相互扶助論 新装 増補修訂 の商品レビュー
メモ→https://x.com/nobushiromasaki/status/1832229492116595190
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新聞で、夏に読む3冊として書評者に紹介された本である。 人間の相互扶助とばかり思っていたら、最初に書かれていたのが動物の話であった。日本のことはなくロシアとヨーロッパのことが書かれている。
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人類の実際の歴史はホッブズが提示した自然状態の想定とは異なり、相互扶助が行われてきた。相互扶助は人類固有のものではなく、鳥類や齧歯類などの動物も行っている。 権威は軍事上のことから生じたのではなく、争いを避けることから生じた。 近代国家が登場し始める頃、中世の自由都市が争わな...
人類の実際の歴史はホッブズが提示した自然状態の想定とは異なり、相互扶助が行われてきた。相互扶助は人類固有のものではなく、鳥類や齧歯類などの動物も行っている。 権威は軍事上のことから生じたのではなく、争いを避けることから生じた。 近代国家が登場し始める頃、中世の自由都市が争わない中で築いてきた相互扶助が薄れていった。しかしなくなったわけではない(6章の最後らへん)。農村は土地の共有、都市では労働組合や政治団体という形で。 富裕層にも相互扶助はあるが薄まっていると考えてるっぽかった。 「慈善的贈物や、有福者や、労働者や、医者などの一般的幸福のための任意的労働などについては、それが近代生活にどれだけの役目を勤めているかは、誰でもよく知っている。有名になりたいとか、政治的勢力を得たいとか、あるいは何等かの社会的名声を得たいとかいう望みがしばしばこれらの善行の本当の性質を害うことがある。」(297ページ)と述べられており、豊かになると、善行の動機が本来は相互扶助であるのに歪むのかもしれない。 進化や進歩は、利己心に基づく競争(生存競争)だけではなく相互扶助もあり、相互扶助の方が重要であることを強調していた。
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【進化論】動物界において人間だけが特別に高等な存在ではなく人間中心に世界が回っているのではない 人間中心主義 クロポトキン 相互扶助の原理を進化の1要素とした ◎相互扶助の原理を受け入れ、引き継いだ主のみが自らを進化させ、進化し、自らを維持することができたのである 社会の再...
【進化論】動物界において人間だけが特別に高等な存在ではなく人間中心に世界が回っているのではない 人間中心主義 クロポトキン 相互扶助の原理を進化の1要素とした ◎相互扶助の原理を受け入れ、引き継いだ主のみが自らを進化させ、進化し、自らを維持することができたのである 社会の再建 私たちは誰もが行き先に対する不安を抱きながら追い立てられるようにして生きている。「自分が生きている意味、価値」が失われつつある危機を感じている。 ◎人は、糧を得るために労働力の売り手としてあるばかりじゃない。それぞれに意欲し、考え、引き受け、情熱を持ってものことにあたり、経験を重ねることによって「生きている価値」を実感したいと強く望んでいる。 「生きている価値」は、自分を包み込んでいる人々のつながり、互いに主体的で自発的な人間の関係の中でのみ発見し、確認し、認め合える。 社会が相互主体的な人間の有機的集まりであるとすれば、現代においては社会を崩壊しつつある。 【資本主義社会の弊害】孤立した一人一人の人間は、全てが市場商品と化したこのシステムの中で、利害に引きずられながら、生産者、消費者として組み入れられる制度の中の部品と化す危険を常にはらんでいる。 私たちは福祉を受け担うものとして、精神的文化的に多様な意識を併せ持つものとして、それらが有機的関連を持った1個の人間として、すなわち「生活者」として生きている。 得意や能力を自分にとって必要とし、自分の居場所をお互いに発見される関係、人間が組み合う関係、それは経済的、文化的におよそ丸ごとの人間にとって必要な一切のものに関する『相互扶助』の関係。 『相互扶助』の関係は、自発的、自主的であることをしました前提とし、その基準は外から与えられるものではなく、内から自分たちで作り上げられるものである。さらに、1回1回が等価交換の基準に従って、きれいに蹴りがつけられる関係ではない。 ◎心理的満足も含めて、互酬性の生きている社会 伝統的な社会には不公平、極まりない、身分制度や様々な不自由、不便、煩わしさがあった。古い社会には村八分のような不完全な追放はあった。目下、世界各地を放浪している難民には 人間としての生存の基盤、そのものが奪い取られている。 「生活者」が直面する問題は、どの切り口を取っても全てが全体の問題につながっていかざるを得ない 動物の相互扶助 未開人の相互扶助 野蛮人の相互扶助 中世都市の相互扶助 近代社会の相互扶助
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大杉栄が訳したクロポトキンの本の新装増補修訂版。旧仮名などは改められ、専門用語も一部現代的に改められているため、読み易い。それにしても、1920年代の翻訳が再び出版されるというのはすごいな。解説はまったく進化論に言及していないが、大杉栄は種の起源も訳していたようで、このころのアナ...
大杉栄が訳したクロポトキンの本の新装増補修訂版。旧仮名などは改められ、専門用語も一部現代的に改められているため、読み易い。それにしても、1920年代の翻訳が再び出版されるというのはすごいな。解説はまったく進化論に言及していないが、大杉栄は種の起源も訳していたようで、このころのアナキズムと進化論の関係についても考えてみる必要がある。
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