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シリア情勢 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2019/10/30

2012年の、まだB.アサド政権がアラブの春に対しても安定した独裁的対応を続けていた頃に同著者が出した『混迷するシリア』の頃から5年後の刊行である。その時の、まだポストアラブの春の様子見で区切りのついていたシリア世界のようすが、短期間でまるで変わってしまった。『(正史)三国志』で...

2012年の、まだB.アサド政権がアラブの春に対しても安定した独裁的対応を続けていた頃に同著者が出した『混迷するシリア』の頃から5年後の刊行である。その時の、まだポストアラブの春の様子見で区切りのついていたシリア世界のようすが、短期間でまるで変わってしまった。『(正史)三国志』では魏呉蜀の激突の裏で多くの民間人が犠牲になり漢民族の総人口が激減したというが、まさにそういう民衆がわの悲惨な状況を省かずに描かれるおそろしい戦史のようである。しかもそれが、2019年の今もなお米露トルコイランイスラエルが取り囲む形で進行中なことを思うと、末恐ろしい。死者じたいでみればまだ世界大戦規模ではないかもしれないが、犠牲者のうち負傷者、難民、経済的没落者などの規模は既に大きなものになっている。 その上でいまだにB.アサド政権が倒れていないことが、にわかに信じがたい。同著者の前作でもすでに政権のタフな政治的手腕は明らかだったが、この混沌とした状況で、イスラエルからみて脅威を感じなくなるほどに痛めつけられても、アサド政権は倒れないものだろうか。 いわゆる「反体制派」がわの軍事部隊のさまざまな名前の表がまとまっており、『ベルセルク』や『タクティクスオウガ』などの戦記ファンタジー的ネーミングを思わせる義勇あふれる名前が並んでいる。後ろに堆く積み重なる死体の山と表裏一体の華やかさが、そこに見出された。

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2019/01/31

私のフィールドであるイランとも関りが深いシリア。この国のことを知ろうとすれば巷に情報はあふれているが、どの情報も過度に感情的であったり、リソースが怪しかったり、偏ったりしているため、素人には情報の取捨選択が非常にむつかしいというのが悩みだった。そんな中、本著は日本語で読めるシリア...

私のフィールドであるイランとも関りが深いシリア。この国のことを知ろうとすれば巷に情報はあふれているが、どの情報も過度に感情的であったり、リソースが怪しかったり、偏ったりしているため、素人には情報の取捨選択が非常にむつかしいというのが悩みだった。そんな中、本著は日本語で読めるシリア情勢の鳥瞰図としてはとても優れたものであったというのが、本書を読んだ最初の感想だ(シリア研究の第一人者である著者なので、こういった言い方は不遜かもしれないが)。 国内外の勢力が入れ代わり立ち代わり登場し、とても複雑である。そういった状況こそが、シリアを現在のシリアたらしめる要因であると考えられる。 1冊目の入門書として、また、専門書を読むときの見取り図代わりとして、お勧めできる本である。

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2018/10/28

【由来】 ・出版を知ったのはご本人のfacebook。青山センセーなので買うことは決定してるけど、図書館にあったので、どんなもんかと。 【期待したもの】 ・ 【要約】 ・ 【ノート】 ・バッシャールについて1章割いてるし、ホワイトヘルメットも入ってる。索引と年表もある。もう...

【由来】 ・出版を知ったのはご本人のfacebook。青山センセーなので買うことは決定してるけど、図書館にあったので、どんなもんかと。 【期待したもの】 ・ 【要約】 ・ 【ノート】 ・バッシャールについて1章割いてるし、ホワイトヘルメットも入ってる。索引と年表もある。もう、青山センセーを応援させていただくって意味でも新刊で買わなきゃ! 【目次】

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2017/07/04

(2017.07.02読了)(2017.06.26借入) 副題「終わらない人道危機」 内戦により多くの難民が近隣諸国およびヨーロッパに流出し、また戦闘に巻き込まれて多くの市民が死傷しているシリア。いつになったら治まるのか、気になるところです。 シリアには、パルミラをはじめとする多...

