男ともだち の商品レビュー
はじめましての作家さん。 この作品は、私の価値観では二股や不倫は受け入れることができないので読み進めるか止めるか迷ったところではあるのだけれど、人間関係がそこまでドロドロしていなかったので最後まで読めた。 『旦那や彼氏や愛人では駄目な時ってあるもの。ただ話を聞いて優しくしても...
はじめましての作家さん。 この作品は、私の価値観では二股や不倫は受け入れることができないので読み進めるか止めるか迷ったところではあるのだけれど、人間関係がそこまでドロドロしていなかったので最後まで読めた。 『旦那や彼氏や愛人では駄目な時ってあるもの。ただ話を聞いて優しくしてもらいたい時があるよね。でも、女ともだちじゃなくて、そこはやっぱり男ともだちじゃなきゃ埋められない。』 この台詞を見て、旦那や彼氏や愛人でもなく、女ともだちでも駄目な時があっただろうかと自分の過去を思い返してみたけれど…特に思い浮かばなかった。 お互いに信頼していて自分に求められている役割がなんなのかが阿吽の呼吸で分かるような関係性であれば、それは旦那でも彼氏でも愛人でも、もちろん女ともだちでもいいのではないかなぁ。 "男ともだち"は私には共感できなかったけれど、ハセオのような存在が身近にいたらいいんだろうな。
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私は今女子校に通っているので、「男ともだち」だけの安心感は本当に共感できる。 私自身が必要としている存在を、千早さんが彼女の言葉で語ってくれた感覚。うまく拾えず、認識できないまま忘れていた思いにも気付かせてもらえた。 そしてラスト、ハセオが恋愛としての意味ではなく神名に「愛情を持っている」ことが分かって、何故か安心した。
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不健康な恋愛事情を覗きたいときは読むと良いかもしれない。彼氏からは気が気じゃないハセオの存在。主人公もなかなか自由な恋愛感。友達か男女関係かのボーダーをギリギリ超えないので、別れるということも存在しない。縁を切るのが恋人同士よりも大変そう。そういう人が存在しなくても問題なく生きて...
不健康な恋愛事情を覗きたいときは読むと良いかもしれない。彼氏からは気が気じゃないハセオの存在。主人公もなかなか自由な恋愛感。友達か男女関係かのボーダーをギリギリ超えないので、別れるということも存在しない。縁を切るのが恋人同士よりも大変そう。そういう人が存在しなくても問題なく生きていける恋人を作りたいと思いました。主人公の仕事観はめちゃめちゃカッコ良い。
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「ハセオ〜」と思わず口にしてしまいそうなくらいハセオが良い奴だった。 愛ってなんだろう、とふと考えてしまう小説だった。異性はともだちになりえないのかという昔からよく問われるこの答えは確かに人それぞれかもしれないけど、この物語を読むと「異性はともだちになりえる!」と言いたくなる。 ...
「ハセオ〜」と思わず口にしてしまいそうなくらいハセオが良い奴だった。 愛ってなんだろう、とふと考えてしまう小説だった。異性はともだちになりえないのかという昔からよく問われるこの答えは確かに人それぞれかもしれないけど、この物語を読むと「異性はともだちになりえる!」と言いたくなる。 ハセオみたいなともだちが私も欲しいなと思った。 官能的な場面も多くてきゅんきゅんした。 やっぱり千早茜さんの書く歪な関係の恋愛とかちょっと変わった愛の本めっちゃくちゃ好き!!
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ごめんなさい。 もっと星高いかも 自分が消化しきれないので、 読み終わった時点では⭐︎3 周りに居ないし、 いても友達になれそうもない。 でも、どこかに居るかもしれないし、 心のどこかで憧れもある。 カッコいい/羨ましいという思いと 嫌悪感がグチャグチャにシェイクされ 物...
ごめんなさい。 もっと星高いかも 自分が消化しきれないので、 読み終わった時点では⭐︎3 周りに居ないし、 いても友達になれそうもない。 でも、どこかに居るかもしれないし、 心のどこかで憧れもある。 カッコいい/羨ましいという思いと 嫌悪感がグチャグチャにシェイクされ 物語との距離感がうまく取れない。
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出てくる人たち主人公含めてみんな社会規範から外れた部分を持っていて、簡単に作中の言葉を借りて表現するとクズなんだけど 同性ということもあり主人公にどこか共感できる部分もあり… モラハラで高慢な勘違い男と知りながら不倫を続け肉体関係を持つ事によって、過去の性体験でのトラウマや傷を確かめて、自分を無碍に扱って、心をどんどん削ぎ落として独りになって、それでも自分の中に残っているもの それを命をかけてぶつけることでしか描けないものが彼女にはあり、 描き終えた時に空いた心の穴を男ともだちという存在に埋めてもらうっていうお話 この男ともだちという関係、恋愛感情もなければ肉体関係もなく、何かバランスが少しでも崩れたら簡単に壊れてしまうような関係性で、その揺らぎがよく表現されていて、儚さにぐっときてしまう また、創作してる人は何かしらを消耗しているのだということを経験したことがないのに分かる気がしてしまう物語だった 何を消耗してるんだろう 精神力のようなものなのか、生命力、寿命のようなものなのか分からないけど何かが確実に無くなっていくのを感じたし、 確実にすり減っていくのに創作なしでは生きていけないのだという、人間の業を感じた すり減ったものを満たさずにはいられない女の業もよく表現されていた 色んな価値観の人間がいて、多数派には理解されない価値観を持つ生き物が寄り添って生きていく様子が尊くて やってることは総合的には褒められないのだけど、家族にこういうことをしている人がいたら多分一緒には暮らしていけないだろうとは思うんだけど、 自分には関係ないところからこの人たちを見た時に幸せになって欲しいと願わずにはいられず、自分の中にあるエゴを実感した
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初の千早茜作品。テーマとしては男女間の性愛とは別の関係性といったところで、よく話題になるような男女間の友情の話は共通する部分はあるものの、その点については深入りせず、(女性から見て)パートナー、同性の友達とは別に分類される関係性である「男ともだち」が神名とハセオをとおして描かれて...
