの脱却がもたらしたものは何か。そこから最近の自民党の強さと、脆さを知ることができます。これからの日本政治を知るために。一党独裁になるにしても、二大政党制になるにしても。この自民党という戦後政治を作ってきた存在を学ぶことは避けられないと感じました。
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平成31年現在、一強状態にあるとされる自民党について、党の文書や機関紙・一般紙の記述や数量的なデータ、そして関係者へのインタビューなどを駆使し、派閥、総裁選挙とポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会、理念といった多様な視覚から、包括的に分析、その実...
平成31年現在、一強状態にあるとされる自民党について、党の文書や機関紙・一般紙の記述や数量的なデータ、そして関係者へのインタビューなどを駆使し、派閥、総裁選挙とポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会、理念といった多様な視覚から、包括的に分析、その実像に迫ろうと試みている。 本書では、1980年代半ばを55年体制下の自民党の完成期と位置づけ、それとの対比で現在の自民党を捉えており、衆議院での小選挙区比例代表並立制の導入をはじめとした1990年代の一連の政治改革及び民主党の台頭を要因として、自民党は組織や理念の点で大きな変貌を遂げたと分析している。自民党の強みであった派閥や友好団体による固定票、地域組織等は弱体化しつつも、連立を組む公明党の存在を含め、自民党が保持するリソースは他党を圧倒し、それらを安倍政権も活用しており、長年にわたって築かれた自民党の優位は、簡単には覆らないだろうと結論づけている。 本書により、過去及び現在の自民党の姿を、包括的に理解することができた。特に、衆議院の選挙制度について、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制へと変更した政治改革の、自民党の在り方への影響の大きさを認識した。また、現在、「一強」といわれる、自民党、そして安倍政権であるが、近年の自民党の絶対得票率の低迷や政治的リソースの弱体化に鑑みると、必ずしも盤石とはいえないということも感じた。 本書について欲を言えば、他の政党よりも充実していると思われる自民党の事務組織についても、言及してほしかったと思う。しかし、現時点での自民党の全体像を捉えるのに、最良の一冊であると感じた。
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