遠縁の女 の商品レビュー
短編3作どの作品も良かった。 文章が洗練されていて読みやすくスマート(^^) 3作とも女性が大きな意味を持つ作品だった。 青山文平さん他の作品も読んでみたい。 なぜこの表紙なのか…謎です(*_*)
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たまには時代物も、と軽い気持ちで手に取ったが、これが中々のもの。一気に読み終えてしまった。 テンポも良く、思いもかけない展開がページをめくる手がもどかしいくらい。先を知りたいという気持ちが急く読書は久しぶり。いやあ良いもの見つけたなあ、という気持ち。 Amazonより 『機織る武家』血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。『沼尻新田』新田開発を持ちかけられ当惑する三十二歳当主。実地検分に訪れた現地のクロマツ林で、美しい女に出会う。『遠縁の女』寛政の世、浮世離れした剣の修行に出た武家。五年ぶりに帰国した彼を待っていたのは、女の仕掛ける謎―。直木賞受賞作「つまをめとらば」に続く清冽な世界。傑作武家小説集。
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短編・・・にしてはちょっとボリュームあるかな?中編には少なめかな・・くらい。一冊で三編の時代小説です。高田郁の立身出世話みたいなのがさっぱりとした感じの2編に表題作。 どれもすっきりと読みやすく、それでいていつの間にかのめり込んで読み切ってしまいました。ただただ明るいばかりの話で...
短編・・・にしてはちょっとボリュームあるかな?中編には少なめかな・・くらい。一冊で三編の時代小説です。高田郁の立身出世話みたいなのがさっぱりとした感じの2編に表題作。 どれもすっきりと読みやすく、それでいていつの間にかのめり込んで読み切ってしまいました。ただただ明るいばかりの話でもないんですが、読み終わってみるとどことないさわやかな感じで・・・いいですね。おもしろかったです。
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ミステリーかと問われれば, ミステリーと答えるだろう。推理小説かと問われれば, 推理小説ではないと答えるだろう。推理を楽しむ一冊というよりも, 人間を楽しむ一冊ではなかろうか。
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時代小説の中編集。 下級武士が困窮にあえぐ時代で、とにかく扶持を減らされる描写が多い。 それぞれミステリ的な驚きもあるが、読みどころは主人公の細やかな心理と時代背景。苦悩を経て前向きなラストになっているのもいい。 ベストは『沼尻新田』。誰もやりたがらない砂地の新田開発に挑んだ男の...
時代小説の中編集。 下級武士が困窮にあえぐ時代で、とにかく扶持を減らされる描写が多い。 それぞれミステリ的な驚きもあるが、読みどころは主人公の細やかな心理と時代背景。苦悩を経て前向きなラストになっているのもいい。 ベストは『沼尻新田』。誰もやりたがらない砂地の新田開発に挑んだ男の真意が泣ける。
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青山文平さんの抑えた筆致の時代小説はすごい。 本書に収められた3編とも、私の感性にぴったし合うと言うことだろうか、抑えすぎて時代に合わないと敬遠する人も多そうな気もするが、筆者の今後にとても楽しみだ。
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『機織る武家』『沼尻新田』『遠縁の女』の三篇。 いつもの如く、武家やその妻女が何かを強く希求する清冽な生き方を描いた作品です。 青山さんはもともと端正な文章の書き手という認識がありましたが、こんな文体だったでしょうか? キリキリと張詰めた弦のような文章が小気味よく連なり、読むう...
『機織る武家』『沼尻新田』『遠縁の女』の三篇。 いつもの如く、武家やその妻女が何かを強く希求する清冽な生き方を描いた作品です。 青山さんはもともと端正な文章の書き手という認識がありましたが、こんな文体だったでしょうか? キリキリと張詰めた弦のような文章が小気味よく連なり、読むうちにそのリズムに乗ってしまい、ストーリーの瑕疵は有ると思うのですが、それをあげつらうことさえ忘れて一気に読了してしまいます。 一つ不満は表紙ですね。本のタイトルが「遠縁の女」で表紙がヌード画。何やら怪しげで、図書館で借りるのにちょっと躊躇してしまいます。
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三遍の「女」の物語。 「機織る武家」は婿入りした夫とその後添えの妻、前妻の母である姑の三人の物語だ。 落ちぶれた家の名にしがみ付く者、妻にだけ暴言を吐く者、行きて行くために賃機をするもの......。 その機織が日々を変えて行く。 おかしなことばかり起こるものだと女は思うが、仕...
三遍の「女」の物語。 「機織る武家」は婿入りした夫とその後添えの妻、前妻の母である姑の三人の物語だ。 落ちぶれた家の名にしがみ付く者、妻にだけ暴言を吐く者、行きて行くために賃機をするもの......。 その機織が日々を変えて行く。 おかしなことばかり起こるものだと女は思うが、仕方がないと流れに身を任す。 良くも悪くもなっていないが、心のままに。 「遠縁の女」 父が武者修行をせよ、と言った。 この太平の世に。 何を馬鹿なことを、と男は思うが、そのことが男を変えて行く。 男は本当は学問が好きで、友はそんな男を見て学問をする理由を語る。 「乗れば、己れ独りで手がかりなしに考えるよりも、早く考えを進めることができる。 限りある時を無駄にせずに済む。 さらには、己れ独りでは行き着けぬ彼方の場処へも行き着ける」(166頁) 学問をする意味を知れば、人は未来に漕ぎ出でることが出来るのだ。
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江戸時代に生きる主婦や武士の話。今まで読んだことのない感覚の時代小説。手に汗握るとかほんわかするとか、ただただ切ないとかの内容ではなく、しっとりと引き込まれる。 どの主人公も(自覚はなくても)自身の能力を拠り所として、それを元にした強い芯を持っている。 表題作は流れた仕合いが行われたらどうなったのかも興味がある。あと、実際にこんな女がいれば自分もそちらを選ぶと思う。たとえ裏切られたとしても。 この人の他の本も読みたくなった。
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なんかあまりスッキリしない感じです。この人の作品は武士のしがらみのようなものを描いているものが多いと思うのだけれど、感じるところもあるがちょっとわかりにくかった。
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