いちまいの羊歯 の商品レビュー
逆光の教室ファンタオレンジは指の跡から沸騰するの 俯いた靴下だけがのこされて月に降り立つようなつめたさ 選ばれた言葉はどれも綺麗だけれど、よくわからない。今ひとつ情景に結びつけられない。なぜだろう。上句と下句の乖離が広すぎるせいか、と思っていたのだけど、東直子さんの解説を読ん...
逆光の教室ファンタオレンジは指の跡から沸騰するの 俯いた靴下だけがのこされて月に降り立つようなつめたさ 選ばれた言葉はどれも綺麗だけれど、よくわからない。今ひとつ情景に結びつけられない。なぜだろう。上句と下句の乖離が広すぎるせいか、と思っていたのだけど、東直子さんの解説を読んで読み方がわかった。一首のなかでわざと乖離させているのではない。すべてファンタジーなのだ。なんだ。。しかし一読でその世界観を見通すのはむずかしい。せめて一首だけなら。 なお、読み進めるにつれて意味が通るというか、共感の要素を残したものが増えてくる。たとえば下の2つ。 ゆきですとつぶやくきみにすきだよとこたえるようにあおぐ、ゆきだよ。 今度はきっとしらすになってひとつずつきみに食まれてみたい浜辺で 最後のやつなんて直接的で幻想的且つ不気味。でも、これがいちばん好きかも。
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