(2017.07.02読了)(2017.06.26借入) 副題「終わらない人道危機」 内戦により多くの難民が近隣諸国およびヨーロッパに流出し、また戦闘に巻き込まれて多くの市民が死傷しているシリア。いつになったら治まるのか、気になるところです。 シリアには、パルミラをはじめとする多くの遺跡もあります。ISが、遺跡を爆破して破壊したというようなニュースを耳にすると、歴史好きとしては残念でなりません。 ニュースで聞いていると内戦は、シリア政府と反政府勢力とイスラミックステートの三つ巴のような印象ですが、この本を読むとそんなに簡単な図式ではなさそうです。 反政府勢力は、まとまりがなく主導権を握れるところはなさそうです。従ってアサド政権を退陣させるだけの力はなさそうです。イスラミックステートは、ロシアとトルコが協力して壊滅に追い込みそうな勢いです。 このままだと、シリアはアサド政権の勝利で落ち着くのかと思われます。平和が訪れ、少しずつでも民主化が進んで行く事を祈りたいと思います。 妥協を許さないイスラム過激派は、おとなしくなって欲しいものです。 【目次】 はじめに 第1章 シリアをめぐる地政学 第2章 「独裁政権」の素顔 第3章 「人権」からの逸脱 第4章 「反体制派」のスペクトラ 第5章 シリアの友グループの多重基準 第6章 真の「ゲーム・チェンジャー」 おわりに 主な文献・資料 表 「反体制派」による主な連合組織・合同作戦指令室 年表 索引 ●シリアの状況(ⅱ頁) シリア政策研究センターが2016年2月に公表した報告書によると、2015年末の段階で47万人が死亡、190万人が負傷し、総人口(2300万人)の46%に相当する1000万人強が住居を追われ、うち636万人が国内避難民となり、311万人が難民として国外に逃れ、また117万人が国外に移住したという。 ●化学兵器の廃棄(75頁) 2014年6月までに、申告された化学物質はすべてがノルウェーとデンマークの船舶によってイタリアへ移送された。このうち、サリン・ガス、マスタード・ガスなどの製造に使用される、危険度の高い化学物質約570トンは、廃棄設備を備えた米国籍船が公海上で廃棄し、作業は8月に完了した。一方、危険度の低い化学物質約1300トンは、フィンランド、英国、米国の工場に移送され、廃棄された。またシリア国内の化学兵器生産工場もそのすべてが破壊された。 ●反体制派(106頁) シリアの友グループは、シリア内戦当初からアサド政権に退陣を求める強硬な姿勢をとってきたが、同政権を打倒し、それにとって代わり得るような有力な「反体制派」を見つけることができなかった。 「反体制派」は、雑多で、まとまりを欠き、政治手腕に乏しかった。 ☆関連図書(既読) 「イスラム国の正体」国枝昌樹著、朝日新書、2015.01.30 「ルポ難民追跡 バルカンルートを行く」坂口裕彦著、岩波新書、2016.10.20 (2017年7月4日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 「今世紀最悪の人道危機」と言われ幾多の難民を生み出しているシリア内戦。「独裁」政権、「反体制派」、イスラーム国、そして米国、ロシア…様々な思惑が入り乱れるなか、シリアはいま「終わりの始まり」を迎えようとしている。なぜ、かくも凄惨な事態が生じたのか。複雑な中東の地政学を読み解く。

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2017/06/29

非常に入り組んだシリア情勢を読み解けるかと思ったけど、想像以上に複雑ということしか分からんかった…外国の干渉が首尾一貫せず国内諸勢力をより混乱に陥れる…。

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2017/06/02

新書という制約があるにせよ,記述が総論的羅列的である。具体的局面には触れられずに権力争いの紹介にとどまるので,個人的には政治そのものに興味がある人向けで,ノンフィクション・ルポタージュ的な個別局面に関

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2017/04/17

 アメリカが4月6日に行ったシリアへのミサイル攻撃を受けて読もうと思った次第。2017年3月発売ということでごく最近までの動きが分かります。  アサド政権の成り立ちやアラブの春以降のシリア国内の内戦の推移、シリアを巡る外国諸国の打算的な動き等々が淡々と書かれています。  まさに泥...

 アメリカが4月6日に行ったシリアへのミサイル攻撃を受けて読もうと思った次第。2017年3月発売ということでごく最近までの動きが分かります。  アサド政権の成り立ちやアラブの春以降のシリア国内の内戦の推移、シリアを巡る外国諸国の打算的な動き等々が淡々と書かれています。  まさに泥沼と言うべき事態が延々と続きますが、以下の描写を読んで特に絶望的な気分になりました。 >欧米諸国の負担とイスラエルの安全保障上の脅威を必要最小限に抑え続けようとすれば、アサド政権の指導のもとでシリアが「強い国家」として復活を遂げ、政治的、軍事的な存在感を増すことは好ましくない。その一方、アサド政権が倒れて、体制転換が実現しても、シリアの安定や安全保障上の役割が維持される確実性もない。欧米諸国にとって、唯一のプラグマティックな選択肢とは、アサド政権と「反体制派」が際限のない武装闘争を続けることでシリアが「弱い国家」として存在し、彼らが期せずして欧米諸国にとって利用価値のある振る舞いをすることだけなのである。  シリア情勢は複雑怪奇で、自分でもきちんと理解できた自信はありませんが、とりあえず次のような認識を持っています。 ・シリア国内はアサド政権と反体制派とイスラム国による三つ巴の戦いのような様相を呈しているが、反体制派とイスラム国は共闘しているようなところもあり、西洋諸国がシリア内戦に介入する理由として「イスラム国との戦いのために反体制を支援する」というのは現実的には成り立っていない。  シリア問題に関心があるけどこれまでの経過などがよく分からないという人は、まず『中東崩壊』(日経プレミアシリーズ)を読んで、中東全体の近年の動きの概要を掴み、この本でシリアを巡る動きの詳細を知るという方法が良いのではないかと思います。

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