そして、ぼくは旅に出た。 の商品レビュー
カナダの自然を写真で伝える著者が、大学を卒業し憧れの写真家をしたってカナダのノースウッズへ旅に出た顛末を、細やかにつづっている。 住所もはっきりわからないのに、著書に出ていた手書きの地図と写真を頼りに、テントを背負いカヌーで訪ねる。数々の偶然ともいえる出会いもあり、憧れの写真家ジ...
カナダの自然を写真で伝える著者が、大学を卒業し憧れの写真家をしたってカナダのノースウッズへ旅に出た顛末を、細やかにつづっている。 住所もはっきりわからないのに、著書に出ていた手書きの地図と写真を頼りに、テントを背負いカヌーで訪ねる。数々の偶然ともいえる出会いもあり、憧れの写真家ジム・ブランデンバーグと出会い、彼の敷地内の小屋に住まわせてもらえる。無謀ともいえる旅ではあるかもしれないが、著者の真摯な態度が導いたチャンスだったのかもしれない。 決しておごることなく、自分の力をわかり、それでも貫く初心。拍手を送りたい。
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この人の写真が好きで読み始めた。幼い文。なんというか小学生の作文調で、最初は読み続けられないかと思ったが、しだいに朴訥な若い友人の話を聞いているような気持ちになってきた。素晴らしい旅をしたんだね。いい本だ。
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写真家を目指した大学4年生の彼は、ある夜夢を見た。こちらを振り返る狼の視線。次の瞬間には狼は森の中へ消えていった。心の中にその狼が住みついた状態で、1冊の写真集と出会う。ジム・ブランデンバーグ著『ブラザーウルフ』。 ジム・ブランデンバーグに弟子入りを願い出るため、北米の森 ...
写真家を目指した大学4年生の彼は、ある夜夢を見た。こちらを振り返る狼の視線。次の瞬間には狼は森の中へ消えていった。心の中にその狼が住みついた状態で、1冊の写真集と出会う。ジム・ブランデンバーグ著『ブラザーウルフ』。 ジム・ブランデンバーグに弟子入りを願い出るため、北米の森 ノースウッズへの旅が始まった。おおよそ2か月の旅で、ジムとともに過ごし、彼は多くのことを経験し、周囲の人の思いを受け止め成長していく。 静かで丁寧な語り口で、自然に感動する己の心象を描写し、導かれる運命を感謝とともに受け止めていく彼の旅は、読者である僕の青春時代の情熱の化身のような錯覚をも起こさせる。 本を開くと、ノースウッズの森や湖が頭の中にたちあがり、鳥の声も聞こえてくるような時間が過ごせた。この数日間、本書を開くのが楽しみだった。年に幾度かは、そんなうれしい読書体験を味わうことができるが、本書はそんな一冊でした。
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