初の千早茜作品。テーマとしては男女間の性愛とは別の関係性といったところで、よく話題になるような男女間の友情の話は共通する部分はあるものの、その点については深入りせず、(女性から見て)パートナー、同性の友達とは別に分類される関係性である「男ともだち」が神名とハセオをとおして描かれている。自分の学生時代を振り返ってみると、ハセオ的な友達がいる女友達は何人かいたのをよく覚えている。私にはハセオ的な友人もおらず、こういった友人がいる女友達とあまり仲良くなかったこともあって、神名とハセオ的な関係がどんな感じになっているかよく分からなかったが、本書を読んでそのイメージが少し開けた気がする。ハセオの行動はヒロイックに書かれているが、そこから受け取るものは性愛ではなく、純粋な愛情のように感じた。(親や兄弟のような関係性を想像してしまうが、それとはちょっと異なる様であることをうまく伝えられない) 神名とハセオの信頼関係が生まれるまでのエピソードもしっかり描かれており、「神名」という鏡をとおして、男性心理の動きを読み取れた点も面白かった。男性にも女性にもおすすめしたい作品である。
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おもしろかった。 読む人の恋愛観によって、見方や意見が変わりそう。神名とハセオのような関係が、私はこの世に存在すると思う。でも自分は多分こうはなれないかな。だからこそ2人のこの関係は尊くて素敵で憧れる。友達だって、恋人と同じ、ご縁と相性だと思うから、セックスや結婚がなくても2人の...
おもしろかった。 読む人の恋愛観によって、見方や意見が変わりそう。神名とハセオのような関係が、私はこの世に存在すると思う。でも自分は多分こうはなれないかな。だからこそ2人のこの関係は尊くて素敵で憧れる。友達だって、恋人と同じ、ご縁と相性だと思うから、セックスや結婚がなくても2人の関係は恋人と同じくらい大切なものだと思う。 自分のことを大切にしてくれる人が近くにいてくれることに、神名がとわれだけ救われたか。彰人と別れるのは仕方ないし真司は不倫相手としてもサイテーだったし、神名も浮気して飄々としてるし何やってんのって感じだけど。ハセオも女癖わるすぎてやばいし。登場人物みんなひどかったな。不完全だった。 みんな一生懸命生きてて、間違ってて、やっぱり1人は嫌で、誰かを愛して誰かに愛されようとして必死になっていて、それが自分と重なって、全然こんな経験ないし感情移入できないはずなのに、それぞれの気持ちがすごく分かった。文章力がそうさせるのかな。とにかくずっと、ひりひりしながら読んでた。 最後の方の、美穂と神名の会話が好き。 「神名は」と微笑む。 「なんだかんだ言ってそんなにうまくやれない。でも、だから、1番大切なものが残る。それが何かちゃんと知ってる。前に自信って言ってたけど違うわ。あなたが持っているのは信念。きっと、最後には行きたい場所に行けるわ」 うまくやれないからこそ、うまくやれないからいいんだって思えた。
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この作家さんのは「西洋菓子店プティ・フール」も読んだけど、それと同じく、今回のこれも、良かった。劇的な何かが起こるわけじゃないけどドラマチック。自分の身の回りと前世異なる人間関係が描かれているけど、なぜか共感できる感じ。
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カンナが彰人に言われた一言。 「気にしすぎだよ」 カンナはこう思う。 一見優しそうに聞こえるけど、気になるから発した言葉を気にしすぎだと言われるとそこで終わる。 気にしないようにできるならそうしたい。 それは、そう。 私も今後気をつけようと思った。 長いはずの7年。 でも匂い...
カンナが彰人に言われた一言。 「気にしすぎだよ」 カンナはこう思う。 一見優しそうに聞こえるけど、気になるから発した言葉を気にしすぎだと言われるとそこで終わる。 気にしないようにできるならそうしたい。 それは、そう。 私も今後気をつけようと思った。 長いはずの7年。 でも匂いなら一瞬、目が合えばものの数分で取り戻せてしまう時間。 7年どころか、四半世紀だって一瞬。 男性にとって、自分は相手にもう必要ないと感じそれを伝えることはプライドが許さないことなんた。。二十歳そこそこの私はそれに気づけなかったな。気付けてたら何をしてただろう。 “何を感じようと私にとっては正解だ。”
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